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いわゆる「青春小説」なのだが、よくある爽やかなだけのサラサラした「青春小説」とは、まるで別格の質量をもっている。青春小説に対するイメージが180度変わってしまったくらいの衝撃を受けた。
テニスを通して出会った若者たちが、苦く青い青春を駆け抜けていく。一つ一つの表現が美しく、煌めくような輝きをもっている。それはふわふわとした美しさや明るさではなく、透明感があるのに、深みをもっている。眩しい光も色濃い影も、鮮やかに描かれているからだ。長篇でありながら、一つ一つの表現が緻密に紡がれたものであることが感じられる。
主人公たちの同級生や先輩後輩、高校時代の友人、テニスを通して出会った仲間、そこから生まれる新たな出会い、そして若い彼らを静かに温かく見守る、辰巳教授のような人生の先輩である大人たち…本作は魅力的な人物たちにあふれている。中でも、繊細で、不器用で、真っ直ぐな燎平が、やっぱり一番好きだ。
人間関係の濃密さと温かさ、心が通う歓びと、違う人間同士だからこそ越えられない壁があるもどかしさ。生きていくことへの高揚と不安、成功と挫折…。
美しい表現で紡がれた文章が、心に沁みる。読みながら、昔の記憶を思い出したり、いろいろな感情がわき起こったり、胸が震えるような感動を覚えたりする。
大きな心で押しの一手、人間の駱駝、覇道と王道、自由と潔癖など、ストーリーや登場人物の心の動きだけでなく、人生について考えさせられる、印象深い表現やエピソードも数多く出てくる。
そして、何より最後の結末がもう…!
青春とは、眩しくて、熱くて、虚しくて、残酷なものだと感じた。
今までで一番充実した読書の時間だった。
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新設大学でテニス部をコートから作った
別にプロを目指している訳ではないと本人も自覚しながらも、テニスに打ち込む
親友がいて、
好きな女子がいて、
今の自分と将来の自分に不安を感じ、
過ごす青春
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筆者の本を久々に読む。大阪に新設された大学でテニスに打ち込む大学生たちを題材にした1982年の作品。上巻では、個性的な登場人物の説明の部分が多い。楽しみにしていたテニスの話はあまりない。
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「一流になるには、変則的なテニスでは限界があるけど、オーソドックスな素直なテニスでは逆に三流の壁がなかなか越えられへん。見てくれはええけど、そんなテニスは怖いことも何ともない。筋金の入った、年季の入ったテニスにかかったら、勝負になれへんのや」
「俺は、実に真剣に、祐子に惚れとったな」
顔が赤かった。ビールのせいだけではなさそうな目元の紅潮だった。
「こないだ、学生食堂の窓から何気なく坂道を見ていたら、祐子がおんなじクラスの女の子四、五人とのぼって来た。なかなか美人揃いの一団で、他の連中と比べると、祐子が一番と目立てへんかった。祐子よりも美人で華やかな女の子に挟まれてたんや。祐子は、そやけどやっぱり際立ってたよ。祐子は華やかでなかったけど、よく見ると一番華やかやった。ああ、祐子て、やっぱりええなァと、俺は思ったんや」
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予想以上に面白くて驚いている。
登場人物それぞれに対して、”なんだかわかる気がする”部分が自分にもあって、静かに余韻に浸ってしまう。まだ上巻なのに…。
特に燎平。
厚かましくも今だからこそ、自分の恋愛のなかにも、この時期の燎平みたいな男の子がいたのかもしれないという気持ちになる。一見控えめなんだけど、心の中では勢い良く溢れそうになっている不安定な感じ。大学生の時に読んでいればまた何か違ったのだろうか。いかにも無知で無経験で小生意気な若さゆえに相手を傷つけてしまうことも少しは減らせたのだろうか。
男は女の感覚がわからないし、女は男の気持ちがわからない。
人は他人のすべてを理解することはできない。
まして20歳前後の大学生なら。
燎平のこの気持ちが今後どういう風に変化していくのか知りたい。
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テニスに明け暮れるというイメージで読み始めた所、主人公が父親の仕事の経営から大学への入学をどうするべきだろうと悩み立ちすくんでいた。似たように赤いレインコートを着た一輪の花の様に立っている女性と出会い、話は始まる。
登場する人物は誰も印象的でムダが無く、そして離れ別れる者もいれば、嫌いだと思っていても腐れ縁の様に付き合う者もいる。濃厚な学生の青春と呼べる物語だと思った。
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青春小説。上巻だけ読んだ状態で何も評価はできないが、ミステリーばかり読んでいたせいで、事件らしい事件が起こらない小説は我慢を強いられている感じがあるな。下巻では何かあることを期待。
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メモ。
青くて幼くて脆くて必死に生きてた。
大人になって世間に擦れて沈んでしまう、若さに裏打ちされた感情を思い起こさせる作品だった。
誰もが椎名燎平であり安斎克己であり氏家陽介でありむしろ誰でもない。
この世は怖い。人生は大きい。
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宮本輝の錦繍を読んで、文章が好きだったことと、
主人公が大学生だった大学生のうちに読んでおこうと思い、手に取った。
登場人物一人一人が個性があって、人間らしい面を持ち合わせているので共感できて面白かった。
大学4年間なにに使うのか、このままでいいのか、恋愛も含めて焦りの気持ちとかも今の自分に通じるものがある。
話の方向がどうなるのかまだわからないけれど、下巻も楽しみに読みたい。
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ブクログの談話室で見かける本。著者の本は「骸骨ビルの庭」「錦秋」を読んでいる。なんとなく、個人的には著者は文士タイプの作家のイメージがある。
昭和40年代の大学生活。出来たばかりの大学、出来たばかりのテニス部。若者たちの群像劇という処。文章がうまく流れていないのが意外だった。著者にも若い作家時代があったということか。
ぼくが大学生活を送ったのは、昭和50年代後半なので、全共闘世代の名残がわずかに残っていたけど、今の若い世代にはピンと来ないかもしれない。
主人公をテニス部に誘った金子、かつての名選手で精神を患った安斎、王道は出来ないから覇道を目指すと云い、変則的なテニスを打つひねくれ者の貝谷、…。登場人物が生き生き描かれている。
さあ、下巻を楽しもう。
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燎平、金子、安斎、貝谷……。個性的な大学生たちの、ゆるゆるとしながらも熱く、懸命に生きる、どこかノスタルジックな青春の日々。
青春っていいなと漠然と思います。
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27
ママにオススメされて読んだ
たしかに大学でテニスに青春捧げる人達の物語面白い
けどまだ思ってたんとちがうなあー㊦読んだらまた変わるんかも。読んでみる