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携帯電話って、ミステリの世界では無粋な存在でしかないよね。というわけで、今作はそんな無粋な横槍の心配がない古き良き昭和40年代が舞台です。電話線一本切れば外界との連絡が取れなくなる雪の山荘…最高~(^з^)むふ
アリバイ崩しはミステリのトリックの中ではあまり好きなものではないのですが、今作に関しては見るのが煩わしい時刻表もなく、分かりやすい時間系列と分かりやすい容疑者達の行動のお陰でいつもよりとっつきやすかったのが良かったな~( ^ ^ )
ラスト三行の衝撃!みたいな帯がありましたが、そこらへんはあまり期待せずに読んだ方が良いです。十中八九、皆さんの期待してる裏切り方じゃない、だけどあまり考えずに読んでたらビックリできるようなラストなので。とりあえず言えることは、犯人、ドンマイ!笑
……これも、記録取る前に売っちゃったから、いつも以上に内容の無いコメントになってしまった…( ; ; )およー
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予想は出来たけど、色々と論理的に考えるのが楽しかった。
淡々と読んで、淡々とトリックを考える感じ。
最後の3行が・・・!なんてオビにあったんで無駄に期待してしまった。
これも、後半の後半読んでて気がついちゃって驚きもなかった。。。
残念。
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尾瀬の山小屋で起こった殺人事件。作者の昔書いた中編を、長編に書き直して新たに出版したそうだ。そして遺作でもある。最後の3行は、とても面白いと感じたけど、なんか思い入れできる登場人物がいなかったからか、まあまあでした。
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朝日小屋に集められた人々。日田原聖太に対し殺意を持つ人々。雪に閉ざされた離れで殺害された日田原。現場に居合わせた刑事の津村による捜査。
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驚きはアリバイ崩しでも真犯人でもなかった。高みから一気に転落するラスト三行に思わず、ほぉ~っと息が洩れる。
クラシックで上質なミステリーの余韻。
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紹介文の通り。ラストを楽しみに読めたのでした(* ´ェ` *)
だがしかし。トリック……?ミステリ……?うーん……
「謎の男」の章や、読者への挑戦はとってもわくわくしたのですが、最後の絶望とは別物。
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尾瀬沼の湖畔に建つ朝日小屋で,日田原聖太が殺害される。朝日小屋には,日田原から脅迫されていた唐品由美,土地を騙し取られ,小説についてもこき下ろされている神崎良介,子どもの関係で脅迫されている津村武彦,日出原に騙され,美味い汁を吸われた山岸勝男,そして,時折挿入される謎の男のモノローグ。
物語が複雑さを増しているのは,この日田原をめぐる人物のほかに,三浦大次郎,熊谷咲子,塩見幸太郎といったメンバーが,三浦が前に宿泊したときに女を自殺に見せかけ殺害したという話を交えているからだと思われる。
また,村長秀一というカメラマンが動き回ったり,朝日小屋の主人の姪である野坂富美子の存在,朝日小屋の従業員である戸沢とよ,岡本花江の動きなども,読者の目を惑わせる。
骨格はいたってシンプルであり,電話、電報を使って殺人時間をずらし,アリバイを確保するというトリック。真犯人は神崎良介であり,動機は,日田原から受け取った小説の原稿を賞に応募し,受賞したことから,日田原を殺害し,原稿を完全に自分のものにしようとしたというものだった。
物語のオチは,神崎が日田原を殺害してまで手に入れた原稿が,海外ミステリの翻訳であったというもの
短篇で使うようなシンプルなトリックをうまく膨らませた秀作だとは思うが,トリックが今となってはやや陳腐。中町信の文章の文体が肌に合うので,その点は加点するが,★3止まりかな。
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随分古い時代の叙述トリックミステリー。
「最後の3行に衝撃」とあって、歌野正午の「葉桜の季節に…」みたいな衝撃を味わえたらと思って手に取ってみた。
なるほど衝撃は衝撃である、作者はあとがきで「ラスト3行を長編改訂にあたって追記した」と言ってるが、この3行がないこの作品の読み所はどこだったのか?と思うくらいに重要な、文庫本1冊をこの3行のために読んでいるようなミステリーである。
ミステリー以上の小説ではないが、叙述ミステリーとしてはなかなかの快作。
余談:しかし、尾瀬って、ずっと長いこと布団1枚に複数人って混み方してんだなぁ(笑
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「~の殺意」シリーズの4冊目でしたが、本作は、いろいろな人間から恨みを買っている人間への殺意をもっている人達が一同に山荘に集結し、その恨みを買っている人間が殺され、誰が犯人なのか?というのを推理する展開でしたが、犯人解明のポイント(犯人にしか知り得ない情報)や動機というのが、なかなか秀逸で、最後のオチも面白かったです!
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なかなかに登場人物が多くて、関係性を把握するのが少々難しかった。誰もが怪しくかんじるけど、逆に怪しすぎる人こそ犯人じゃないんじゃないかと考えてしまうよね。
電報をトリックに使うの、正直電報自体がよく分かってないのだけど、そういう時代だったんぁなぁと思う。
尾瀬の水芭蕉は見てみたいです。
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昭和40年の12月、雪に降り籠められた尾瀬沼の湖畔にある山小屋の離れで日田原という男が殺害された。山小屋には複数の泊まり客がいたが皆日田原と因縁があり誰が犯人でもおかしくない。客の一人、刑事の津村が中心になって聞き込みが始まるが犯行時刻がまず曖昧で皆のアリバイだけでは犯人が絞れない。真相は?泊まり客毎に視点が次々切り替わりながら話が進んでいくのでもしかして地の文で嘘つかれているのでは?と疑っていたけどきちんとフェアでした。今回は謎の男の正体や犯人やトリックはあー成程、位だったけど最後の三行の締め方が黒く鮮やか。嫌なニヤニヤ笑いが目に浮かぶわー。
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「中町信」の長篇ミステリ小説『三幕の殺意(英題:The Fugue With Three Parts)』を読みました。
『模倣の殺意』、『追憶の殺意』、『天啓の殺意』に続き、「中町信」の作品です。
-----story-------------
昭和四十年十二月初旬。
名峰、燧ヶ岳が目の前にそびえる尾瀬沼の湖畔に建つ、朝日小屋。
その冬はじめての雪が降り積もる夜、離れに住む「日田原聖太」が頭を殴打され、殺された。
山小屋には被害者に殺意を抱く複数の男女が宿泊していた。
容疑者の一人でもある、刑事の「津村武彦」を中心に、お互いのアリバイを検証してゆくが……。
叙述トリックの名手として独自の世界を築いた著者の遺作。
著者あとがき=「中町信」/解説=「戸川安宣」
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1968年(昭和43年)に刊行された『湖畔に死す』を、大幅に加筆・改稿し長篇化して2008年(平成20年)に発表された著者最後の作品です。
■プロローグ
■第一幕
■第二幕
■第三幕
■エピローグ
■あとがき
■解説 戸川安宣
昭和40年、東京オリンピックが開催された翌年の、厳しい雪の訪れを間近にひかえた12月初旬のこと… 水芭蕉の花で有名な尾瀬沼の湖畔にある朝日小屋、その離れで、そこに住む男「日田原聖太」が、その年初めての雪の降り積もる夜、何者かの手で殺された、、、
朝日小屋にはその晩、被害者に恨みを持つ男女が何人か泊まっていた… 誰もが犯行は可能と思われるが、犯人絞り込みの決め手はない。
容疑者の一人に数えられると同時に神奈川県警のベテラン刑事「津村武彦」によるアリバイ崩しが始まる……。
吹雪により外部との接点が閉ざされ、容疑者が山荘の関係者と宿泊者に限定されるという舞台設定のクローズドサークル物… 過去の殺害事件も絡み、二つの事件の犯人と関係者が錯綜してやや複雑な構成になっていますが、その割には読みやすく描かれていたと思います、、、
ラスト3行でひねりが加えてあるとのことですが… 最後の2ページくらいでエンディングは想定できましたけどね、まっ、愉しめました。
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雪に閉ざされた山小屋が舞台だが、連続殺人ではなく、容疑者限定のためのクローズドサークル。けれど所謂フーダニットとは少し毛色が違う。容疑者たちのアリバイが次々と崩されていくのだが、それが真犯人には繋がらないという展開。個々のアリバイトリックそのものは小粒なので、短編連作のような味わい。「最後の三行」も短編のオチだろう。ここだけをうまい具合に切り取ったら、いい感じの異色短編ができる気がします。