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詳細に当時の状況が書かれている。政策の妥当性よりも自身の立身出世、私利私欲が大事な一握りのグループのために、この国は道を誤ったように見える。とりわけ当時の総理とこの大臣の組み合わせは最悪の方向に機能したようだ。
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IWJ岩上安身氏との対談で本書を知り、興味を持ち、読んでみた(佐々木実氏は元日本経済新聞の記者)。経済にはとんと暗い自分、難解なところもあり、ひと月かかってしまったが…。
小泉政権時代、官から民への掛け声の下、“郵政民営化“など金融再編の立役者として活躍した竹中平蔵氏。氏の出生地・和歌山から開銀時代、留学先と時代を追って関係者へインタビューし、様々なエピソードを交えながら、その人物像に迫っている。
丹念な調査と膨大な資料の読み込みに感服。現在の日本の抱える問題(経済格差、地方の衰退)は、20年以上前のこの一連の構造改革が端緒となっていたのだと思わされた。
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読んでいて気分が悪くなってきた(わかって読んでいるのだが)。公認会計士の自殺のあたりで、もう本を投げ出しそうになった。
この本が書かれて7年。その後(現在進行形)の暗躍ぶりも読みたい(気分がますます悪くなりそうだけど)。
相当個人的に恨みを買っているだろう。日本経済を陰(表?)で操り、お金も儲け、彼は幸せなのだろうか。そんなことを私は心配してる場合ではなく、自分の利益のために国を売る、国民の財産を売る、国民を売るような人を観察し続けなければいけない。
この人に限らず、アメリカに魂を売った人たちを国のリーダーに持つ悲劇はいつ終わるのだろう。
もしアメリカが凋落し、この悲劇が終わったとしても、いつまでも他国に魂を売る人しかリーダーになれない国なのかもしれないと思う。
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長い間、経済学の意義について疑問があったし、竹中平蔵は許しがたかったので、手に取りました。
本書を読んで、長年の経済学に対する疑念の正体が少し分かった気がしました。
私の拙い理解ですが、経済学は、すべての人が合理的経済人として行動すると仮定されていて(無理がある)、しかも、その合理的経済人は欲の塊とされている。倫理的によいか悪いかは、経済学は議論しない(つまり、倫理的でなくてもいい。欲の塊の合理的経済人が倫理的に行動するとは思えないのに)。ただ、ある目的をいかに効率的に達成できるかだけを考える。
竹中平蔵はじめ、経済学者や経済界の人間はそのメソッドに則っているだけ。
ほんと、合法的に悪事を働く犯罪人だと思う。
農業ももっと効率的にできるとか語ってて、ふざけんなって思う。農業で作られる景色や環境のことをどう思っているのだろう。
単にお金を増やすこと、それだけのために生きている。そして、そのために本当に多くの人が犠牲になっている。
改めて許せないと思いました。
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竹中平蔵とは。
悪評名高い彼について知ることは、小泉政権下の格差拡大を齎した張本人である事や、政策に絡み、パソナ等自らの事業に結びつけて私利私欲を満たしたという仄聞。読書前には、正直、その雰囲気しか分かっていなかった。
著者は、極力偏見なく描いているものの、決して彼を好意的には記述しない。読んでいて、我田引水に周囲を操る竹中に気持ち悪さを感じる。しかし、彼の原動力は何なのか。その能力の高さを不思議に思うと共に、目的が金だけなのか、いかに金には際限が無いとはいえ、読みながら疑問がこびりつく。幼少期、桐蔭高校、一橋大学、そして日本開発銀行時代から掘り下げる。いつの間にか、我儘を通しながら、竹中平蔵は、巨大化していく。
努力の人。行動の人。周囲を巻き込む天才。ダイナミックでスケールの大きな人物、と見えなくもない。しかし、目的が全て私的利益に結びつく時点でただの奸物。これが人物像の境界線ではないか。
後半、郵政民営化の渦中、金融の私物化。麻生太郎や鳩山邦夫との政治抗争やその後の亀井静香との対立。かんぽの湯の売却に際してのオリックスグループ宮内義彦との関係性、竹中兄であるミサワホームへの影響行使は懐かしく、面白い。著者、佐々木実の凄さは、人物を生誕から現代のゴシップ劇を抉るにも取材を緩めず多面的に描く事。素晴らしい。
今、竹中は「平ちゃんねる」というYouTubeを開設し、自らの意見を発信している。これ以上、何を得たいのか。あるいは、まだ我々は彼を誤解しているのだろうか。
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2022年7月19日、パソナグループが竹中会長の8月退任を発表した。
竹中平蔵は、日本開発銀行の職員だった時代、米ハーバード大学の研究員となり、同銀の先輩と行った共同研究を、自分だけの名前で発表した。
竹中は、パーマネントトラベラー、つまり、ある国に税金がかからない間だけ滞在し、居住者になる前に他の国に移動して、税金を回避していた。
竹中は、慶応の助教授時代、パーマネントトラベラーについて授業で語っており、「法律には抜け穴がある」と、はっきり述べていたことを、慶大の卒業生が証言してる。
竹中は、2009年8月からパソナグループ取締役会長を務めていたが、本人が「若いリーダーに託したい」というフザケた理由で、退任を申し出た。コイツこそ、就職氷河期を作り出した張本人のクソ野郎でありながら、今頃になって「若いリーダーに託したい????バカなの??????」としか思えない。
オリックス創業者の宮内義彦氏は、竹中と組んで規制緩和に取り組んできたが、そのオリックスも、竹中の取締役退任を2022年4月に発表した。
2022年4月、国家戦略特区諮問会議の委員からも竹中は外された。
岸田政権は、意味不明な『新しい資本主義』をのたまい、新自由主義と決別しようとしてる。
岸田が議長を務める「デジタル田園都市国家構想実現会議」でも、竹中はそのメンバーであるが、こちらも外される可能性がある。
なぜ、このタイミングで、竹中が、突然、オリックスとパソナの役職を辞任することになったのか?
検察の捜査が入っている、という噂が流れてる。
日本郵政が所有する2.6兆円くらいの不動産の売却に関して、売買候補物件の情報を、竹中平蔵がオリックスに流して、不正な取引をしようとしたのではないか、という疑惑がある。
だが、竹中平蔵が日本郵政に圧力をかけたと仮定したとしても、2006年に政界を引退しているので、その時点では、政府の職務権限を失っており、オリックスの社外取締役のひとりにすぎない。
これでは、2006年以降の事案で、不動産取引の違法性を問うのは難しいのかもしれない。
つまりコイツは、昔っから、不正なことばっかやってきてんだけど、法律の抜け穴を上手にくぐり抜ける方法をよく分かっていて、このままだと、おそらく、今回の検察の追求も、上手にかわして逃げ切るんだろうなって思うと、マジでムカつく!