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紙の本
力作。「魔」とは何か。
2015/11/08 10:41
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投稿者:たまがわ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の立場は、
『祈りも呪いも念力も存在する。そして、それは一定の実効性を持つ。それは恐ろしいまでの真実なのだ。』
ということである。
第一章で、ブッダ以前、古代インドの、祝いと呪いの経典『ヴェーダ』の紹介と解説。
そしてブッダが登場し、呪いや占いを決然と否定したことについて、
『ゴータマ・シッダルタはバラモン教的な旧来の呪術ー宗教を知悉した上で、「脱呪術化」の
路線に踏み出す覚悟を持った“確信犯”であったといえる。』
『わたしは人類史において、このような呪術的な世界観に明確な拒否の姿勢を打ち出した
ゴータマ・ブッダの立場を「呪術革命」と捉えたい。』という。
第二章で、酒鬼薔薇聖斗の「懲役13年」と題する手記の中の、「魔物」についての記述、
「彼は、徳そのものが持っている内容以上の徳を持っているかの如く人に思わせてしまう」という部分について著者は、
『誘惑者を意識し、経験したことのない者には語ることのできない内実である。』と注目する。
『酒鬼薔薇は「行き詰まり」を感じ、それを乗り越えて行く「心の改革」を希求し「魔物」との戦いを自覚していた』。
酒鬼薔薇は「心の改革」を望みながら、それに失敗し、ゴータマ・ブッダはそれに成功したという。
そして、麻原彰晃も過去に「魔境」に陥ったことがあり、その怖さも状態もかなりよくわかっていながら、最後までその「魔境」は麻原について回った。
麻原も酒鬼薔薇も
『「魔的なもの」について共通のリアルな意識と直感があった。注意力があった。にもかかわらず、彼らはその「魔」と自らを同化してしまった。』という。
そして、著者自身の「魔」体験の告白。ブッダとイエスの、「悪魔」との闘い。
第三章で、オウムの修行システムと信者の神秘体験について。チベット密教の光と闇について。
第四章以降で、呪殺と魔などについて様々な話題。
力作で面白かったが、第四章以降、退屈に感じた。
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