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「イノベーションは企業だけでなく一部の消費者=リード・ユーザーが無視できない大きさを生み出している」ということを、「どの層のユーザーがどの部門でどの程度」生み出してるのかを定量的に示しながら、マスキングテープ、レゴ、クックパッド、初音ミクなどの具体例を挙げた本。
それによると、リード・ユーザーは消費者全体の1~2割程度だが、その研究・投資(本人は工作気分)の合計は、部門によっては企業の研究・投資総額を上回ることすらあり、コミュニティに属しながら多様なバックグラウンドと豊富な知識を持つリード・ユーザーは、企業よりもはるかに低費用でイノベーションを実現することが示されている。
本書では触れられていないが、出版・書店業界では、かなり以前からケータイ小説、ブログの書籍化などの形で、イノベーティブ・ユーザーを企業が取り込んで来たと思う。
産業財や消費財(=有形財)がメインで扱われているけれど、サービス(=無形財)でもおそらくユーザーイノベーションを取り込むことは可能で、オープン・サービス・イノベーション(http://booklog.jp/users/hirokimitsuda/archives/1/4484121131)と組み合わせて読むと良いと思う。
文章は読みやすいけれど内容が1冊の中で重複している感じもあり、もっとコンパクトにするか、内容が多いともっと良かった。
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企業ではなくユーザー(消費者)がイノベーション(技術なり用途なりを革新する)を行うことがままある、というのを、自身の研究などを通して述べている。
ユーザーイノベーションとしては、「ユーザー個人に閉じたイノベーション」→「ユーザー間での共有」→「企業が正式に採用」というのが基本的な流れ。
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小川さんの新著。「メーカーズ」に書かれている内容をアカデミックに、そしてものづくりに限定しない形で網羅的に論じている。イノベーションは、企業や大学だけではなく、「ユーザ」が起こすことも沢山ある、という実態を知る上で、もっとも優れた本だと思う。
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今までは企業の生産活動の一部として、イノベーションが語られてきたが、それを一般の消費者(ユーザー)が新しいイノベータ―として消費現場で、その製品の使用経験を基礎に、より満足できるものにするために自らイノベーションを行うようになってきた流れを説明した本です。身近な具体例も多く、読みやすいと思いました。
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これまでイノベーションを起こすのは大企業や大学、大きな研究所等であると思われ、各種施策も消費者自身もそう思っていたが、ITやもの作りの環境が変化・進化・一般化したことで、イノベーションが一般消費者でも起こせるようになっている。本書でとりあげられている商品だけでなく、確かに身近にそういう事例が増えている気がする。マスキングテープの事例では消費者がいろいろ自前で調査を行い、ニーズの確かな証拠をもってメーカーを動かすことに成功したわけだが、技術の進歩や低価格化によって、この「証拠集め」が簡単になっているのだと思う。3Dプリンターの普及などはまさにこれに拍車をかけるだろう。一方、たいていのものが揃ってしまう状況では、ユーザーイノベーションも起きにくいのではないか。この点、「リバースイノベーション」との組み合わせで考えると面白い気がするが、さて、どうしよう。
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メーカーが独占してきたイノベーションという行為が、インターネットによって消費者に開放されつつある。その有用性を、政府の成長戦略やものづくり経営学にも活かしてほしい。
夏休みの工作とか、昔から発明工夫は奨励されていたように思いますが、メーカー・政策ルートからは無視されていたんですね。
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今まで本書のようなアプローチをとったことがなかったので参考になった。
ただ、なぜ企業はいまだにユーザーイノベーターを評価しないことが多いのかについて、もっと踏み込んだ分析が必要だろう。
そうでないと、本書の内容が極端事例で終わりかねない。
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久しぶりに新しいアイデアが浮かぶ良書と出会えた。この知見を積み重ねていきながら、いま進め、挑戦している研究に活かしていきたい。
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マーケティングで消費者行動のはイノベーティブな消費者が存在していて、その顧客と接点を持つことが商品開発に非常に有効だからである。
企業の製品開発が消費者との相互関係が成立し始めたまさに現代のマーケティングを学ぶ人に必要な本。
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・専門家に対して一般消費者の嗜好、考え方は揺れ動く。動く消費者の嗜好から生み出され集計化される「群衆の知恵」もある。
◉イノベーションを起こすリードユーザーの条件
・ニーズに先行的に直面している
・期待便益が大きい
◉リードユーザー発見のアプローチ
・標的市場の最先端に注目
・似てる市場の最先端、極端課題に直面するユーザーに注目
※スクリーニングよりピラミッディング
◉CCC(集団的顧客予約)は延期やマスカスタマイザーション(部分ごと選択)より市場リスク削減。
実績のない革新的製品開発か、小規模で不均質な市場に向いてる。
◉多様性が能力に勝る。
母数が大きくなる場合(消費者の多様性)、能力(製品開発担当)に勝ることがある。
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これだけ技術が進めば、ユーザー・イノベーションをすることも、まああるだろう、くらいの感覚で読み始めた。
すこし古い本ではあるが、かなりなるほどというか、今読んでも、そんなこともあるのかの驚きがあった。
にもかかわらず、本を読み進めるにつれて、だんだん面白く無くなってくるのはなぜかな???
いい本だとは思うが。。。。
もうちょっと、こうした事例のもつインプリケーションみたいなのに驚きが欲しかったのかな?
と無い物ねだりか。。。。