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投稿者:知りたい人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
生涯に最初にして最後、一回限りの著作である。
とまえがきに書かれています。
クロネコヤマトの宅急便の生みの親の著書です。
右肩上がりの時代だったから銀行からの借り入れで、「サービスが先、利益は後
。社員が先、荷物が後。」の設備投資が出来たのではないか。
などのうがったモノの見方もできますが、
そんな事より、著者のひたむきさ、信念が各家庭を結ぶ「宅急便」を成功へと導
いたのだと感じました。
営業利益率が高い競合支店のプラットフォームを外から覗いたり、吉野屋のメニ
ューを参考にしたり決して格好良くないが新しいことをやるひたむきさがひしひ
しと伝わります。
また、この著者のコミュニケーション能力の高さも学ぶべき点としてあげられ
ます。
社員に対する明快なメッセージを通して全員経営が実施されているヤマト運輸の
強さの原点がここにあります。
論理的に考える力を持って信念を持って実行することの大切さを説いている1冊
です。
ヤマトを日本を代表する企業へ育てた小倉昌男さんの頭の中が垣間見えた
2020/05/06 11:26
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投稿者:Wtk - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヤマトが商標登録している「宅急便」は、著者である小倉昌男さんが始めた個人宅配のサービス。これは、今のヤマトを作った礎であるとともに、ヤマト最大のイノベーションだったと思います。
この本を読んで印象的だったのは3点です。
まず、小倉さんが宅急便ビジネスは儲かると確信するに至った過程において、他の類似するものからイメージを掻き立て、数字を使って論理的に儲かる仕組みを考えていく様は、非常にエキサイティングでした。「サービスが先、利益は後」はボランティア精神なのではなく、宅急便のビジネスの性質上、お客様に満足してもらえるサービスを作っていけば、必ず儲かる分岐点が来るとの思想が根底にあると感じました。
また、宅急便を始めるにあたって、リスクを先延ばしにするサラリーマン役員から全員反対を受けたとのことですが、労働組合が後押しをしてくれた点は印象的でした。労働組合との関係については、小倉さんも何度か強調されていましたが、経営の数値も理解しつつ現場のシクシクとした痛みを肌で感じている労働組合を、小倉さんは上手く活用していたのだと思います。
最後に「全員経営」の本質は、決められたゴールを社員全員が納得し、自ら考え責任をもって進んでいく集合体なのであると理解できました。私も昨年まで日系のある程度の規模の会社に所属していましたが、やはり目指すところは同じだったのだと感じます。が、納得感を持たせるという大前提、これが非常に難しいですよね。このコミュニケーションこそが、経営や管理職に求められるのだと思います。
長くなりましたが、私は実際ヤマトの内部がどうなの?については知る由もありませんが、宅急便に頼り切りの経営であることは外から見ても思うところです。大きな会社で優秀な社員も揃っているでしょうから、恐らく、アイディアは沢山あると思います。リスクを取る文化取れる文化、全員経営の精神さえあれば、また新たなイノベーションが起き、世界有数の企業になっていくはずです。陰ながら応援しています。
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投稿者:りんご - この投稿者のレビュー一覧を見る
労働組合には経営をチェックする機能がある。現場の声を良く聞き出している。(一種の帰属意識、愛社心の表れ)
「サービスが先、利益は後」わかりやすい内容と実行力ー信頼
仮説を持ち、実行し、振り返る
他者のやり方を自社に取り入れるにはどうするか…と考える力が経営者に必要
ライン・スタッフ制ーライン部門から間接業務を取り除き、組織の機動的な活動を進める。実際にはスタッフ部門が頭でっかちになり、命令したりや報告を求めたりする
リーダー(経営者)の条件
論理的思考、戦術的思考ではなく戦略的思考…内部&外部分析、良い時には即座の決断力。見栄を張らずに断る…よく話を聞き、誠意を持って断る。
企業の目的…永続すること→そのための利益→資本を有効に稼働させ、財やサービスを地域社会に提供する役目。雇用も生み出す。
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投稿者:onomono - この投稿者のレビュー一覧を見る
「MBA100人が選んだベスト経営書 / 東洋経済新報社編」に出てきたので読んでみた。
いわゆるコンサルティング会社の人が書く戦略本とは違って、理論だけではなく、理論を聞いてどう実践して成功したかが本書の評価される点であり、ノンフィクションの面白さがある。
例えばゴルフ宅急便とかスキー宅急便はプレーの前日(それより前に届けると怒られる)に届けるとか、荷物の積載及び配達時の作業時間短縮のために専用の車両を開発するとか、様々な努力が非常に参考になる。
まずサービスありきで利益は二の次とは書いてあるが、それはあくまでも拡大する市場を的確に見極めることが前提条件であって、それがなければ収支はとても成り立たない。そういうニーズを的確に見極められている点がヤマト運輸の企業としての成功要因である。
経営に対しては謙虚な姿勢で取り組んでいるが、郵政省を始めとして官庁にはかなり手厳しい。
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わかり易い経営書。
経営者の資質として、高い倫理観と論理的思考力をあげている。経営者だけでなく、役職員にも是非読んでほしい本です。
おススメです\(^▽^)/
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クロネコヤマトの宅急便で有名な、ヤマト運輸の前会長が記した経営の哲学。
自身は2代目ということもあり、創業者のヒーロー的な話は少ないが、堅実に事業を組み立てて今の業績をあげたという点で評価が出来る。
一般的な経営学の話も入れながら、ヤマトはこうしてきた、という経験に基づく話のため、ついつい引き込まれていく。
経営学というよりは、小倉氏の自伝といってもいいだろう。
あちらこちらにみられる愚痴が残念だが、その根本にあるのは揺るがぬ自分だということが読み取れる。
おそらく、素直な人柄なのだろう。
自身の経営から学んだことを失敗も含めて記されている。
創業者ではない名経営者の一人なのだろうな。
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クロネコヤマトの人の本。
上司にお勧めされて、読んだら面白かった。考えることをしない経営者は失格だそうです。経営に文句をつける経営コンサルタントも考えることをしないようでは、失格以下で土俵にも上がれないんだなぁ、と再認識しました。
内容としては、クロネコヤマトの事業戦略に向けて小倉氏が何を考えたかが中心。
余談ですが、ヘッジファンドは経営者じゃない、っていうような記事が日経に出てましたね。この本を読んだあとだと、妙に説得力がありました。
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大好きな神田昌典さんオススメということで購入。
論理的思考・高い倫理感が経営者には必要だと知った本です◎
小倉さんはすげー三越の会長?のこと嫌いで爆笑します。
なんせ実名で批判しまくってます笑。
成長カーブ(S字カーブ)を理解した上で読んでみるとしっくりきますよ。
nozanオススメです(・∀・)
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トップが自ら書いた本としては最高クラス。
企業の目的は利益ではなく、永続することにある。
戦前は日本トップクラスのトラック会社。それを引き継いだ当時は、時代の変化で逆境へ。失敗の連続。その中で個人宅配事業をはじめて成功させた。
サービスは先、利益は後(133)安全第一、営業第二、(143)、などわかりやすい方針説明。「経営には常にトレードオフの問題がある。どちらを先にするかで結果がかわる。メリットとデメリットは裏返し。利益は後というと社長がそういっていいのか?という声もあるが社長にしかいえない方針。(142)
会社内の情報は下からうえ、上から下の2種類。管理職は下から上に重要な情報は流さなない。ではどうするか?それはクレーム情報。クレームほど重要な情報はない。でも管理職にとっては都合がわるいので隠されやすい。206
上司によって評価に甘辛がでる。あてにならない。だから上からだけでなく横からと下からの評価を取り入れた。評価項目は実績ではなく人柄。誠実か?助け合うか?利他的か?思いやりはあるか?についていろいろと聞いて最高と最低をのぞいて平均を出す。人柄のよい社員はお客様を喜ばすよい社員になると信じている。270
身銭をきるのはリーダの仕事(288)
人間に人格があるように、いい会社になるには優れた社格、人徳ならぬ社徳が必要(288)
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p37 経営とは自分の頭で考えるもの、その考えるという姿勢が大切である
ライバル会社をこっそり観察してひらめいたり、林周ニさんの本を読んで流通チャネルを短く太くしようと気づいたり、
セミナーで小売の商圏の狭さに着目したり、労働生産性をあげる努力をしたり、
上のことばどおり、考えぬいた方のようにお見受けします。
文章も簡単で読みやすく、会社への熱意を感じました。
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ヤマト運輸経営者自伝
2代目の社長小倉昌男が、父の経営していた企業向けのトラック運送会社を、全く方向転換し家庭からの小荷物に方向転換さえ成功へと導いた本。
マクロの視点で様々な戦略を立て、周りからの雑音を押しのけ達成しているすばらしい自伝。
〜個人の宅配の需要は、はたして本当に偶発的で散発的なのだろうか〜
この疑問はひとつの仮説へと発展した。人間が生活しその必要から生ずる輸送の需要は、
個々人から見れば偶発的でも、マスとして眺めれば、一定量の荷物が一定の方向へ流れているのではないか。
『個々の需要に注目しているうちは対応の仕方は分からない』が
『マスの流れに着目すれば、対応の仕方があるのではないか。
〜取次店の設置(Win・Win・Win)〜
酒屋とか米屋など家庭の主婦に馴染みのある商店に取次店になってもらう。←既存の郵便局の、局に客に持って来てもらう方法をもっと身近に工夫。
?取次店には一個につきいくらという具合に手数料を払う。
?お客様には、わざわざ取次店まで荷物を運んで頂いた手数を考え、自宅まで集荷に行った時の運賃より割り引いてあげる。
?ヤマト運輸には、効率よく荷物が集められるというメリットが生まれる。
すなわち、三方が得をするわけである。
〜経営リーダーの10の条件〜 P271〜
経営者には「論理的思考」と「高い倫理観」が不可欠だ。経営は論理の積み重ねである。論理的な思考が出来ない人に、経営者になる資格がない。
〜高い倫理観〜
○企業の目的は永続すること⇔×企業の目的は営利である。
企業は社会的な存在である。国民の生活を保持する役目を担っている。さらに、雇用の機会を地域に与える事によって、住民の生活を支えている。
「企業は永続的に活動を続けることが必要であり、そのために利益を得ているのである。
「企業の存在意義は、地域社会に対し有用な財やサービスを提供し、併せて住民を多数雇用して生活の基盤を支えることにつきると思っている。」
企業とは、地域の人を喜ばす存在であるべきで、それでこそ社会的存在ということができるのである。」
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クロネコヤマトの宅急便の創業者が書いた経営に関する本で、会社を経営するということはどういうことかということがわかると同時に会社経営の難しさを感じる一冊である。
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経営とはなにかをヤマト運輸の宅急便を通して書かれている.
経営者が事業を構築し,実行するまでの過程を論理的に書かれているのでとても理解しやすい!!
労働組合,ホワイトカラー,ブルーカラー,取引先そして経営幹部とさまざまな角度から企業への見方を説明しているのもよかった.
所々に小倉さんの持論も大変興味深かった.
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『全員経営』という言葉に強く引かれました。
ドライバーは『単なる運び屋』でなく『セールスドライバーであり、宅急便のサービスをまさに実践するサービス部隊』と書かれています。
経営者と同じ情報を持っていれば、皆同じに悩み、考え、一つの方向性に向かって
仕事をしてくれる。そんな部下はうれしいものです。一方で現場が悩まずもいきいきとやる気を持って頑張れる。
その中で一番先を走るリーダ&経営者になりたいと思いました。
リーダーという立場にあり、さまざまな情報にふれますが、コンプライアンスに抵触しない限りにおいては
情報を租借してもっともっとたくさん伝える大切さを最近強く感じます。
印象として、Y!は断片的な立場における主張を話すセクション担当が多く
ビジネスの進みを遅らせたり、断片的な主張に立場(役職)を背景に押し通すなどの場面が多いなあと感じるため、
ファシリテーションの重要性も強く感じました。
この本は、そういった自分の環境に置き換え他時に、問題、課題を促してくれた一冊となりました。
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ヤマト運輸を父から引き継いだ社長の経営哲学が
盛りだくさん。
日本企業の原点がここにあるように感じるし、
小倉さんのこの時点での、日本企業の今後のあり方などにおける先見の銘には、驚嘆である。