紙の本
日本社会を縦糸と横糸をほぐすようにして再考する良書!
2016/05/12 08:46
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
現代の日本社会は、お金を出せば何でも買え、欲求を満足させてくれる非常に便利な社会になりました。しかし、このことは逆に、効率第一主義ともいうべき競争社会を生み出す結果ともなりました。こうした中、様々な凶悪な社会問題が次々に発生してきています。本書は、こうした日本社会を、それを構成する「縦糸」と「横糸」をゆっくりと解きほぐしながら、それぞれのもつ意味を考え、そして、日本の社会について再考する機会を読者に与えてくれる良書です。日本社会を今一度、考えてみたい方、自分の生き方を再考したい方々には、お勧めの一冊です。
紙の本
日本社会に向けられた透徹した眼差し
2021/11/29 01:30
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投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
文化庁長官もつとめた心理学者による、
新聞紙上の連載小論を纏めた本です。
性転換手術は術後に後悔のないように
配慮しなければならないこととか、
重罪を償う意志のある犯罪者にとっての
死刑存置の意義とか、鋭い意見が
次から次に飛び出します。
文章そのものはいずれも4、5頁程度で
完結しているので、どこを読んでも直ぐに
読み終えることができると思います。
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たまには、真面目な本を読みたくなってかった本。河合さんは、読みやすくって子どもを大切にしていて大好きだ。新聞に書いていたコラムをまとめた本なのでそのとき起こった事件について書かれている。そういえばこんな事件あったなぁ・・と振り返りながら、河合さんの解釈をふむふむと読む。やはり心理学者らしく心理的な動きが書いてあって面白い。もっと河合さんのいうように、教育が変わっていければいいのにねぇ。・・と浅いことしかいえないあたしは、まだまだ読みがたりませぬな。
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連載を単行本化した本なので、約8年間の社会現象、事件が取り上げられていますが、現代日本の気分は、以下一行に集約されてしまっている気がします。"シェークスピアの『マクベス』のなかのマクベス夫人の言葉ではないが「望みは遂げても満足がない」というのに、まさにピタリの状況である。この「満足がない」というところは、「幸福に感じられない」と言いかえてもいいだろう。「望み」を見つけるのではなく、満足をえる方法を考えたほうが人生が豊かになるかな?
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日本人の生活は豊かに快適になったけれど、心はその変化に対応できず、多くの問題が生じてしまったよう。効率を追い結論を急ぐ原題社会は、育児や教育には不向きと聞くと、ドキッ とする。河合さんからの提言に耳を傾けたい。
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学校での、みんなと一緒になれない人を排除する環境や、
受験での、度の過ぎた競争に疲れて、なんとなく手に取った本。
「こうすれば、君の悩みはなくなるよ!」なんて、カンタンなことは、
河合さんは言わない。
そんなに単純じゃない。
やわらかく、悩み続けようよ。そんなかんじ。
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産経新聞に掲載されたコラムをまとめたものなので、興味のあるコラムから読むことも出来、読み終わったあとも手にとって再び目次からたどることも出来るのが非常に魅力的。新聞のコラムだったこともあり、短くて非常に読みやすい。
神戸連続児童殺傷事件やオウム真理教関連事件などについて河合隼雄氏がどの様に考えていたのかに興味があり購入した一冊。晩年、彼がどのようなことを考え、どのようなことに従事していたのかがよく分かり、ますます興味の幅が広がった。
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河合隼雄が産経新聞に連載をもっていたなんて。リアルタイムに読むことができたらよかったなあ、としみじみ思います。私は、河合隼雄が文化庁長官になってからのファンなので、文化庁長官を引き受けることにしたくだりはたいへん興味深く読みました。
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内容が広義過ぎていまいち自分の中でまとまらなかった。高校生が小論文対策にちょこっとずつ読むのに適してるかも。
新聞掲載のものなので時事が古いものもあるが、現在にも通じる「中心」へのアプローチは非常に面白い。
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心の専門家から困難な時代を生きる私たちへの提言と、カバーに書かれている。1996から2003年までの産経新聞のコラムなので、世相を反映していて、取り上げられた事件を読むとあの頃がまざまざと思い出される。
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96年から03年にかけての連載
10年前の話だけれど、
取れ挙げられている事件や話題は、
今も通用する話ばかり
●ある事件を取りあげて、
その対策を論じているが、
事件の原因を個人に結びつけるのでなく、個人がそんな風に生きざるを得なかった環境を、どう改善すればよいのかが述べられているところに、前向きな印象を受けた
●科学や事実だけでは、
人は時に救われない、
という話が印象的だった
確かに、人生をどんな風に生きるかや、大切な人の死をどう乗り越えるかは、科学的事実だけでは答えは出ない
自分の価値観を育むためにも、
「歴史の流れ」を知ったり、
「事実に対する自分の考え」を形成して、流れるストーリーの中でどう考え、どう動くのかが大切だと感じる
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そこに書かれてある内容は少し前の話なのだが、今でも充分通用すると、読んでいて感じた。
章によって話が変わるので、どこから読んでも大丈夫な一冊。
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時事的な話題のコラムは似合わない。心理臨床家らしい冗長さが感じられ鋭さがないのだ。司馬遼太郎や柳田邦男のそれとは違う。だからいいのかも。2015.7.20