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大阪の大学が舞台なので親近感を持って読める。
今の大学生とは異なる点もあるが、非常に読みやすくスラスラ読める。
下巻も楽しみ。
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中学時代に本小説のドラマをやっていた。主演は石黒賢(確か彼のデビュー作)。そして佐藤浩市、二谷友里恵、川上麻衣子らが出ていた。松田聖子の「青いフォトグラフ」が主題歌で毎週楽しみにしていた。
いつか原作を読んでみたいと思い、6年ほど前にようやく読みました。
ドラマは関東が舞台だったけど、原作は関西なんですね。ドラマも良かったけど、原作もとても良かった。
椎名燎平が大学の4年間、テニスを通して成長していく姿が描かれている。夏子への片思い。良いです。最後はとてもせつない。でもでも何度でも読み返したくなります。読み終えて本を閉じると「青いフォトグラフ」が聞えてきます。
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青春小説の最高傑作と称される本作。
作中で、ある人物が「自由と潔癖こそが青春の特権である」と言う言葉を主人公に授ける。彼の青春は、その言葉にいかにも忠実な、懸命で誠実なものだった。自分はそんな風にはできなかったから、先の言葉は心に痛く、主人公に激しく嫉妬した。
主人公がこれから歩むのも人生の王道なのだろう。その道を歩める強さが恨めしくすら感じた。
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「青春をテーマにした」と言ってしまうとかなり薄っぺらい感じがするが、こうとしか言いようがないだろう。大学時代を懐かしく思わせる、非常に良い小説だった。
振り返ると大学には自分とは違う、色々な人たちがいた。全てを部活に捧げる人、見ててイライラするくらいちゃらんぽらんな奴、将来に向けて資格試験に取り組む人、大学には全く来ず気付いたら会社を興していた社長…
自分は18歳から22歳の間、何をして今に至っただろうか。違う大学に行っていたら、違う言語を勉強していたら、何か熱中するものがあったら、今はどういう人間になっていただろうか。
はっきりした考えは無いが、何かすべきことをしてこなかったような感覚に包まれている。それが何か分からないから、しなかったのだろうけど。
ただ誰もがこういう心のモヤモヤを抱えていると思うと気が楽になるし、何より寝たら忘れているイージーな自分には考えること自体、無意味かもしれない。12時過ぎたしもう寝よう、明日も仕事だ。
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ネットも携帯もない時代の大学生達の青春が羨ましく感じられます。今の利便性も捨てがたいけれど、昔の人間の情に真剣に右往左往するのもいいかなぁと思ってしまいました。
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知人に勧められて読んだ本、
『青が散る(上)』、
おもしろいです。
宮本輝らしい世界が表現されているように思います。
生きるって何なのか、自分の命って何なのか。
新設大学の一期生の燎平。
そこで知り合った学生の夏子とつきあいたいからテニスを始めて、
テニス中心の生活へ。
高校まで全国大会などで活躍していたが病を理由にテニスを離れていた安斎とであったり、
お手本からはほど遠いようなテニスをするけれども妙な強さがある貝谷とであったり。
勝利への貪欲さへの、「王道」と「覇道」と。
人間くさく、変わった奴らの、はいつくばるような生き様。
爽やかなスポーツとしてのテニスではなく、
どろどろとした人間くささを含んで描かれているのが、なんだかよい。
“王道とは何であろうかと燎平は考えた。そして、貝谷の言う覇道とは何であろうか。すると燎平の心に、社会の中で、あるいは力弱く悄然と生きているかも知れない数年後、数十年後の自分の姿がふいに浮かんできた。”
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再読。手持ちの本は昔の装丁で上下巻に分れていないのですが、そちらのバージョンだと画像がなくて寂しいので、こちらを登録。
何年かぶりに読みましたが、30年も前に書かれた本なのに、現在にも通じるものがあり、若さゆえの痛さとか、迷いとか、昔も今もあまり変わらないんだなと思う。
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名前はきいていたけど初めて読んだ。王道と覇道の違い。好きな女の子と絶対結ばれなさそうなこの感じ。青春ですなあ。
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再読。若さとはこういうこと?この年になって改めて感じた。純粋でひたむきで、でもどこか冷めていて、でも未来があるんだな、これが。
過去の自分の青春時代を懐かしむというより、また青春にあこがれてしまった。やはり宮本輝氏はよいな。
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読みやすい。
この頃の宮本作品はひとひねりもふたひねりした作品にへきえきしていたので、こんなストレートな作風が新鮮に思えた。
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「異端ではっても独自な、どこかに一点他の者より秀でている部分が、自分にはまったく見当たらないような気がするのである。何もかもがこぢんまりとまとまって、平凡で、おもしろくも何ともない人間だと思うのだった」
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【本の内容】
<上>
燎平は、新設大学の一期生として、テニス部の創立に参加する。
炎天下でのコートづくり、部員同士の友情と敵意、勝利への貪婪な欲望と「王道」、そして夏子との運命的な出会い―。
青春の光あふれる鮮やかさ、荒々しいほどの野心、そして戸惑いと切なさを、白球を追う若者たちの群像に描いた宮本輝の代表作。
<下>
退部を賭けたポンクと燎平の試合は、三時間四十分の死闘となった。
勝ち進む者の誇りと孤独、コートから去って行く者の悲しみ。
若さゆえのひたむきで無謀な賭けに運命を翻弄されながらも、自らの道を懸命に切り開いていこうとする男女たち。
「青春」という一度だけの時間の崇高さと残酷さを描き切った永遠の名作。
[ 目次 ]
<上>
<下>
[ POP ]
題名にひかれ、七つ上の姉の本棚からこっそり拝借したのはいつだったか。
大学生が織りなす恋とテニスの物語に夢中になった。
成り行きで新設大学を受験した燎平は、殺風景なキャンパスで夏子と出会う。
真っ赤なエナメルのレインコート、鮮やかな口紅。
その瞬間、青春が音を立てて回り出す。
本書には、やはり大学時代、創設されたばかりの追手門学院大学(大阪府茨木市)でテニスに打ち込んだ著者の、若き頃への思いが投影されているという。
若者たちの日々は輝かしいばかりではない。
ある者は忍び寄る病の影におびえ、ある者は破滅的な恋に身を投じる。
女王然とした夏子も、つまらぬ男にひかれて周囲を混乱させ、自らも深く傷つく。
文庫新装版にあとがきを寄せた作家の森絵都さんは、「青春最大の特徴は、光よりもむしろその色濃い影にある」と書いている。
人気のないキャンパスで再び燎平と夏子が向き合うラストシーンは、多くの読者の胸をしめつけた。
恋を夢見た頃を何十年も過ぎて読み返しても、決して色あせない青春文学の名作。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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卒業?記念に下巻と一緒にプレゼントとしていただきました。
学生時代に急激に戻された不思議な読後感。
あの頃の感性と今の受け止め方の差は、表現は違えど森絵都さんの解説にかぶりました。
絶対に忘れない作品(= ̄ ρ ̄=) ..
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いわゆる「青春小説」なのだが、よくある爽やかなだけのサラサラした「青春小説」とは、まるで別格の質量をもっている。青春小説に対するイメージが180度変わってしまったくらいの衝撃を受けた。
テニスを通して出会った若者たちが、苦く青い青春を駆け抜けていく。一つ一つの表現が美しく、煌めくような輝きをもっている。それはふわふわとした美しさや明るさではなく、透明感があるのに、深みをもっている。眩しい光も色濃い影も、鮮やかに描かれているからだ。長篇でありながら、一つ一つの表現が緻密に紡がれたものであることが感じられる。
主人公たちの同級生や先輩後輩、高校時代の友人、テニスを通して出会った仲間、そこから生まれる新たな出会い、そして若い彼らを静かに温かく見守る、辰巳教授のような人生の先輩である大人たち…本作は魅力的な人物たちにあふれている。中でも、繊細で、不器用で、真っ直ぐな燎平が、やっぱり一番好きだ。
人間関係の濃密さと温かさ、心が通う歓びと、違う人間同士だからこそ越えられない壁があるもどかしさ。生きていくことへの高揚と不安、成功と挫折…。
美しい表現で紡がれた文章が、心に沁みる。読みながら、昔の記憶を思い出したり、いろいろな感情がわき起こったり、胸が震えるような感動を覚えたりする。
大きな心で押しの一手、人間の駱駝、覇道と王道、自由と潔癖など、ストーリーや登場人物の心の動きだけでなく、人生について考えさせられる、印象深い表現やエピソードも数多く出てくる。
そして、何より最後の結末がもう…!
青春とは、眩しくて、熱くて、虚しくて、残酷なものだと感じた。
今までで一番充実した読書の時間だった。
レビュー全文
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新設大学でテニス部をコートから作った
別にプロを目指している訳ではないと本人も自覚しながらも、テニスに打ち込む
親友がいて、
好きな女子がいて、
今の自分と将来の自分に不安を感じ、
過ごす青春