紙の本
浮かび上がる過去の傷
2012/01/23 21:14
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
アニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」のノベライズ版なのだが、アニメとはかなり構成が異なっている。内容的には第4話までが該当するだろう。
小学生の頃、超平和バスターズを名乗って、秘密基地で遊んでいた宿海仁太(じんたん)、本間芽衣子(めんま)、安城鳴子(あなる)、松雪集(ゆきあつ)、鶴見知利子(つるこ)、久川鉄道(ぽっぽ)の6人。しかし、めんまが崖から足を滑らし川に落ちて亡くなり、残った5人は高校生になった。
当時はリーダーだった宿海仁太は高校へも行かず部屋に引きこもる毎日。そんな彼の前に、成長した姿でめんまが現れた。しかも他の人間には見えないらしい。そんなめんまは、じんたんにお願いを叶えて欲しいという。それは、超平和バスターズのみんなでなければ叶えられない願いらしい。
それがきっかけで久しぶりに再会した5人だが、めんまのことはそれぞれにそれぞれのかたちで影を落としており、昔のようにはいかない。これまで誰もめんまの名を呼ばず、ずっと沈澱していた傷が浮かんで来て、新たな軋轢を生んでいく。
最もアニメと異なるのは、相当に早くめんまの存在がじんたん以外にも認知されるようになることだろう。アニメではほとんど最後まで、めんまの存在証明はなされなかったのに。
これにより、おそらく文章では表現しづらい、めんまが話しているのにじんたん以外には聞こえないという状況を描き続けることを回避できたり、ゆきあつが変態化するきっかけを明確にできたなどの効果があった様に思う。
一方で、めんまが見えなくても盲信していたぽっぽ、懐疑的なあなる、信じていないつるこ、自分の世界に閉じこもっているゆきあつという様な、キャラクター間のめんまに対する差異が見えにくくなった印象もある。
また、超平和バスターズ以外の登場人物たちが、名前ではなく、父母などの属性でしか区別されないことから、本当に6人以外はどうでもよいと考えているんだなと感じた。
もう一つ付け加えるなら、地の文が三人称なのに一人称っぽい表現がされているところがあり、読み取りにくいようにも感じた。
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アニメで描かれなかった心情や新たな場面があるのが嬉しいところ。
何故だか、展開が早く感じてしまったのが残念なところ。
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細かい心理描写が多く、めんまや他のキャラクターはこう思っていたんだな
と思う部分が多く何度も読み返しました。
上巻はゆきあつの一件までですが、続きが早く読みたいです。
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ユキアツの女装のシーンまでが上巻となる。アニメでは めんまが他の登場人物に存在を知らせるのが遅くて違和感があった点が、小説では早い段階での接触に改善されている。アニメではわからなかった登場人物たちの心情心理が読めて良かった。アニメ版ではユキアツの女装のシーンですらボロボロ泣いてしまった私だが、小説では感動するということはなかった。ただ、面白いという点に変わりはないのでファンなら買って間違いないと思う。下巻に期待。
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あの花の小説版。
脚本の方がこちらも書かれています。
アニメの方を見ていたので、そちらの内容を思い出しつつ読む感じでした。
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アニメは全く見ずに、軽く設定を知っているくらいの状態で読みました。
一気に読んで途中、泣きました。素朴に自然に描かれるめんまの幼さとただ幼いだけではないめんまの対比がとてもよかったです。
脚本を小説にということだったからなのか、情景描写が少しわかりにくかった気がしましたが、カラーページを見る限り、美しく広がる自然の中で、生き生きとキャラクター達が動くんだろうなとか、音と背景がついたらもっと素晴らしいんだろうな思うとアニメがとても見たくなりました。
いい意味で小説だけで満足できなかった。という点と、最後の方にフォントの変わったことで一瞬戸惑ってしまったという点でマイナス★1。
続きが早く読みたいです。
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アニメとは展開は違いますがこれが長井龍雪監督等のアニメスタッフ無しの岡田麿里パワー全開「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」なのでしょう。ゆきあつはそのままだったのが良かったです。
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ラノベ。
アニメが好きだったので楽しく読めた。
アニメ未見だと読みづらいかもしれない。
キャラの心情が、特にめんまの心情がアニメよりも描かれていたので読んで良かった。
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アニメ観ました。
脚本家みずから小説化するということで、アニメと脚本家の頭の中、どれだけの違いがあるのか興味があったので、読んでみた。
あのときの興奮が!……とはいかないものの、続きが気になる作品でした。
上巻はアニメの4話まで。
ということで上中下の三巻構成となるのでしょうかね。
上巻では大まかなイベントはアニメと同じですが、そこに至る過程がかなり変更されています。
アニメで不自然と思われていた重大な箇所が修正されていて、この修正は今後の展開にも影響があるのではないでしょうか。
小説としてはアニメよりも露骨な表現で、より大人向きな感じ。
文章は情景描写が少なく、設定的なこともあって台詞が誰だかちょっとわかりにくい箇所がありました。
(アニメを見ていない人は場面が思い浮かばずに特にそう感じるのではないでしょうか)
淡泊な表現で、感動は薄いかもしれないけど、単純ではない、より感情の奥深くに迫っていこうとする気はする。
ちなみにアニメは面白いともつまらないとも思えなかった。
序盤は素晴らしかったのに、終盤の演劇のような感情の押しつけに、ちょっと引いてしまった。
小説のラストがどうなるか、これから楽しみです。
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岡田さんの突き刺さるような台詞回しが、
文字だけの世界(小説)になっても、過不足なく表現されている。
アニメを観ていないけれど、きっと、この小説から漂う
淡さと痛さがない交ぜになった、絶対的な孤独感と
寄り添いあう温かさが溢れているんだろうなと思う。
下巻、どんなエンディングを迎えるのか気になっている。
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『コクリコ坂から』は大人向けの映画だった。
「東京オリンピック」「学生運動」「哲学」など
昭和の時代を感じさせるテーマに、大人たちがノスタルジーを
感じるために作られた映画。
学生運動をああいう風に扱っても懐かしがれる時期まで
来たんだろうと、そう思った。
(少し前までだったらきっと「あんな温くない」とか批判をするような勢いがまだ大人たちの胸の底にあったのかもしれない)
若い世代の僕らは映画を見ても「そんな時代もあったんだなぁ」
とかしか捉えられない、ある意味もったいない時代背景だと感じた。
(もちろん演出がどうこうとか、そういう方面でも批評はあるだろうけど)
アニメも何も見ずに読み始めた『あの花~』
これはゼロ年代と言われる僕らがまんまターゲットな作品だと思った。
不登校、高校デビュー、ポケモン、昔の恥ずかしいあだ名、
好きな子に告白できないで居なくなってしまうとか、そういうトラウマ願望っていろんな人が持ってるんじゃないかなーと思わせる。
まだ多くを生きていないゼロ年代をノスタルジーに浸らせる、
おそらくその意図は成功しているんだろう。活字でしか見てないけど、
読んでいてなんだか懐かしさがあった。
オチがダメらしいと聞いているので、下巻を開くのはちょっと怖いけれど、
発売したら読もう。
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新たに知り合った友人が進めてくれた本。読み易い。「変わってしまった自分、もうできない自分」を変えることはできるんだろうか。
同じ事実からでも、受けるインパクト・与えられる傷は違うんだな~。ということが俯瞰できる一冊。続編待ち
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アニメだとさりげなく描写されてたことが、小説だとかなりストレートに表現されていて、わかりやすいぶん、露骨にも感じた。また、なんのパロディーがわからない用語が小説だとまんまかいてあるのでよかった。ex「びるびるだー」→「ルージュラ(ポケモン)」
アニメと展開がかなり違うのでアニメ見た人はおー!ってなって、楽しく読めるかと。
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アニメが好きだったので購入。アニメ知らないとちょっと読みづらいかな?
心情描写が丁寧だし、少しずつアニメと展開が違うのが嬉しいトコロ。
もっかいアニメの方も見返したくなった
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そりゃぁ、もちろんアニメのがいいですよ。でもアニメでは読み取れなかった心情がわりと丁寧に描かれてるのがこの小説です。ユキアツのめんま、までを描く上巻。一番人間臭いのはユキアツなんだろな。超平和バスターズが、急速に動き出したーー。