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食料自給率の「なぜ?」 みんなのレビュー

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一般書

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みんなのレビュー15件

みんなの評価3.3

評価内訳

15 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

佐藤優氏(外務省のラスプーチン)も絶賛

2008/12/28 19:17

7人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ビージェントル - この投稿者のレビュー一覧を見る

 佐藤優氏(起訴休職外務事務官/外務省のラスプーチン)が雑誌にて絶賛していたのが、購読動機。同氏の書評は、評論家が蘊蓄や御託宣を並べた上滑りの論評と違って、地獄を見たベストセラー作家だけに説得力があり、参考にさせていただいている。
 さて本書であるが、現役官僚が「食料自給率」という一つの指標(メルクマール)を舞台にして、現在の日本が抱えている「食料問題」について、『一般国民と共有したい』として上梓したものと読み取れる。決して専門家向けでなく、又、大学の客員教授であることもあって、著者の個人的な経験もまじえた飽きさせない講義を受けているようで、平易でかつわかりやすい内容になっている。
 残念なことは、「農業が産業(ビジネス)として繁栄できない限り、食料自給率の向上はありえないこと。そのためには何を反省し、何をしなければならないのか。」については触れられていないことである。これはそもそもの主たる上梓目的ではないため、削られているのかもしれないが。
 現在、業種人口の偏在は産業構造の変化により目に余るものがある。人が必要なところにはビジネスがなかなか成立せず、人手不足となっている。一方、建設業等ダウンサイジング傾向にある産業においては、リストラの嵐になっている。又、サブプライムローンが端緒となった金融危機に見られるように、『食料戦争』が世界のどこかで勃発したら、「日本はどうなってしまうのだろうか。」と思う今日この頃である。
 本書は、行政官として問題解決に着手するためのプロローグ著作と認識することとしたい。官僚をアンチテーゼとする勢力から袋叩きにあうことを覚悟の上での上梓は、官房長の辞任にも見られるように農水省の危機感の現われとも窺われる。かつて「官邸の黒子」(「官邸主導」清水正人著)として小泉内閣時代にみせた突破力を今後期待するところである。

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紙の本

非現実的な 「有事」 にもとづく食料安全保障論

2010/09/11 09:42

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る

著者の肩書は 「農水省食料安全保障課長」 ということであり,この本のなかで自給率,消費構造,穀物価格や需給などに関してはさまざまな統計量がつかわれている. しかし,「安全保障」 のためには 「有事」 の際になにがおこるかを定量的に検証するのが重要なはずだ. ところがこの本のなかでは,食料輸入がすべてストップしたが国内生産はいままでどおりだったらどうなるか,というような非現実的な条件でおこりうることが検証されているだけだ. もっと現実的な条件でおこりうることはなにか,それにそなえるには自給率やその他の数値がどのくらいであるべきかを検証しなければ,食料自給がどうあるべきかを議論するには不十分だろう.

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紙の本

かゆいところに手の届かない 良くも悪くもお手本的な だってそうでしょ御大尽

2009/04/30 22:58

5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:鳥居くろーん - この投稿者のレビュー一覧を見る

農水官僚による食料自給率の本。コンパクトにまとまっており読みやすい、が。
 
さすがに立場上、踏み込んでは書けないのか、どうにも表面的な気がしてならない。
 
とりあえず今の日本の農政のもとでは、頑張って生産高を増やして儲かろうなんて思っている農家ってほとんど生まれないんだよね。まして穀物生産なんてのは特に儲からない分野だから、コメの裏作で小麦つくろうなんて奇特な人もほとんどいない。そのへんのことが書かれていない。
 
あと、日本製の工業製品買ってもらうためには、交換条件として農作物輸入しなきゃダメなんだよね。その辺のことも書かれていない。せめて関税に関してもう少し書いて欲しかったな……
 
食料自給率の低下を受けて、農水省の肝入りでいろいろやってるけど、とりあえず補助金つっこんどけ的でマトはずれなこと多くて。野菜工場たくさん作って自給率向上にみじんも貢献しない、それどころか需給こわれて値崩れしまくり、とかね。本気でやる気あるのかな?
 
景気悪化を受けて、失業者を農業分野で吸収しようなんて思惑もあるけど……農業ってホント儲からないんだよね。そんなに人を雇えやしないよ。だいたい景気が悪くなって真っ先に切られてしまうような人間をいきなり押し付けられてもね。好景気でも薄給で頑張ってきたアッシら生産者の立場にもなって欲しい、というのが正直なところ。そもそもいきなり農業やれったって全然勤まらないんだもの、ダメだよ日本人。
 
スマン、ただのボヤキになった。とりあえず日本人ならコメを食え。農水省の我田引水だとは私も思うが理屈のうえでは正しい。国際競争力皆無の小麦や大豆(トウモロコシは論外)を生産するよりははるかに現実的だ。
 
ちなみに私はシイタケ生産者だ。カロリー皆無に等しいのでいくら頑張っても自給率には貢献できない。無念!

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紙の本

これじゃ日本の農業は良くはならない。農地の用途規制の問題に切り込めない農林水産省は話をずらし逸らし続ける。

2008/12/22 22:56

23人中、15人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書の著者は現役の農林水産省食糧安全保障課長である。現役の課長さんが書いただけに資料も豊富で現在農林水産省が推進している食糧安全保障政策のキモが、非常に要領よくコンパクトにまとめられている。皮肉なことではあるのだが、それがゆえに、農林水産省の食糧安全保障政策含む農業政策全体の欠点というか問題点が見事なまでにあぶりだされている。

日本の食料自給率は戦後一貫して低下している。これはいかなる方法で統計を取ろうと変わりはない。問題は、それはそれとして現状をどう評価し、それに対してどのような対策を取るかだ。原因ははっきりしている。戦後、それまでの米と、野菜と、わずかばかりの魚しか食べなかった我々日本人の食生活が根本的に変わり、肉食が増え、大量の植物油を接種するようになり、米中心だった「主食」に、パンやパスタが入ってきたことなのだ。消費者の嗜好が変化すれば、それにあわせて供給サイドも変化しないと産業は生き残れない。ところが日本の農業は頑なに変化を拒否し、戦争中に制定された食管法の呪縛に囚われ続け、米作中心主義に拘り続けた。これが日本の食料自給率が40%にまで低下した最大の理由である。今でもコメに限って言えば、日本の自給率は100%を超えている。ということは、日本の食料自給率を上げようと思えば、作りすぎている米作をやめ、小麦、大豆、トウモロコシを作るのが本筋である。ところが本書には、これについては全く触れていない。むしろ日本の気候は米作に一番適しており、日本の風土に合ったコメを食べるのが正しいと消費者に嗜好の修正を求めているのだ。これではまずいカレーライスを何時までも出し続けてふんぞり返っている食堂と大同小異だ。

著者は日本の食料自給率は40%だ、さあ大変だ。皆さん、何時までも外国産食料に頼り切っていて良いのかと読者を煽りたてる。しかし、そもそもの議論の出発点として食料自給率の計算の根拠が、まず問題となる。40%というのはカロリーベースという我々が消費するすべての食料のカロリーに着目して計算した数値なのだが、実はこんな数値を計算しているのは世界で日本だけである。世界の誰も使っていない数値を農林水産省がご丁寧にも海外の主要国のカロリーベース食料自給率まですべて計算なさった上で比較しているのだ。さすが2万人超も農業統計だけのために人員を抱えている農水省だけのことはある(ちなみに諸外国が計算しているのは穀物の自給率だけのことが多いそうだ)。この40%だって、怪しい。これを金額ベースにした場合、くそ高い国産のコメを無理やり食わされているおかげで日本の食料自給率は66%に跳ね上がる。

それにだ。戦後の食生活の変化が成人病の増大やメタボリックシンドロームの増加をもたらしたと、あたかもマイナス面ばかりであるかのような書きぶりをしているが、事実は、戦後の日本人は食生活の根本的変化によって、まず平均身長が20センチ以上伸び、平均寿命も世界最長となって毎年その記録を更新している。戦後、中国人が何が悔しいと言って、日本人に身長面で追い抜かされたことが一番悔しいという話を以前聞いた。戦前は「5尺の男」といって日本人男子の平均身長は150センチ足らずだったのである(同時期のドイツ人男子の平均身長は170センチだったそうだ)。124ページに読売新聞が出した「食料輸入がストップした場合の献立の例」などを仰々しく載せ(戦前回帰か?)ているが、これは今も永平寺等の禅寺で修行している雲水さんたちの献立に似ている。どこかで読んだのだが、栄養不足で雲水さんたちの平均寿命は一般に比べ短いと聞いたことがある。要するに農水省は巧妙に話の論点をずらしそらし、自分の意図するところへ誘導しているのである。「日本人よ、パンなんか食うな!コメ食え」と。

こうした誘導は他にもある。水田の多面的機能(水田が保水や水害防止に役立っているというアレだ)とか、「棚田は美しい。棚田を守れ」というキャンペーンがそれだ。そもそも江戸時代以来、棚田を耕してきたお百姓さんたちは、「棚田が美しい」と思うから棚田を工作してきてのか?違うだろう。あれは江戸時代の米本位制の遺物ではないのか。経済をすべてコメの生産量に引き直して換算していたがゆえに、日本列島全体でかなり無理してコメの増産に励んだ結果、あんな不便な、誰が見ても生産効率が悪そうなところまで水田を作るはめになったのである。明治初期、瀬戸内海を周航した中国北洋艦隊の提督は「岡の中腹を耕すがごとき貧窮の小国が沃野無辺の大清帝国に戦を挑むがごときは笑止なり」と笑ったそうだ(後に彼は連合艦隊との海戦に敗れ責任を取って自殺している)。

そして何より問題なのは、日本で増え続けている耕作放棄地の問題や、減り続ける農業用地の問題がほとんど全く触れられていないことだ。農林水産省の音頭取りにもかかわらず、どうして耕作放棄地が増え続け、農地が減り続けるのか。実は、これこそが日本の農業が抱える最大の問題点であり、農林水産省が触れるのを嫌がっているポイントなのだ。それは日本では農業を担うとされている農民自身が、すでに農業に興味関心も失い、ただの地主として、いかに自分が保有する農地を高値でトヨタなりジャスコなりに売り抜けるかを考えるようになってしまっており、また農地を抱える地方自治体も農業みたいな税金を取り難い産業からは出来ることならさっさと足を洗い、「国土の均衡ある発展」の美名のもと、農地を潰し、そこに高速道路や工業団地やスーパーマーケット、アウトレットモールにしたいと願っているのである。だから、もし、日本の食料自給率を本気で上げたいと思うなら、まず取り組まねばならないのは農地の用途変換の禁止であり、農地は永遠に農地としてしか使えないようにする用途規制の強化のはずなのである。このことに本書は全く触れていない。墾田永年私財の法の昔から、日本のヒャクショウどもは「これはおれっちの地所だ」というゴーツクルールで凝り固まっており、耕作放棄するのも自由、農地転用して高値で売り抜けるのも自由だと主張してはばからない。ちなみに農地としてみた場合、一反の農地の価格は約200万円。これが宅地や工業用地となった場合8000万円となるんだそうだ。つまり、日本農業の最大のガンであり、日本の食料自給率向上に向けての最大の障害はほかならぬ農民自身であり、農協であるんだが、これについて本書は全く触れていない。そしてひたすら叫ぶのである。「日本人ならコメを食え」と。そして、その陰で、今日もヒャクショウに名を借りた都市近郊地主どもは田畑を売り抜けているのである。誰かが言った。「農民栄えて農業滅ぶ。これが日本の現実だ」と。

こうした日本の農業の抱える問題に勇気を持って取り組んでいる学者もいる。神門善久さんがその代表だが、本書の参考文献に神門さんの名著『日本の食と農』は含まれてもいない。著者の猛省を要求する。

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2010/04/19 23:39

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2010/07/06 22:25

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