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俺がいっぱい過ぎて若干のゲシュタルト崩壊(笑)
映画の予告だともっとコメディな感じかと思ったけど、予想以上に狂気!!
でも、現代社会をうまく揶揄していると思った、
「自己」について考えさせられるお話、
なんだか自分のことを書かれているような…そんな感じ
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細かいことはとりあえず置いておいて、いろんな意味ですごい小説でした。
テーマとしてはすごく壮大でいいのだけども、もうちょっとだけ足りなかったかなあ。話に無理があると感じたのと、最後らへんが詰めすぎな感がありました。
ただ、この深いメッセージを読み取るとすごく気持ちのいい小説。
自分と他人の境界線がなくなること、最初はそれが心地よかったけど、だんだんと耐えられなくなり、暴走が起きる…。
人間はいろんな人間がいるからおもしろいんですよ、ほんとうに。そんなことを考えさせられる、好きな感じの小説でした。
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そもそも自分を自分だと証明する術はあるのだろうか?
あるいは自分が自分であるべき理由…
ある日誰かと自分が入れ替わっても家族や恋人や友人、職場の人にそれは自分ではないと訴えた所で信じて貰えるのだろうか?
自分が自分である確証なんて実は自分自身にも無いのかもしれない…
私は中学生位の時に鏡を見ては不思議に感じていた。私って何?…私って誰?自分が何者なのか不確かで、何故ここに存在しているのか分からなくて不安だった。
自我の芽生える年頃だったからだろうけれど、鏡を見ると自分が自分で無いような気がして不安に苛まれた。
自分とは色々な個性の寄せ集めであり、そのそれぞれの個性が自分を自分だと思える唯一の手段なのかな…と思う。
個性が自分の証明だとすれば、現代では同じ様なファッション、同じ様な思考。で、似たような人達がうじゃうじゃいて、何だか気持ちが悪いと言えば気持ちが悪い…
皆と同じ思考や価値観でないと、空気読めてないと異端児扱いする学校や会社や世間が悪いのかな…と思う。
回れ右でみんなに従う自分、自分とよく似た自分、安心感で群れて、自分に似た他の自分だから、他の自分の事も理解出来るし、気を使わなて安心出来る…そしていつの間にかどれが本当の自分なのか分からなくなり、気付いたら別の自分に自分の居場所を乗っ取られてしまう…
自分が違う自分に入れ替わった事に家族も気付いてくれなくて、逆に本当の自分を不審者扱いされてしまう…
でもそれを受け入れる自分。自分の新たな家族にも何だかなじんでしまって…全部俺だからいいか、的な落胆的発想。全部俺!考えてる事も手に取るようにわかるし、行動も予測通り。気を使わなくていいし、ラク!他人と接するよりも、俺達だけで暮らした方が楽しい!俺は勢いがついて増殖を繰り返す。
周りも全部自分だし、日本中みんなが俺だ。
俺のコピー、俺の分身。俺だけが入れば楽しく人生を生きていける!
果たして本当にそうなのだろうか?
俺に似た俺にも少しは本体の俺(もうどっちが本体かすらも分からない)とは違う自我がある。
反発や言い争いを繰り返すうちに、ついには殺人事件が発生。自分が自分を殺すなんて…
本書の主人公均は、気まぐれで犯した俺俺詐欺をきっかけに、自分が誰なのかの疑問に初めて気づく。
元々自分の気持ちを偽り、誤魔化し、イヤな事から目を逸らして生きてきた事のツケが回ってきたのだ。
夢を追いかけて生きようとする友人、イヤな上司、流れに逆らわずに生きようとする姉の夫。虫酸が走ると思いながらも、結局は自分が目を逸らしていた自分自身の投影だった。
全ての人間が俺になった時に、お互いの自分の弱い部分を指摘し合い、そしてついには殺し合う…もうどの俺も信じられない。信じられるのは本体の俺だけ…
でも本体の俺はどれだ?均自身、大樹、あつし、色んな人間に間違われてどれが本物の俺なのか分からない。
俺が俺だと認めてくれる人は誰もいない…器の見た目さえ似てい��ば、中身はどの俺でも構わないのか…
確かに家や会社や学校で俺がいなきゃダメだ!と言ってくれる人がいるのだろうか?代わりはいくらでもいる、俺がいなくても地球は回る。似ている俺が入れば何も問題無い…
殺しあって一人になった、本物の俺の均。均でさえ自分が何者なのかも分からないまま模索して、生き残った人達と今度こそ良く似た俺達ではなく、本当の自分になる事を誓う。そして自分は誰なのか忘れないで欲しいーと。
人は常に演技する。家庭で、学校で、職場で。演技をしていないと不安になる。自分のアイデンティティを見いだせない。
けれど時々は演じる事をやめて、まっさらな自分に向かい合うべきなのだろう。悩みや苦しみを演技で誤魔化すな、そうしなければ本物の自分には、なれない。自分を誤魔化さずに生きるのは難しい。けれどそれを乗り越えなければ、本物の自分にはなれないのかもしれないー。
私も誰かに私を乗っ取られないように気を付けなくては!
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亀梨くんの映画化が話題だったので読んでみた。
ジャニーズ主演+三木聡監督ということなのでコミカルな感じになるだろうと高をくくっていましたが大間違い。
社会派、というか、なにこれある種のパニックホラー?
自分の境界線がわからなくなる怖さは、幽霊なんかよりも何倍も怖い。
読んでいて安部公房の「箱男」を思い出した。
自分は一体、何を基準に自分として存在できているんだろうか。
読みながら混乱してきてすれ違う人たちを妙に気にしてしまう。「俺」が他にもいるのではないかと。
これが三木聡監督でどう、描かれているのかすごく楽しみ。
あと、これはあとがきも非常によかった。
読むことで、リアリティがより一層増します。
秋葉原無差別殺人事件、彼も「俺俺」に悩んだひとりである、と。
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俺俺の世界になってしまったことに対する決着がついていないまま終わってしまって、もやもや感が残りました。
ただ、俺俺詐欺がきっかけで、自分だらけになる世界観については、発想が面白い。
「この先どうなるんだろう?」という気持ちを持続させたまま読みきることができたのは、よかったかなぁ。
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映画を見てから原作を読み、とても複雑だなと感じた。削除の描写がリアルで久々に本を読んでドキドキした。
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俺が多すぎて面白い。
この本はすごい。
設定はめちゃくちゃだけど、メッセージはしっかりリアルに伝わってくるー!
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オレオレ詐欺をしてしまったら、
自分が別の俺になっていた。
職場の上司も、母も、すれ違う通行人も、俺。
こんな世の中になりそうな気がしそうで、少々後味悪い感じでした。
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『相手を自分のことのようにわかろうとし続けていれば、たまにはわかるのだ。その程度でいいのだ。すべて同じ自分であるがゆえに、自分が消えてしまうことのほうが、ずっと恐ろしかったはずじゃないか。』
学校、職場、社会には同様な俺(人間)が存在する。俺に合わない者は削除しあう。
私のような人間に会いたいと思わないのは、個性ではなく、鬱陶しいからだろう。
オレ〜♪オレオレオレ〜♪ウィアザチャンプ〜♪W杯出場おめでとう!(ドーハの悲劇を知る俺)
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俺が増殖する。俺同士はなんでも分かり合える。でも、俺の中にいる俺はもはや俺ではない。何者でもない。エヴァの最終話っぽい。読んでるの結構辛かった。。
2013/06/30読了。
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全体的にわけがわからなかった。主人公が何時の間にか別の人間になっていて何がなんだかわからない。亀梨和也主演で映画化をしていなかったら手に取ることはなかったと思う。中盤で展開も気になったけど、結局、最後まで何がなんだかわからないままラストを迎えてしまった。この本を人に勧めることはない。
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読むのに疲れました。けど、なんていうか´д` ;
他人と分かり合えないもどかしさと、
自分の事わかって欲しいもどかしさと、
一人にはなりたくないもどかしさと、
人とは違うんだというもどかしさと、
うーん。話について行くのに疲れました。それがまた楽しかった!
ただ、ラストはちょっと残念/ _ ; 訳分からない感じのまま終わって欲しかったかな。
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最後まで詰まることなくサクサク読めた。次々と出てくる造語が面白かった。「俺山」が崩壊したあたりから非現実的なことが起こり続け(最初から非現実的なのだが)、ついていけない感じもしたが、その代わりだらだら感もなくあっさりした読み口で、そんなところも良かった。小説を読むにあたって多少なりとも「頑張って」読む必要があった私にとって、「俺俺」は非常に読みやすく、素直に面白いと感じた作品だった。
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実存に断片化を強いて、交換可能な名前をつけて以て適当な「何か」としてしまう。「何者でもない」という完全は否定態の内に実存することを許さない。芸術家は殺されすべてを市民俗物にしてしまう。そんな原初的な暴力の影としてしか、現代という時代はその在りようが無くなってしまっている。
誰も彼もが自分から離れていく。眼差しの合わせ鏡の中で、お互いの全体性の像を結び合う親密な人もいない。そのくせ、誰もいなくなったときになお鵺の如く肌にまとわりついている匿名多数の有象無象としての「社会」。実存の存在余地を無くした空間としての「社会」。
そこにあって、我々は、真に孤独として在ることすら不可能だ。自分の内面に深く沈潜し、強いられた「名前」が剥がれ落ちていき、何者でもなくなった透明な自分にまで降りていき、そこに響く声に耳を傾ける。そんな孤独の作業に没入するには、この「社会」は余りに気忙しく、また粗雑な言葉のガラクタがまとまりも無く喧騒となって満ちている。
孤独な沈潜の末に聴こえるとうまいな存在としての自分自身の声は、超越の内在という自己関係的な規制の内部――常に自らを打ち破り外部へと突き抜けていくという内部――に自閉していることを発見するしかない。透明性を無限に否定し続けることによってしか透明で在り得ない自己を発見するしかない。独り言でしか口にできないことを誰かに伝達しようとする矛盾に突きあたるしかない。そこに芸術家は、「社会」に殺され続けるという仕方で蘇る。
しかし、この孤独であることを経ることなく、曖昧な自己の輪郭のその曖昧さを凝視することなく、「社会」の雑音の中に自他の隔壁を溶解させようとすれば、不透明に濁った「社会」の汚泥の中で輪郭を失った自己は――自己意識を失った自己は――、その不透明さを無反省に・無否定に透明の共同体と錯覚し、その匿名多数の俗物根性の塊でしかないハリボテに自己の全体性を回復してくれる幻影を見出し、陶酔・没入・合一していく。これが全体主義だ。「独り」で在ることを突きつめる前に、安易に「一つ」になろうとする者すべてが陥る全体主義だ。
美への忘我も、自己意識による否定の無限運動の中に措かれずにはいない。その無限否定のさなかに見出される以外に、美は、在りようが無い。
太平楽と冷笑を、孤独の絶望へ転化せよ。死に到る絶望が、致命的に足りない。
「死ぬか、気が違うか、それでなければ宗教に入るか。僕の前途にはこの三つのものしかない。」これは現代の出口無き絶望を突きつけてみせた夏目漱石『行人』の有名な一節だ。2000年代以降、ここにもう一つ「無差別殺傷」が付け加えられた。
登場人物たちの日常性は終わらない、そこでは同じ悲劇が反復されるだろう。実存の不安に終わりはない。この物語は終わることができない。それが実存というものの、如何ともしがたい在りようなのだ。
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余りにも自分の姿そのものを映し出す鏡の如き小説に出遭うと、言葉を押し殺されてしまうような苦しみに襲われる。
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俺俺詐欺に始まるクライムストーリーかと思いきや、とんでもなく不思議な世界に入っていく。親子のエゴや疲弊した人間関係を描くところは現代の悩ましい部分だと共感しつつ、後半は異次元の世界へ。
安部公房のような読み味で好き嫌いは別れそう。退屈な場面があり途中集中力がしばしばきれる。