紙の本
この作品を読む上で、フランスの歴史と量子学の知識が多少なりと有った方が楽かも知れませんが...。
2017/05/22 20:45
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投稿者:楓 - この投稿者のレビュー一覧を見る
先ず、本書を読む上で、フランスの歴史と量子学の知識が有った方が楽かも知れませんが...。
ですが、本書は、究極の愛の物語だと思います。
そして、SF・ファンタジー・歴史ミステリーが渾然一体となった壮大な物語だと思います。
それから、心の琴線に触れる箇所が、少なからずございました。
尚、「もう少しストリート展開を組み換えたならば、各登場人物の心情や生き様がよりスムーズに読者に伝わったのでは...!?」との印象も受けました。
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素晴らしい!!泣きはしなかったけど,実に良い物語を読ませて貰いました。
「文学でもって宇宙を語る/数学でもって神を語る」というのは個人的に大好きなアプローチです。
量子コンピュータの吐き出したデータを文学で翻訳することで何が起こっているのかを解き明かすというのですから,ワクワクしてしまいました。
これでデビュー作とは凄い才能が出てきましたね。「姑獲鳥の夏」以来の衝撃です。
同じ密度の物語が描けるのであれば(もちろん大いに期待しています)素晴らしいですね。
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未来の沖縄で行われている量子コンピューターでの研究と、フランス革命期の話。
二つの物語をこういう風に繋げるとは!!
言いたいことを完全に理解したとは言えないけど、
確かに感じ取ることは出来たと思う。
何よりこの作品が醸し出す雰囲気が最高に素晴らしいです!!
絵画に疎い私ですが、言われてみれば確かにその通りですね。
当たり前なことなのに、そこに気付かないとは恥ずかしい限りです。
今すぐ美術館に行きたくなりましたw
あと、226頁あたりの量子論の解釈の仕方が面白い。
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忙しい時期に細切れで読んだ+量子論の小難しい理屈のせいか内容が全然頭に入ってこなかった(^p^)
同じメフィスト賞を受賞した図書館の魔女がもー、滅茶苦茶クオリティ高かったからハードルあげすぎたのかもだけど、それにしても。
すごい新人が出てきた!と絶賛する気にはなれないかなぁ。
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全600頁の内、起(300頁)承(100頁)転(100頁)結(100頁)と、かなりのスローペースな構成。
17世紀のフランスを舞台にした主人公アナの物語と、2031年の沖縄で量子コンピュータ『にらい』でフランス国立文書館に収蔵されているすべての情報を解析する物語。2つの物語が交互に描かれる。
<オチ>
量子コンピュータが出力した結果を見てみたら・・・
(以下482Pから抜粋)
中身を見ると、魔女アナだとか、狼とか指環とか瞠目する他ない内容で、こんな文書は日記を装った偽書に違いないけど、、、
『にらい』の中で働いているアルゴリズム、主幹の奥さんの意識モデルに基づくネットワークが”想像力”を自発的に働かすことができるのだとしたら?
これらのデータは・・・
リロードされたんじゃない。
起きたことはきっと逆。
偽造されたんだ。
ログやナンバリング自体もそうだ。
それらは後から創り出されたものだ。
欺くため?・・・そうじゃない。ありえる可能性を出力するため、”世界”とはそのようでなくてはならないという、主幹の奥さんの意識の”信じる真実”を実現するためにこそ、それは創り出されたのだ。
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『真実は言葉がなぜ紡がれるのかというその理由、なぜ語られたり綴られたりするかというその理由にあるのではないでしょうか?
言葉自体やその解釈ではなく、何かを語ろうとする心の側に真実がある・・・
言葉はどうして、どこから生まれるのでしょう?私にはその答えはわかりません。でも言葉が真実をそのままに表現しているものだとしても解釈するべき象徴だとしても、何かについて伝えたいと思ったからこそ言葉は生まれるのではないでしょうか?
そしてきっと詩も音楽も絵画も、同じところから生まれるのだと思います。』
難しい。これは難しい。
大切なことを言っているような気がするんだけど、正しく読み取れた気がしない。
解釈に囚われた作品世界がゆえに、その解釈に迷う。
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集中できないまま読み終わってしまった。主に自分の問題。集中してもう一度読む機会があれば、もっと楽しめるかも。
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面白いのか面白くないのか?読んでもわからない難作品。
私が、わからないからといって、この小説が悪いという事でもないかもしれない。原因の一つは、知識不足である事は確かだから。
二つの世界観でストーリーを進める。
一つは17世紀フランス。ヴェルサイユのゴンディ家の長男の少年の病死から物語が動いて、少年は可愛がっていた下女的少女の前に白い狼となって現れる。ファンタジーなのかと思うのだけど、どうも史実にも沿っていく。その辺が苦手で、区別がつかない。
一つは、2031年の沖縄。量子コンピュータという最先端技術者達の挑戦。量子コンピュータに世界の秘密を探らせるかなんか。
当然、この二つが重なってくるのだけど、どっちの時代も掴めない読みきれない。辿り着けず。
ただ、詳しい方には、すごく面白いのかもしれない。
ここまで、メフィスト賞を読んで思うことは、皆さんデビューを目指して書きたいことに溢れていると思うのです。専門分野得意分野からも小説は、目新しいし。でも、やっぱり表現力は未知数というか未成熟というか。そこで、ボリュームの上限は決めても良いと思うのです。これもノベルズの2段600ページ。ミニレンガ。他の作品にもなかなかの大作がありました。初読の作家さんなら適量で読みたい。審査も大変でしょうに。
ストーリーをある程度にまとめるテクニックも必要だと思うんですよね。(京極さんはご自由にしていただきたく)