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主人公の掴みどころの無さが、不思議に魅力的なのだ
2011/12/30 21:21
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mayumi - この投稿者のレビュー一覧を見る
「月の裏側」の塚崎多聞を主人公にした短編集。
*木守り男
*悪魔を憐れむ歌
*幻影キネマ
*砂丘ピクニック
*夜明けのガスパール
「月の裏側」もそうだったけど、多聞は<信用のならない語り手>なのだ。
と、わかってて読んでるのに、やっぱりなんかぬらりくらりと妙な所につれていかれる。
そう。この短編集の感触は、どこかに着地するのではなく、流されるというのが近い。しかも流れ着く先については、作者も「知らないよ」っていってる感じがする。
結局は、多聞がどこか他人を寄せ付けないところがあるからなのだろう。
故に、シンクロを覚えない。
かといって、他の人物にシンパシーを覚えるわけでもない。
切断された個の思いだからこそ、不連続なのかと、思った次第である。
でも、「夜明けのバスパール」のオチは、ちょっとないなと思った。
まぁ、多聞というキャラクターを決定づけるものではあるんだけどね。
世界の秘密
2013/01/01 18:40
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぼーん - この投稿者のレビュー一覧を見る
中編5作からなるSFホラーである。といっても超自然的な何かが現れるわけではない。各作品とも登場人物たちの思い込みや記憶の曖昧さといったものから謎が生まれ、惑わされ、しかし最後は論理的な解決に至る。
誰にでも起こりうるような内容だけに、薄気味悪くもあり、静かに恐怖が迫ってくるような、そんな感じのする作品である。
特に感じるのは、人間は記憶に大きく左右される生き物だということだ。
過去はいかようにも捻じ曲げられる可能性があること、そしてそれが現在を生きる私たちの思考や行動に少なからず影響を及ぼしているのだということを認識させられる。
世界の秘密は解き明かす鍵は実はとても身近にあるのではないか、というのがこの作品の隠されたテーマであるように思う。
ホラー
2022/09/11 07:32
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分はホラーだと思いましたが、貸してくれた友だちは、これは、ミステリーと言い張ります。たしかに、ミステリーともいえるし。夜明けのガスパールなんかは、その要素もありますし。ただ、これはナイんじゃないの、みたいなラストが多くて