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山本一力は経済小説なのだと思った。時代が違うから通貨単位こそ違うが、細かい計算がたくさん出てくる。仕事で上手くいかないことがあっても、辛抱強く続けたり思い切った変化に取り組むことで、少しは、または大いに報われることもある。でもそれはゴールではなく、また先へ続く出発点でもある。
これが現代小説ならこんなにすんなり心に入ってこないだろうと思うのは、義理人情がすがすがしく感じられるからか。
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時代ものと言うと、剣客、市井、人物ものになると思うのだけど、本作は市井作品集。
鬼平にも言えるのだけど、丁寧に作ってある市井ものは本当に面白い。
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表題作は著者がオール読物新人賞を受賞した作品。その他に4編の短編が含まれている。市井物だけでなく、武士物も2編入っている。「蒼龍」は大工が話し言葉で物語っている様子がよくある時代物とは一線を画しているように思える。この話は、作者が借金を背負って作家になるために新人賞に応募していた様子を時代物に反映して書いたと言われている。そのような解説を読んで、作者の自伝的作品も読んでみたくなった。【2007年4月1日読了】
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のぼりうなぎ、節分かれ、菜の花かんざし、長い串、蒼龍の5つの短編集。最高のハッピーエンドではないけど、じんわりと心が温かくなるような話ばかり。江戸の情緒に触れる一冊。
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この人の作品は初めて読みました。
たくさんいただいた本の中に入っていた1冊
時代ものって普段自分ではあまり好んで読まないんだけど
この人のは面白いね
すごく魅力的でわかりやすい。
今回のこれは商人もの、武士もの、とりどりだけど
どれも人間臭くていいよ。
しばらくいろいろ読んでみよーーっと
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読もうかなぁ・・・やめようかなぁ・・・と迷いに迷った末に読んだ一冊。
純粋に、感動した。
特に「菜の花のかんざし」と「蒼龍」は普通に泣いた。
「菜の花のかんざし」とか飛行機の中で泣いた(笑)
それで分かったことは、私は夫婦ものに弱い。
っていうか家族ものに弱い。
「菜の花のかんざし」は、絶対にハッピーエンドだって信じてる。
何故なら、私はハッピーエンドが好きだし、この本の中に悲しい結末のものは一つだってないから。
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うーん。やっぱり短編はしっくりこない。
のめりこんできたと思った頃に終わってしまう寂しさ。
山本作品も長編がいい。
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「牡丹酒―深川黄表紙掛取り帖」のあとがきに紹介されてて,手に取ったもの.
今まで読んだ山本一力氏の本は長編だったため,短編集を求めていなかったので,いまいち感があるけど,良かった.
山本一力氏の本はどれもそうだけど,また読みたいと思える一冊.
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なにか、つまらない
いつものお仕事に携わる男たちの潔さや、爽快さが感じられませんでした
途中で放棄します
短編
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初期の短編集。
指物職人か日本橋呉服大店の手代な抜擢される「のぼりうなぎ」、寛政の改革を前に、取引先との義理だてと周辺からの反発に配慮しつつ、高価な灘の酒を安価で安く振る舞う商いに切り替えたことで、不況の時代に立ち向かう酒問屋稲取屋を描いた「節分かれ」。この二編は以前にも読んだことがある作品だった。
タイトルの「蒼龍」は、借金まみれの大工が、一攫千金を夢見て、陶磁器の絵柄の公募に挑む。3年目は藍色の龍の図柄を選び、選考結果にイライラ、ヤキモキするが、ふと結果が出なくても幸せな自分の境遇に気付き、気持ちが楽になるという話で、作者の作家としての境遇を重ね描いている。
まだ、町民の暮らしぶりや江戸の食文化の描写力が充分に発揮されていない。
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この人の時代物って巧いんだなあああやっぱり! 派手な物語ではないけどね、心に響く人情や粋な姿が本当にイイ! これはデビュー作を含む本だから、作者のキャリアが浅いうちに書いたものだと思うのだけど、とてもそうとは思えない落ち着いた雰囲気がいい。
特にお気に入りなのが以下の3話。
「のぼりうなぎ」:両方の立場が解るのよ。ただ、もうつらい。これはつらい。でも変わるんだな、という希望が覗く最後はね温かい。
「節わかれ」:粋な話! 単純に面白いし気持ちがいい!
「菜の花のかんざし」:切ない…! 武士としての己と父親としての自分の間で揺れ動くのが、切ない。
面白かった。
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山本一力さんの短編集。
ストーリーは長編と同じくワクワクしたりしみじみしたり出来るんだけど、
短編なので、わくわくドキドキのピークで終わっちゃうのが寂しい。
まぁこの方の作品って、いつも最後が尻切れトンボな感じなので一緒と言えば一緒なのかもしれないけれど、
やっぱりそこまでの話が面白いだけに、分かっていても、その後の続きも読みたい!と思ってしまうんですよねぇ~。
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「あかね空」を読み終えたあとだと、どこか物足りない感はあった。
それでも「あかね空」の下地としてしっかり読み応えはあったし、なにより自らの境遇と重ねたと勘ぐってしまうような「蒼龍」の展開。終わり方はぼかしてあるが、筆者の境遇を考えればきっと誉なのだと確信できる。
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短編5編。オール讀物新人賞受賞作でもある表題作『蒼龍』は作品単体で魅力的であるが、著者の投影(解説によれば)である事を知れば、その凄味はいや増す。選者をして『このひとが新人賞に応募し、私が原稿料をもらう違いは何か』といわしめたエピソードは惹きつけられた。
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時代物短編。
5つの短編のうち、最初の『のぼりうなぎ』と
『菜の花かんざし』は最後どうなったのか。
妙な所でくぎられ、後は想像にお任せします状態?
どう転んだのかが気になります。
主人公も様々で、職人だったり店の若君だったり
武家だったり大工だったり。
おかげで色々な生活やら考え方やらが分かります。