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面白かったのか面白くなかったのかがいまいちはっきりしない。まあいつもの通りの序盤の捜査の混乱は面白かったし終盤の容疑者がはっきりしてからの追い詰め方も整合性があってよかった。でもそこまでなんだよな。どうも物語と関係ない話が多かったり犯人が分かるまでが長すぎるみたいだったりでなんだかなー。って感じがする。むー。晩年の作だからかな?そうでもないよなぁ…
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実は何気に(今さら)初鮎哲。
しかもこのお話、各章にサブタイトルがついているので最初てっきり短編集だと思って読み始めてしまいました…(←長編です)。
という訳で以下ネタばれ感想です。
中古レコード店のふたりの共同経営者のうち、一人がレコード買い付け出張後に行方不明になり殺され、一人がその犯人だった…というお話なんですが、クラシック音楽やSPに対する素養のない私には最初入り込みにくいところもちょこっとありました。
それでもラストの解決編が気になって一気に読んでしまったあたりが流石は大御所・鮎川先生といったところでしょうか。
幻の鑞管レコードを巡る歴史ミステリ的衒学趣味も披露しつつ、非常に手堅い本格推理モノでした。ひとつひとつ謎を潰していく堅実さが小気味いいです。
ロッカーの鍵とか動機とかジェラルミンケースとかアリバイとか。
にしても茨木さんの心の闇は如何ようなモノだったのか。
人物描写のされ方も好きな作品でした。
そして、まとめ役として出てくる鬼貫警部は鮎川作品ではレギュラーらしいのですが(次に読んでる短編集でも大活躍しています)、本作品が初鬼貫さん体験でした。いい感じです。
にしても、山本周五郎の「ねぼけ署長」を読んだときにも思ったんですが、どうして昭和前半(戦前から昭和30〜40年あたり)に記された作品って、どうしてこう私のツボをガツンと突いてくれるのでしょうか。もういっそ昭和メインに生まれたかったくらいです!(笑)この何とも言えない雰囲気の良い文章がたまらなく好きなんですよね〜。
という訳で鮎哲先生もすっかり気に入ってしまいました。
そんな鮎哲先生の代表作と言われる「黒いトランク」も是非読んでみたいです。
ところで、このお話の冒頭で中古レコード店の看板娘、相良昭子さんの素敵さを描写する場面があるんですが、「相楽昭子が、親しい会員仲間からコオロギというニックネームを奉られているのは脚が細くて長いせいだが、」という一文が出てくるのです。
てかコオロギって。
やっぱり最高です昭和の文豪。
この文章だけでもこの本を読んだ甲斐があったと思いました(笑)。
※ちなみにここの「会員」とは、中古レコード店のお得意様オークションの会員さん達のことです。
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音楽とレコードの歴史をちょこっと学びながら鮎川哲也のミステリーワールドを体験できます。
長編だけどぐいぐいと読み進めることができますよ。
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作者お得意の不可能犯罪。列車で移動するが、時刻表トリックには関係がない。音楽に造詣が深い作者が、レコードをテーマにして書いた作品。音楽趣味に関するエピソードがあちこちに登場し、小道具や心理描写などがそれに絡み、作品のテーマに統一性を持たせている。ただ、時によっては作者のこだわりが強いように見えるので、何度もリピートしてる寛容な読者の方がこの作品には向いていると思う。
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ミステリー長編。鬼貫警部シリーズ。
レコード店に勤める中年男性は、レコードの買取にでかけたまま消息をたった。数日後、買い取ったレコードが宅配で届けられる。箱を開けるとそこには行方不明になっていた男性の首が入っていた!!
以前アンソロジーで鮎川さんの短編読んでおもしろそうだな〜と思って買い込んだうちの一冊。
鬼貫警部シリーズっていうくらいだから、彼がばり×2活躍して事件の絵解きをするのかと思いきや、彼が登場したのは後半の後半でした。ある意味一番やられたのはその点かもしれません(笑)
正直言うと、私好みのミステリではないかな〜。おもしろくないことはないけど、シリーズ読破したいと思わせる強いものはなかったかも。
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鬼貫警部シリーズ
SPレコードの買い付けに北海道に向かった落水。北海道の会社社長宅に残された蝋管レコード。買い付けから戻らない落水。落水が北海道から送ったSPレコードの中から発見された落水の首。会社社長・米山の依頼した私立探偵・松木の調査。落水の共同経営者・茨木と秘書・昭子にかけられた容疑。丹那の尾行。ホステスのガス自殺から判明した犯人。コインロッカーに隠されたトリック。
2010年12月22日再読
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作者の音楽趣味・レコード愛、甘味&グルメが満載。そしてあいかわらず出てくるのが遅いよ、鬼貫警部。
ミステリのネタとしてはアレなところがあったが、ラストの超絶展開には「うぇぇぇぇええ?!」と声を出して驚いた(笑) いやー、なかなかないですよ。あの展開は……。
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SPとLPの違いもよくわかんないもんだからレコードについていろいろ語られてもよくわかんないんだけど。
まあでも楽しそうに書いてるのが伝わったのでおもしろかったかな。
あとドラマはよくできてた。
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中古レコードショップの共同経営者の1人が、珍品の蝋管レコードの引き取りのため函館へ。レコードを函館から発送の行方不明になった彼は、レコードを送ったはずの荷物から首だけになって発見される!
鬼貫警部ものだけど、捜査は丹那刑事と、あとは容疑者の1人が容疑を晴らすために依頼した私立探偵がほとんど捜査してた上に、かなり重要な発見をこの一見さんの探偵がするもんだから、そこはちょっと拍子抜け。でも最後の推理はさすが!
最初、函の中から発見される死体とか、それが発送されたものであるとかいうところから『黒いトランク』を連想したけれど、あれは鬼貫警部が出ずっぱりだったのに対してこちらは最後しか出ないし、競馬の人となりとかもあんまり見れないし、何よりトリックが全然違う!アリバイもの出ないことはないんだけど、その要素はうっすらだった。
でも面白かった!