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初出昭和56年。約35年前の「現代」の病理を云々。お話としてはわからなくもないが,これが一般的な人々の「心理学」の代表的イメージなのかと思うとちょっとつらい。あとまあ対象がなんったって働き盛り,30〜40代の話だけにいろいろ刺さってつらい(苦笑)。
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人間の人生は上昇と下降を同時におこなっているものなのである。生きていることは常に死という裏づけをもっている。若さにものを言わせて、どんどん上昇しているように思っているときでも、それは実のところ死に近づいているのであり、老人になってひたすら体力は衰えてゆく一方であっても、たましいの方は上昇を続けていることもある。 ハッとさせられました。人間って深いなぁ!
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事例としては、今となっては古いものではあるが、時代は変わっても問題の根は共通するものなのかもしれない。
ただ結局は、ひとつひとつの事例ごとに解決策を見出さなければならず、それも当事者全員が気付かなければいけないことでもあり、簡単ではない。
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第5章 働きざかりの社会学の後半 いかに老いるか 中年期から死を意識して生きる。P205〜 死を受け入れる。
考え方 味方 切り口
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近代の働き盛りといわれている中年男性の周辺の心情や問題に関して描かれている。
結構前の本なのに、子供との問題、家族との問題、社会との問題、同僚との問題など、やっぱりいつの時代も
課題はあんまり変わらない。
ただ、心に留めておきたい箇所は「教育」で。
こんなに豊かになった社会で、子どもは親から与えられすぎてしまって。
自分で一生懸命、欲しいものを選んで買う楽しさや迷いや葛藤。
友達や先生との喧嘩の中で学ぶ人間関係や倫理感。
人格を形成する上での貴重な経験を奪ってはないだろうか?という問い。
大人になれば、欲しいものを自分で買える。誰かを攻撃したりするのは良くないし、思いやる気持ちが大切なのはわかる。
でも、失敗をさせてあげない、苦痛を味あわせないことは
実はとっても不幸なこと。
与えてあげられるけど、あえて与えない、という選択は「愛する」ことなんだよ。
という内容にハッとした。
人との関わりの中で、苦しんで悩む期間を経験しなければ、
人は何かに気づくことも成長もできない。
障害も無くスムーズに成長することはないんだと、
カウンセリングの目線から語られていて、読みやすかった
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たまたま古本屋で手に取った本だが、やはり河合隼雄さんは外れが少ない。
親子関係において、独立と依存は反対語ではない。適度な依存を得てこそ、子はある日すっくと立ち上がり歩きだすことができるという話。
「天使のまねをしようとするものは、悪魔のまねをするに至る」子供に良い子であれと求めすぎると、内側で悪魔的あるいは陰的な因子が育っていくことは避けられないという話。
いまの若者は、場の倫理を前提として個の倫理を加えたものに従っているという話。
読み終わって2日経ち、断片的にしか思い出せないが、これらは全て家族のある中年の、つまりは働きざかりの、おじさんの直面する問題として繋がる。
会社で奮闘する一方で、家族のセンシティブな問題にも向き合わないといけない。
そんなおじさん達の切迫感が伝わってきた。
河合さんのいうように、今まさに「中年学」なるものが必要かもしれない。
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この本が書かれたのは1980年前後らしいけど、人が抱え問題は現在と全く同じだ。
中でも素晴らしい洞察だと思ったのは、「場の倫理と個の倫理」について。
場の倫理を優先する日本人は場(会社であったりTwitterのクラスタで会ったり)の中で脱落者を作ろうせず、そして同じ器の枠外の人や出来事には全く興味がない。(ある意味、平和運動やヘイトスピーチも似ている)
しばらくは河合隼雄さんの本を読んでみよう。
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劣等感や自己嫌悪の価値
虫の好かぬ相手は、自分が気づいていない影の部分を拡大して映してくれる鏡のようなものである。
自分を殺すとしても、それはどのような形で生まれ変わるのか。妥協と協調。
死にたい人へ。生き方を変えるべきだ。ここで死んで生まれ変わることが必要だ
精神面も一病息災
期待してた中年クライシスの記載は少なかったが、精神科医にとって自分にとって実臨床に活きる言葉が多かった。
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若干長い。
中盤までは中年まで働いて家庭を築いていればかならず経験するような挫折、問題との直面はあって、不幸ではなく誰もが経験するものであること、またそのあたりの事例を上げてそれらの人がどう解決してきたのかが書いてある。まぁまぁ面白い。
後半急に心理学の教科書的考察が入り、子どものいじめや取り巻く環境を憎々しく思う文がならんだあとの締めが、ギャップもあってかとてもよかった。
締めのサマリ。
死ぬ前にちゃんと自分、家族と向き合うこと。
家庭のこじれは、相互の理解不足が露呈したもの。
人生の前半は上昇が中心。社会的地位や家庭を築く。後半はいかにして死を迎えるかについて思いを致すことが大事。(ユングの生涯からきてるっぽい)
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日本におけるユング心理学の権威である故・河合隼雄さんの本。耳障りの良い言葉では無いけどどこか優しさのある、ものすごく心に響く本でした♪
いっぱい紹介したいところがあるけど、特にオススメなのはp19にあった「虫の好かぬ相手は自分があまり気づいていない影の部分を拡大して映してくれる鏡のようなもの」の辺りかな☆あと、自己嫌悪の話もすごく良かった!!すぐに読める感じの本だし、声かけてくれれば貸すんで是非ともたくさんの人に読んで欲しいな~♪
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河合さんの「こころの処方箋」が好きなので、別の本もと思い読んでみることに。
時代背景のせいか、一部共感できないような個所もありましたが、概ね楽しめた。
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今から思い返すと日本にまだ勢いがあり経済力があった時代に書かれた本なので、違和感がある箇所もある。だが、それにもまして、時代が変わっても悩みは変わらないと思わせる普遍的なテーマばかりだった。もはや古典の域。とても読みやすいので、すらすら読んでしまったけれど、内容は深い。考察の種が至る所にある。中年をどう生きるか、場の論理、など、が特に心に沈澱し、ふとした時に水面に浮かび上がって、つらつらと考えている
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死を意識し、自分の中に同化していく過程で、働き盛りである中年に自我の変化や危機、不安定が訪れる、思秋期という構造に気付けた。子どもに対する接し方。与えすぎないなど、社会構造変化とともに顕在化する課題も興味深い