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ここまでくると、「ジャーナリズムは欧米で生まれた文化なんだから日本に無理矢理あてはめるなよ!」とでも言いたくなる。それほどに、両者のジャーナリズムに対する違いは存在している。
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普通に新聞やニュースに接していたら気付くレベルの話だと思うが、例えば全国紙の1面は殆ど同じ内容だし、夜のニュース番組なんかはニュースの並びが民法もNHKも同じだったりすることは、本当によくある。つくづく日本のマスコミは横並びが好きなんだなあと思う。それが「記者クラブ」の存在に帰する所大なら、大問題だろうに。
著者はジャーナリストとしてのあり方を真っ当に主張し、そのあり方に大いに疑問がある「記者クラブ」を糾弾している。論旨は単純明快だ。記者クラブが権力側に寄り添ってしまって、所謂「権力の万人」として機能していないと言う点は甚だ問題だ。これは受けてである我々にとって不利益以外の何物でもない。
報道の自由とかインターネットの署名問題とか、大手メディアはさんざん正論めいたことを言っているが、上杉氏の主張が正しいとすれば本当に茶番でしかない。
自分は「新聞は間違う」ということは常識だと思っているのだが、もしそれが世間の常識でないとすれば、結構アブナイことだと思うのだが。
上杉氏にはバンバン主張して貰って、大手メディアは正々堂々と議論して、我々の目に見える形で何が真実なのかを明らかにして欲しい。
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日本のジャーナリズムを海外の報道機関と比較することで、旧態依然とした日本のジャーナリズムが如何に危機的な状況にあるか訴えている。特に記者クラブというものが、如何に閉鎖的で日本のジャーナリズムに悪影響をもたらしているか詳細に書かれている。とても参考になった。
著者が日本のジャーナリズムの問題点として挙げた事例と似たようなことを自分でもやっているいい加減な人物であることだけが残念である。
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2010.5.27
記者クラブを解放せよ。
現在の日本のマスコミの問題点を気付かせる意味では良い本だが、偏りすぎてる感じも否めない。
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先ず目次から眺めると,以下の通り。
第一章 日本にジャーナリズムは存在するか?
第二章 お笑い記者クラブ
第三章 ジャーナリストの誇りと責任
第四章 記者クラブとは何か
第五章 健全なジャーナリズムとは
ジャーナリズムとは、読者の為に権力とも対峙出来るという役割を持っているのではないか? 事実を積み重ね,世界の真実にせまるのがジャーナリストではないのか?
しかし、それは建前で,実態は反対に権力に癒着していることも珍しくない。例えばNHKの報道は客観的な姿勢を持っているかのふりをしつつ、権力に都合の好い報道と解説を流し続けている。
仕組みとしてニュース報道の元栓は記者クラブに握られている。権力は記者クラブを手なずけて,ニュースの報道の仕方をコントロールしている。
確かにこの頃のマスコミが急速に保守化し、時には右傾化していることは感じること多々。
このジャーナリズムに切り込んでみたのが、この一冊。
筆者はジャーナリストの一人として、アメリカのジャーナリズムと日本のそれを比較する。そのことで、日本のジャーナリズムの歪みを白日のもとに公表している訳だが,このことで日本のジャーナリズムの主流は変わるのだろうか。変わって貰いたいところだが、なかなかそうはならないだろう。
筆者は,日本の新聞社が新卒学生を集め,企業人として育てていることをあげ、アメリカの新聞社がキャリアのある記者を採用し,ジャーナリストとして働かせていることとの違いを強調する。確かにそれも云える。
それも大きい問題だがが、更に基本的な問題もあることだろう。
一つは,新聞社と云う企業として広告主にはリアルにものが云い辛いだろう。さらには日本経団連の方針には厳しいコメントも難しいだろう。
この経団連が,政治的には日米同盟を掲げ,庶民増税の消費税引き上げと,企業減税の法人税見直しを政府にせまっていることに、勤労国民の立場から,待ったをかけられるマスコミはいるのだろうか。
二つには,アメリカの米日同盟世界戦略に、今日的情勢から日本の対米従属について見直し,ほんとうに対等平等の日米友好を求め,軍事基地を撤退させることが出来るマスコミは出てくるのだろうか。
しかし何れにしても,今日のマスコミ業界に一矢報いた感のある記述には同感できるものが多かった。
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* 日本の新聞はワイヤーサービス(速報性重視のメディア)
o 時間をかけた分析・批評が少ない
* 過剰な記者数の日本の新聞
o ニューヨークタイムズ300人、朝日3000人
* メモ合わせという名のカンニング
* 政治家の出世が政治部記者の出世に影響
* クレジット(情報ソース)打たない日本の新聞
* 記者が経営まで行なう弊害
o 後輩、他者への圧力の源泉に
* EUに「非難決議」を採択される日本の新聞
* 権力ではなく内閣記者会が取材の可否を管理(フリー、外国人)
* フリー、雑誌記者は記者クラブの未使用情報をかなり活用
* 日本の記者はジャーナリストでなく会社員
* 色を嫌う日本の新聞社、コネを好むNHK(3割は政治家のコネ)
o ニューヨークタイムズは政治家秘書経験があったから採用
* 日本新聞の大部分は無署名記事→批判されない
* 大学新卒採用がほとんどの日本の新聞社
o アメリカはほとんどが社会人採用
* 1978年に記者クラブが取材拠点へと変化→日本新聞協会の「見解」
* 「出入り禁止」を恐れる記者クラブ所属記者
o 出世に悪影響
o 政治家に寄り添う形に
* 記者クラブ以外が主宰する記者会見を妨害ex.東京都知事会見
* 取材対象が新聞発行地に近いほど取材や執筆に困難が伴うというアフガニスタン・ルール
o 身近な記事ほど批判にさらされやすいため
o 時間軸についても同様のことが言える
* 誤報を一切認めない日本の新聞
o ニューヨーク・タイムズは毎日「訂正欄」で過去の誤報の原因まで検証
o そのことが他の記事の正確性を担保する効果も
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日本の政治報道の腫瘍ともいえる記者クラブについて言及。どのような問題点があり、だれに利益が、だれに不利益があるのか、非常にわかりやすく書かれている。
そしていかにニューヨーク・タイムズと米記者がすばらしいかよくわかった。それだけでおなかいっぱいになるほど。
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日本の報道が報道とはとても呼べないレベルの代物だと言うのがよくわかる。
これはひどい。
ぜひ日本全国民が知るべきだ。
中国なみに情報統制された日本の実態を知るべきだ。
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日本のジャーナリズムのレベルの低さを嘆く本。
著者は日本のジャーナ1であるが、「フリー」であるが故に取材には「不利」な事が多いらしい。
NYタイムズの記者であった経験を基に、日本とアメリカのジャーナリズムの違いを鋭く指摘し、日本の現状を変えていきたいという志が読み取れる。少々クドイ記述もあるが、日本のマスコミのレベルの低さを知る一冊。
記者は体力勝負なので、体育会系で上司の言うことをよく聞く兵隊さんのような人が多いという記述には笑ってしまった。
確かにTVカメラに映る日本の新聞記者達は、体張ってますからね。
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最近某条例について色々調べていくうちにマスコミという壁にぶつかったので読んでみた。日本の報道の腐敗ぶりを平易な文章でユーモアまじえ分かりやすくかつ厳しく言及している。
しかし、海外ジャーナリズムを過剰に引き合いに出すのはあまり良い印象は受けない。
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日本のジャーナリズムはすでにジャーナリズムではなくなって、みんなで手を繋いで赤信号であろうと高速道路であろうと平気で歩いて渡っている。
そんな記者クラブにメスを入れて、おかしな日本の報道をえぐっています。
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こういう内容を知らない人が多いのが残念。もっと広まれば良いけど、著者自身が、大手メディアから干されてるらしいので仕方がないか…
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記者クラブそろそろ解散するか、システムを見直す必要があるのではないか?そういう声が圧倒的に少ないのはどういう訳か?この事に不満を持っているのは著者だけではあるまい。
・・・・って思っても発言の場が限られてしまうからこちらまで届きにくいのか。だとしたら怖い。
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私は以前からテレビ、新聞、雑誌といったメディアに懐疑的でした。
これらのメディアは偏った報道しかしませんし、都合良く捻じ曲げられていると感じていたからです。
「多事総論」
これが民主主義の基本なのに日本のジャーナリズムは議論を封鎖しています。
これだけ発達した情報社会にいると共感する人は多いでしょう。
でもその情報に振り回されては駄目で、自分で取捨選択する能力が問われています。
そんなとき信頼の置ける新聞などがこの体たらくですから困ります。
例えば最近目立っているのが、有名人がブログで真相を語るとケースですが、ひとつには日本のジャーナリズムに信頼を置けないからではないでしょうか。
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文体としてとても読みやすく、内容も充実している。ツイッターや、ニコニコ生中継で見て上杉氏に興味を持っていたが、今まで著書を読まなかったことを悔やんだ。
ジャーナリズムの原則や、役割、著者の信条なども端的に書かれていて著者の態度が明確である。
記者クラブについても、その誕生から現在までの変遷、内部事情、外への態度と詳しく書いてあり、なんとなくの理解に留まっていた記者クラブについて理解することができた。また、彼ら自身を悪役にするのではなく、それを作り出す環境や、なかなか崩すことのできない事情にまで触れられていて、全体を通して著者の誠実な人柄が伝わってきた。
本文中の「人間ならば客観報道は不可能である」というのが私たち読者にも足りていない考えだと思う。
しかし、海外報道に関しての氏の考えには同意しかねる。特に現状の日本の問題はこの記者クラブに関しても、日本人が海外事情についてあまりにも関心が少ないからだと考える。
自国政府への批判はジャーナリストにとって非常に困難でありプレッシャーがかかる者であるというのはこの本からもとても理解できるが、アフガニスタンやロシア(なぜあえてロシアを選んだのか気になるところである。)の記事に若者などは流れがちというのは、日本の現状には当てはまらないのではないだろうか。