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紙の本
漫画家に愛を叫んだ男
2004/10/13 22:47
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投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
その昔、まだパロディという言葉も知らない頃に、やたらと赤塚不二夫に似た絵柄のマンガを見たことがあった。作者名とともに「フジオ・プロ」とあったので、ともかく赤塚不二夫の関係者であろうとはわかったのだが、それ以上何もわからなかった。それが長谷邦夫であり、あのトキワ荘グループの通勤組の一人であること、赤塚マンガのブレーンであることなどを知るのは、それから何年も後のことである。
その長谷の自伝(?)である。特に赤塚不二夫との関係を主に、トキワ荘グループの動向や赤塚を介して知ることになった芸能人、自らの興味の対象であった詩やSFの関係者の動向などが記されている。
日本のマンガにとって、トキワ荘グループが欠くことのできない存在であることは今更言うまでもないが、あまりにも藤子不二雄Aの「まんが道」が有名であり、あれが事実であるかのように知れ渡ってしまっているという意味からは、この長谷の詳細な記述は、当時を知る上でいろいろと参考になることが多い。
だが、私たちが知りたいのは、長谷を通して知るトキワ荘グループであり、特に赤塚不二夫なのではないだろうか。もちろん、面白おかしく書いてもらう必要はないのだが、かつて共にプロの漫画家として歩み始めて、徐々に赤塚のブレーンになってしまい、そして最後にはそれすらも辞めてしまった長谷の内面をもっと知ることで、より当時のトキワ荘グループを知ることができるのだということを、私たちは期待してこの本を手にしたのではなかろうか。
そうした期待を持ちながらこの本を読み進めると、あまりにもあれもこれも網羅してあって、印象が散漫になってしまったように思う。かつて売れる前に苦労していた赤塚不二夫のマンガを寺田ヒデオがストーリーを「詰め込みすぎ」と評したというエピソードがこの本でも書かれているが、この本も「詰め込みすぎ」の感がある。もっともこの期待は、本の腰巻に書かれているコピーを鵜呑みにしたためかもしれない。
長谷と赤塚の関係についてもっと知りたければ、同じ長谷の著書である『ギャグにとり憑かれた男—赤塚不二夫とのマンガ格闘記』を読むとよいのかもしれないが、残念ながら私は未読である。
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