紙の本
日本初のノーベル文学賞受賞
2013/06/30 12:59
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Misty - この投稿者のレビュー一覧を見る
小6のときに読んでまったく理解不能な作品でしたが、ひさびさに再読したら、これは大人の小説だということがよくわかりました。
単にストーリーを追うのではなく、ディテールの陰影を丹念に読みこんでいかないと、作品の魅力を味わうことができない名作なのですね……。
男の人のズルくてイヤな部分が、容赦なく描かれているのにおどろきました。
大人にならないと理解できないことがたくさんあるんだなって、今さらながら痛感しました。
紙の本
芸術作品
2022/10/07 22:31
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マンゴスチン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ストーリーは別に面白くないし、登場人物に共感もできない。
微妙な進み方に困惑しながら何とか読了。
物語性というよりも絵画のような楽しみ方もひとつあるのではないか。
風景描写があまりに綺麗で語彙のあて方が絶妙なので、1ページずつ切り取って単語ひとつひとつを丁寧に読みたい。
時間を掛けたい小説。
しっかり追っていくと気づく対比表現とか、何度も読み返していくとだんだん魅力が分かってくる。
電子書籍
美しい
2020/01/30 23:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ロイス - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み終わって思うのは作者の描く一つ一つの情景がきれいなこと。鮮明なきれいさというよりもどこか美しいと思ってしまう作者の書き方はすばらしい。美しいものが好きだったことが有名な作者にしか書けない濃厚で繊細な情景はまさに一つの美しさ。
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おなじみのトンネルからの回想シーンと、突き抜けるようにどこまでも白い景色が鮮明に記憶にとどまる作品。
主人公と駒子がどこまで行っても調和することのない互いに一方通行さが、より物悲しい。
それぞれが内に秘めたる暗闇と一緒に、自分の内で個々に生きているような印象を受けた。
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綺麗な文章。
よくわからないままに読み終わってしまった。ぼかされた表現がまたよいのだろうけれど、ぼかされたところまで読めない自分の読解力のなさが身にしみた。
底っていう表現が好きなのかな。雪の底、夜の底。
次は伊豆の踊子を読みます。
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主人公の考え方にひどく苛々して一度放り投げたのですが、三ヶ月寝かせて読了しました
苛々と掻き乱された時点で作者に圧倒的に敗北したと思ったし、明確な美しいものを描いてはいないのに、一抹の美をかんじてしまう後味が怖かったです
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学生時代、留学生の子が読んでて自分を含めた日本人の殆どが読んでなかったので、こらいかん!と恥ずかしさを覚えて手を出しました。
とりあえず自分の首の後ろのお肉が気になって仕方ありませんでした。作者、うなじフェチ?
また、海外小説と違って婉曲した表現 が多く、日本人の小説だと思うと同時に、大人じゃなけりゃ分からない話だとしみじみ思いました。ティーンエイジャーの頃読んでも分からなかっただろうなあ。
日本語学習にはつきものの冒頭の名文はやはり素晴らしかったですが、個人的には次文の「夜の底が白くなった」が大変好ましかったです。
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絶対自分のもとからいなくなってしまう島村への駒子の強くて熱い気持ちが今の自分にはグッときました。共感できました。
島村の世間離れしたような坊ちゃん気質と勝手さにはイライラしました。
火事のあたりの美しい情景描写は素敵でした。当時の常識がわからないところもあり、情景が浮かびにくいところもあって残念。
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何を書いても、この話を伝えるのに相応しくない気がしてならない。
言葉はまして、情景の美しさとしんとした激しさに、とうに忘れたはずの父方の故郷が目の前に浮かぶようだった。
激情に動かされながらも時の止まったように、どうしようもなく胸に迫るのは、雪国だからこそか。
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人に愛情を傾けるという行為に欠陥がある男と、
人に愛情を傾けると周りが見えなくなる女と、
得体のしれない情熱と清廉さをもった女の話だと感じた。
ちょっと悪い男とか、ちょっと手の届かない男とかに
惹かれた経験のある女性は、多かれ少なかれ駒子に共感するのでは。
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年をとってから、この本を読んだが、後の方が、読んだ後がすばらしかった。誠実で、頭がいいがあまり、将来の見えない雪国の女性のこの透明な美しさが、雪国の清冽な寒さとマッチする。
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川端康成さんの『雪国』といえば冒頭の一文、「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」がとても有名です。この文は今まで自分がいた世界から非現実的な世界にやってきたようなことをにおわせます。この雪国での体験が島村の夢の中の出来事だと言われても私は不思議に思いません。そしてあまりにも有名な冒頭の文ですが、私は締めの一文も素敵だと思います。「踏みこたえて目を上げたとたん、さあと音を立てて天の河が島村のなかへ流れ落ちるようであった。」
ノーベル文学賞を受賞するにあたって日本語から外国語に翻訳されてこの本が読まれたと思います。しかし、この作品での日本女性の美しさや雪国の描写は日本語でしか表現できないものだと強く感じます。
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表現がとても美しかった。指で覚えているという表現を覚えている。ただ、あまり手が進まず、途中でやめた。この本は、もっと歳をとってから読むべきなのかもしれない、正直、表現が美しかった、ということ以外に印象に残らなかった。
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冒頭の一文しか知らなかったので、そういう話なのね、と。
若いのになかなか難しい女性像でした。。(共感できないばかりか、行動の理由すら原因が分からない。。40代未亡人とかならそんなものかなぁと思うのですが)
とつとつと時間が進んで、起承転結の真ん中は無い感じ?まぁ現実なんてそんな感じ? 系かと思っていたので
ラストに あれ?!! と驚きました。
そして解説を読むまで結末のその後が分からなかった。。
澤野久雄氏
E・G・サイデンステッカー氏
花柳正太郎氏(劇)
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一つ一つの描写が独特で儚い印象を持つ。そこに隠された意味を理解したり、この物語を面白いと感じるにはまだまだ自分は子供なんだろうと思った。「夜の底が白くなった」