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震災前に東北を二週間近くかけて旅行する機会があり、道すがら関連した本を…と思い、購入した。
戦前の文体なので慣れない人には多少の敷居の高さはあるかもしれない。
自信のない人には現代語訳もあるらしい。
内容は至って平易。
昔話というよりは伝承の記述といった内容なので、想像を膨らませることができる。
素朴で物悲しい話の数々。
誰でも一度は触れておきたい一冊かと。
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岩手県の遠野地方に伝わる伝説、民話、行事、昔話等が集められている。河童や座敷童子、天狗の話がある。
オシラサマは蚕の神様だったな~とか、飯綱(イズナ)は管狐かと気がついたり、天狗=白人説を思い出したりと色々と考えさせられた。
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民俗学の嚆矢ともいうべき本で必読の書なんだろうが、当方にとってはいまひとつ面白くなかった。
この手の学問を(しかもかなり日本独自の方法論で)最初に構築したこと自体称賛されるべきことだが、その内容には興味が、、、
伝奇的側面に捉われた表面的読み方の典型が当方だとしても、合わないんだからどうしようもない。
ただ今西錦司が狼絶滅のヒントをこの著作から得たというエピソードは感動。
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以前から読みたいと思っており、やっとの思いで読むことが出来た。
自身の体験に近いことが書かれていたので興味深く読むことが出来た。
地域性を軸に様々な話が紹介されており、遠野という土地のことをより深く知りたいと思うようになった。
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随分昔に1度読んだことがあるが、今読むと若い頃とは違った読後感だった。
東北には行ったことがないので、いずれ訪れてみたい。勿論、この本を持って……。
それにしても、この序文は何度読んでも名文だ。時々、続きを読む手を止めて序文だけ読み返した。
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民俗学の柳田国男が遠野の奇譚、怪異、言い伝え、風習などを遠野の佐々木氏から聞き筆記したもの。その後の民俗学に大きな影響を与えた著。
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日本民俗学の嚆矢とも言える作品とのことで、敷居の高さを感じて、今まで手が出せませんでしたが、案外すんなりと読めました。
岩手県遠野地方の怪異譚、伝説、生活誌など今に伝えています。
読んでいると、今は昔の日本の農村風景が目に浮かぶようです。
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物語性を求めて読むこともできるが、あくまでも資料集。他の柳田著書や民俗学関連書籍と合わせながら読むもの。自分で題目からリストアップして作っていくしかない…かとおもいきや京極さんが書いてくれました。
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いろいろな「遠野物語」が出てますが、表紙がきれいだったのと「拾遺」が収録されているのでこれを購入
山の神様や家の神様、野辺の狐狸や狼、猿などなど
神さまや仏様が田植えをしてくれたり火事を消してくれる話が、なんだかほっこりとして好きです
「真面目に信心すればいざという時に助けてくれる」という教訓話として片付けたくない温かみを感じるのは、柳田国男の文才のせいかなあ
狐狸や猿のいたずらに対しては、けっこう容赦がない(笑)
狐汁にして美味しくいただきましたとさ、ちゃんちゃん
農作物を荒らすこともある獣に対しては、農民は憎しみも持っているだろう
本当に表紙がきれいだし手触りもいいから、シリーズの他のものも欲しくなってしまう
一つ目小僧とか好きですし
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おしらさま、座敷わらし、さむとの婆・・・大好きな遠野。曲がりやの主人の囲炉裏を囲んだ夏がよみがえります。学生時代、何回も遠野を訪れ、物話の場所をひとつひとつたずねました。やさしい暖かい方言・・。柳田さんの、この本は民俗学だけでなく、不思議な世界や、自然への畏敬がぎっしりつまっています。いつ読んでも、どのページをみても、感慨深い!日本の良さがここにあります。
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一応大学で民俗学を学んでいたので、絶対に一度は読まなくてはと思いつつ、文体を敬遠していました。
妖怪話ばかりかと思っていましたが、遠野に住む人々の生活を書かれているので、全部が妖怪話ではありませんでした。
また同じようなお話もまとめるのではなく、それぞれ書かれているのが、グリム童話初版に通じるものがあるなと思いました。
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簡潔でありながら、臨場感あふれる名文。遠野の世界にすぐに入り込める。
後半、現代文になると読みやすくなるが、前半の古い文体も非常に魅力的で、どっちも読めるのはありがたいなと思う。
でもほんと怖いな…夜一人で読んでたりすると、電気を無駄につけたくなる^^;
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日本民俗学の父と呼ばれる柳田國男先生。
岩手県遠野の民間伝承を採集して
まとめられた「遠野物語」。
日本の原風景を牧歌的に語るのではなく、
昔話のように教訓を含んだもの、
風習や伝説とともに、とりとめのない
世間話のようなものも含まれているのも
口承たるリアルさで面白い。
目に見えない世界が信じられ
怪異が不思議としてではなく、
人々の生活と地続きだった古き時代。
自然への畏敬の念、人々の暮らし。
時に閉塞感があり、時に温かみをもって
周囲と繋がり、年中行事で四季を感じ、
目に見えないものを想う心の豊かさ。
現代に語り継がれた物語などの原点も
たくさん含まれていて感慨深く面白かった。
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遠野地方を旅行するにあたり、遠野の歴史を知りたいと思ったのが、読み始めたきっかけです。
実際、姥捨て山の話を読んだ後に、姥捨て山のデンデラ野を訪れると、風景が鮮明になりましたし、河童のはなしも、カッパ淵を訪れると、本当にあった話に思えます。馬と女が、恋をして悲劇的な結果に終わった話には、自由にならない時代の哀しみを見てとれました。
この時代の自然への恐れや、信仰も読み取れます。
凄い、本です。
純文学、難しいですが、やはり、国の歴史や風土、人の悲哀を感じるには、外せません。
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・遠野の人々は、動物も人間のような感情を持つ畏敬すべき存在、だと考えていました。
雌狼が子供を殺され復習にやってきた時、素手で応じる猟師の話があります。
子供への愛情から襲ってくる狼に対し、武器を持って戦うのは卑怯だと考えて、猟師は自分のワッポロを脱いで腕に巻き狼と対峙しました。その後、狼も猟師も深い傷を負ってまもなく死んでしまいます。
文明の利器である鉄砲で野生動物と向き合うのは、ある意味では卑怯で、
狼も人間も野生動物で、只の動物だとなった時には、素手と素手で戦うのが、最も敬虔な勝負というふうになるのだろうと思いました。
一方で、猟師であるならばより効率よく狩ればよく、鉄砲を使わず命まで落としてしまうのはナンセンスだと考える人もいると思います。
けれどもこれは現代人にとっては最も見えにくい(理解しがたい)、「狩猟民の精神」が垣間見えます。文明の利器によって人間はある程度、自然に勝ち、その効率の良さに甘んじてしまいがちですが、たとえば自然の猛威に触れ自然にはまるで敵わないことを思い知った時、人々のこれまでの生き方、在り方さえを問われると思うのです。
その時、「遠野物語」は非常に大きい意味のあるものだといえて、人間が人間だけしかいないというそういう世界ではなくて、動物とも自然界ともバランスを取りながら慎ましく生きていく、現代の中では無意味に思われがちな事でも全体として大きく見据えたとき、遠野の人々の考えから学ぶことは一杯あるのだということを知りました。