紙の本
大学テニス部を舞台に、人の生死に触れる青春時代を描く傑作
2021/06/17 14:46
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
新設大学のテニス部設立に関わり、部員やその他の友人との関わりを描く宮本輝氏の小説の下巻。下巻は大学3回生から卒業までを描いています。
主人公の燎平が経験する節目となる重要なテニスの試合が2試合登場します。部の規律を守り、けじめをつけるために下級生部員との退部をかけた試合、共に部の設立に関わったキャプテン金子とダブルス出場を果たした最終学年のインカレ1回戦の試合です。決して一流の選手にはなれないことを受け入れ、”一流の下よりは二流の上”を目指して研鑽を積んで行く燎平。退部を掛けた試合ではテニスの実力では格上の下級生に勝利しますが、インカレ1回戦では優勝候補に敗れ去ります。
上巻よりはテニスのプレーの描写が多いですが、プレーを通じての心理描写が細かく、前者の退部を掛けた試合も、後者のインカレ一回戦の試合も、勝敗以外にその試合にかける燎平の意地のようなものが伝わって来ます。
そして本書が単なる恋愛もの、スポーツものとは一線を画すのが、4年間の大学生活で、燎平にとって3人もの身近な人の”死”を経験することです。3人のうちの一人は燎平のテニス部の同僚なのですが、学生時代に身近な同僚を亡くすという経験は、実際にもしも自分に同じ経験が降りかかったら、どう受け止めたのだろうかと思いました。そのあたりの描写もあって、単に20歳前後の過去に対する懐かしさだけではなく、切なさとか、寂しさのような読後感でした。
誰もがこの小説の舞台のどこかに共感できる部分があるからこそ、単行本として出版されて以来30年以上も版を重ねて多くの人に読み継がれているのでしょう。20代、30代のころの自分がこの本を読んだら、どんな読後感を持っただろうか、と考えてしまいました。
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大好きな宮本輝さんの超有名作品です。
宮本さんの言葉って深いですね。
読めば読むほど、また年をとればとるほど、受ける印象や得る感慨が異なるというのはなかなかないことです。
僕が持っているのは上下巻の新刊ではなく1冊のやつです。
上下購入するのはなかなか面倒かも知れませんが、読んでみてください。
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登場人物の何気ない一言は何気ないようで重かった。人物描写が巧妙に描けていた。 大学生活はクラブに没頭していた所が私も同じなので、非常に共感した。
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青春。若いって素晴らしい。そして何かに熱くなれるってカッコイイ。大人になって改めて読んでみても感動。でも若いうちに読んだ方がもっと良い。
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この本に出会えてよかった、といっても過言ではない。しかも、今、自分が大学生の時期に出会っておいてよかったと心から思う。
たった4年間の大学生活。4年間でもこんなにも人間は成長(もしくは衰退)する可能性や潜在能力を持っているのかと思うと、自分が今おかれている状況に甘んじていてはいけないと気づいた。
何からのプレッシャーも受けない社会的モラトリアムの大学時代。
そんな毎日をどのように過ごすかは自分次第。
ただ「自由であると同時に潔白でなくてはいけない」。これこそが若者の守るべきこと。
また、自分自身と境遇が似ているということが嬉しかった。主人公の恋する女の子の住む駅が、実家の駅だったという偶然!
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学生時代に読んで感動した作品です。
誰もが経験する青春時代の美しさとはかなさがつまった小説
読んでない方は今週末に是非読んでみてください。
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うーん。悪くないのだけど…
やっぱ、大阪弁の小説はちょっと苦手かも。雰囲気とかも含めて…
あと、状況描写がちょっとつかめなかったりすることが何度もあって、つっかかってしまいます。
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光と影、王道と覇道、生と死、勝利と敗北、男と女、あらゆるものの対比。
主人公をはじめ、どのキャラクターも生きてそこに存在しています。
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青春文学の金字塔。
ちょっと昔の大学生のお話でいわゆるバンカラな人たちや喫茶店もでてきたり。
大好きな作品。
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新設の大学でコート造りから始めたテニス部での青春小説。
その時代、同じ年代でも雀荘の下の喫茶店には強気な浪人生、ミュージシャンを目指す奴、あやしいセールス会社に関わる奴、いろんな熱い人間がいた。
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るるるー
父親に薦められて読んでみました。
大学生の青春。自分がテニスサークルに入ってることもあってすごいよかった。
私も大学生・・・まだまだ青春出来るんだな!!
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宮本輝も関西も好きじゃないのに、どうしてこの小説は面白いのかと不思議に思う。
よくある青春小説。しかし、これ以上の小説はなかなかないだろう。
結末も良かったし、死に関するエピソードも悪くなかった。
青春時代の淡い想い出に飢えている人はぜひどうぞ。
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大好きな作家、宮本輝さんの作品です。 若いころ読みました。宮本輝さんの言葉や人の内面を見つめる視点みたいなものが好きでした。
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何かが違う。20代に読んだ時と。もっと共感したような記憶がある。なぜだろう。白樺のシーンがそうさせるのか、人間の駱駝が馴染めないのか。テニスのスポーツ小説という面では安斉Vs貝谷の熱戦のシーン、白熱している。裕子の婚約が決まってりょう平達四人で飲んだくれるシーンは共感した。夏子が気持ちにはいってこないのだろうか。女性の見方が変わったせいか。
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青い香水が付く感じ。大好きな本。
今更ですが、テニス覚えようかと思いました。
タイトルも良い。