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ミステリファンは要チェック
2008/01/16 23:53
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
東北地方の山深い温泉町に講演に招かれた作家二人。大雨の中ようやくたどり着くが、町へ入ったとたんに唯一外へと連絡している橋が大水で流され、町の中に閉じ込められてしまう。そこで起こる殺人事件。
さまざまなジャンルで傑作をものしてきた著者が、ミステリにおいてもその腕の冴えを発揮した本格ミステリです。
町全体が出入りもできなければ連絡もできない閉じられた状態で次々と事件が起こる、いわゆる「嵐の孤島」「嵐の山荘」と呼ばれる、オーソドックスなタイプのミステリですが、そこは才気煥発な著者のこと、一筋縄ではいかないような仕掛けが用意されていて、読者を驚かせ楽しませてくれます。
また、国の農業対策の、そのいい加減さや不備な点について述べてあり、ページ数はそれほど厚くはないものの、ミステリの楽しさや社会問題への言及などで、とても読み応えのある作品になっています。
本作以外にも、著者の小説の中には、ミステリの味付けがしてあり、とてもおもしろいものが多数ありますので、ミステリファンは要チェックですよ。
井上ひさし全著作レヴュー64
2011/07/30 21:07
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:稲葉 芳明 - この投稿者のレビュー一覧を見る
初出は『週刊小説』(実業之日本社)1975年7月18日号~9月19日号。完結後9年間単行本化されなかったが、文庫版オリジナルという形で出版。
講演会を引き受けた二人の作家がテレビもない山の中の温泉旅館まで出向いたのはいいが、大雨で村に一つしかない橋が流され足止めを余儀なくされる。と、突然二人は殺人事件に巻き込まれ・・・。
紹介出来るのはここまでだろう。奇妙な題名の意味も含め、これ以上書くとネタばらしになってしまう。通常「ミステリー」(=○×殺人事件)の最大の眼目は謎解きであろうが、実は本書においてはその謎解きの外側にもう一つ大きな枠組みが仕掛けられている。つまり、ミステリーは謎解きが終わった時物語が完結するのだが、本書の場合はミステリーの謎解きは第一幕で、その後第二幕が開くわけである。
狭義のミステリーとしては中の上の出来だが、その後の展開は、主題といい手法といい、井上ひさしならではである。
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