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大学で勉強していたテーマに近い本。
日本人がこの本を読むことによって
得られる発見というのは少なくないと思います。
単なるアメリカ人の日本人に対する薄っぺらいイメージとは違う。
書かれた時期が時期だけに少し古くはあっても、
徹底的に日本人に近づこうとした民族行動分析が行われています。
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アメリカ人、文化人類学者が考察する日本人の生き方。恥の文化、恩と義理。とても興味深く読めた。日本人の歴史あるいは自分のイデオロギーの変遷を辿る意味でも面白いと思う。
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現代の日本人として、「へえ、昔の日本はこうだったんだ」という視点と、「アメリカからこう思われていたんだ」という視点を持つことができる本。しかしベネディクト自身に来日経験はなく、戦時の情報収集に頼って書いた著書なので、それが事実であるかは不明。また文化人類学者と言えども、キリスト教的な物の見方を手放すことはできていない。「義理」と「名誉」の概念を混同しているかと思われる箇所もあり、なんだかしっくり来ない部分もあった。
この本での一番の収穫は、アメリカ的な視点を知ることができたこと。出版後様々な議論が繰り広げられ、政治も成熟したと思われたが、戦後50年経ちアメリカ人はアメリカ国民に押し付けたものを、イラク国民に押し付けて反発を食らってしまったことは皮肉である。
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最後の解説読んで、著者、女性だったのか!と。
もちろん、日本に来たことのない外国人が戦後に書いたものだから全てを鵜呑みにするつもりはないけど、それでもうんうんとうなずける部分がたくさんあったのも事実。
私の、人から否定される悪い部分は古日本人的な性格ばかりで、ちょっと複雑。
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いわゆる「あるある」と今まで理由を知らなかった日本人の考え方を知ることができる点で面白い本です。
ただ半世紀以上前の本である点、日本人独自の行動様式がどこまで日本独自なのか実感が無い点、この本自体に間違いが多い点においてどこまで信じたらいいのかわからないことだけ注意して鵜呑みにしない程度に読むのが正しいんだと思います。
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ドフトエフスキー等の新訳で話題となった光文社古典新訳文庫発刊の「菊と刀」。
私は日本人に生まれ育ったが、本書を読んで日本文化にカルチャーショックをうけ脳内に革命が起きた。日本人が日頃からなんとなくもやもやっと鬱うつっと感じている目に見えないものを、ルース・ベネディクト氏は実に明確に浮き彫りにしてくれた。
ルース・ベネディクトはアメリカの文化人類学者であり、この世界的ロングセラーは第二次世界大戦中~直後に執筆・出版されたもの。よって本書の研究内容には時代考証に多少古めかしく感じるものも含まれるが、例えば現代社会問題とされている自殺は日本特有の習俗であることを、この時点でベネディクトは解き明かしてる。
恩と恩返し、義理と義務、階層的体制、応分の場、自殺、恥、といった概念は、正確には英訳することができず、日本特有の文化・思考・習俗であるということ。欧米・アジア諸国との文化比較から、非常に明晰な文章で読み進めていくことができます。
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講談社学術文庫版もあり。東谷「日本経済新聞は信用できるか」P124リンク1:本書の翻訳に関する専修大・前川亨准教授の論考リンク2:森貞彦による翻訳批判と詳細注解
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第二次大戦末期に米国の情報局からの依頼を受け、日本人の行動パターンや文化などを研究した研究者ベネディクト。戦後に発売された本だけれど、彼女の分析する日本人の姿は現在に通じるものがある。
前々からタイトルの意味が気になっていたけれど、読者それぞれにいろんな解釈ができるのかもしれない。
盆栽や菊などの矯正された花の美しさをめでる日本人。自由奔放な自然の花も美しいと思いますが、子供の頃の厳しい「恥」のしつけが今の常識を持った大人としての自分を形成していると思うと、一理アリ。
また刀は「侵略の象徴ではなく」、日本人は「錆に侵されやすい内なる刀を錆びつかせないよう腐心する習性」があることに、どうも争いを避ける習性を持っている私としてはこれも一理アリ。
失いかけているものもあるけれど、この本を読んで日本人である自分を再認識できた。
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終戦直後のアメリカによる日本植民地化のため、日本人の精神文化を分析する依頼をアメリカ政府より受けた文化人類学者の著者による日本文化・日本人精神論。調査は丁寧詳細、分析は緻密深甚。読んで解説される日本人の精神性に「な、なるほど!」と驚かされた日本人。
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下層だった商人の台頭で封建社会のヒエラルキーが崩れても、商人組織で成り立つ企業の中は結局年功序列の階層社会。
自由と平等に憧れながらも階層社会に安定感を見出だす日本人。
平重盛いわく「忠ならんと欲すれば孝ならず、孝ならんと欲すれば忠ならず」
忠臣蔵では主君への義理を仇討ちで果たし、自ら命を絶つことで幕府への忠をも示した。
二者択一でシンプルな答えを出すのではなく、両者その身に抱え込んで生きるのが日本人。
来日したことなくても優秀なスタッフがいるだけで、こんなにもまとめられるものかね。
賛否両論ある日本人論らしいが、70年近く前でこのクオリティならいいんじゃないすかね。
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光文社古典新訳、いいんすよね。
光文社古典新訳を読みたいがためにむりやり買ってみた本です。
この本超有名だよね?日本史的に覚えなくてはならない用語にもなってるし、日本好きな、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)みたいな外国人が書いた本かと思ってた。
がが!
これはれっきとしたスパイ本です。
戦争中、アメリカ人が、日本人の慣習や性質を日本に行かずしてまとめた立派な報告書なのです。意外でしょ。
60年以上前に書かれた、60年以上前の日本について、60年後に再度訳されたものをよむ。
なんか時空を超えちゃってるなー
かいつまみますと
・日本人は上下関係を正当なものとして受け入れることに安心している!(アメリカでは自由と平等さえあればいいのと同じ!)
・日本人は世間のおかげ、と考える!(アメリカではそれを極度に軽視するが!)
・日本人は幸福の追求を人生最大の目的とするなんて!と考えてる―60年前はね。
・日本人は、「性格の強さは逆らうことではなく従うときに示される」と考えてる!
体育会系的上下関係とか、義理や恩についてとか、難しい概念らしく、常に契約社会アメリカの借金返済とかお金に絡むことに置き換えた説明がある。おもしろい。なんか、理解できないことがあるから、それを根源から理解しようとしているところがおもしろい。
わりと客観的なレポートではないかと思います。戦争中なのに。
そういう点はアメリカ人、評価できるね。
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<要約>
終戦前後にアメリカの文化人類学者によって著された日本人の行動パターン論。
日本人と西欧人の行動パターンの差異の原因として「社会に対する恥」が重んじられていることを挙げており、例えば身近な人物でない人からの施しを返さないことは「義理をわきまえていない」とされ「恥」である、と認識される。「社会に対する恥」をかいてしまう人物は、家庭等所属する共同体においても軽蔑される立場に置かれてしまう。このように日本人は恥をかかないこと及び名誉の獲得に心血を注ぐ傾向がある。
このように「恥」に対して敏感であるために侮辱・中傷に関しても日本人は激しく反応し、報復が容認(時代によっては奨励まで)されている。戦前の日本に対する海軍力の制限とアメリカでの日本人移民の排斥法は日本を戦争に傾ける一助となったであろう。
軍国主義が頓挫したため、日本は平和主義によって名誉を得る道を選ぶであろう、と締められている。
<感想>
現代日本社会と関連して、相違点がある一方で共通点も見受けられるように思われる。例えば相違点は、現代日本では精神主義から物質主義への転換がやや進んでいると思われる点であり、共通点には未だに「恥」の回避が重要な命題となっているように思われる点が挙げられよう。
日本人が行動方針をドラスティックに転換する原因の一つに、教育が挙げられている。具体的には、子ども時代には恥を中心とする社会規範から比較的自由に行動するのに対して、成長期に進むにつれて恥を意識しながらしつけが行われる。が、これが原因で行動方針をドラスティックに転換することがあると言われると、ロジカルに読むことが難しい気もする・・・
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借りたもの。
恥を恐れ、自己鍛錬と礼を持って秩序を成してきた日本人。
読んでいて納得してしまう。
社会から、家庭から、今も日本の根底に流れているものを再発見し、その良い面、暗い面を想い起こす。
日本のアイデンティティを分析した名著。同時に、アメリカのアイデンティティも垣間見る。
ベメディクト女史は来日経験が無いという。確かに所々が眉唾だが、それでもよくまとまっている。
当時、どういう観点からアメリカが日本の戦後処理の対応もわかる。
とても読みやすい翻訳書。
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第二次世界大戦の終わり頃、アメリカでは日本の社会、文化を研究する必要が生じた。
日本を降伏に導く方法と最善の占領政策を知るためである。
そこで外国文化研究の専門家として知られる筆者に白羽の矢が立った。
筆者は日本を一度も訪れることなく、文献や映像と在米日系人との面談だけを元にこの本を書いた。
すごい学者さんだ。ちなみに女性である。
降伏した途端に日本人が米軍を大歓迎したことは、アメリカにとっては理解不能であった。
アメリカ人がこの事態を理解するためには、こんなにも言葉を尽くして説明した論文が必要だったのだ。
日本人にとって当たり前のことを理屈をつけて説明されても、それが本当に正しいのかはよく分からない。
しかし、その視点が思いもよらないものなので、面白い。
筆者は「恩を受ける」「恩を返す」概念を、借金の返済に例えて説明する。
ニュアンスが大分違う気がするが、アメリカ人にとって一番近いのが債務の返済にあたるのだろう。
日本の特徴として家長父制が詳しく説明されるが、現在にはほとんど残っていない。
むしろ日本の昔の小説を読む際に役に立つ知識を教えてもらった。
恥、応分の場、徳目と徳目の板挟み、肉体的快楽を罪としないこと、統一的な原理原則はなく場面場面で相応しいとされる対応をすること、革命は起こらず変化はすること、自己責任、子育て、等…
内容は多岐に渡り、とても面白かった。
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高校受験時に習った比較文化学のキーワード、「罪の文化」と「恥の文化」
…やっと読み終わった~!!!1か月近くかかりました(^^;
なぜなら、結構同じようなことがだらだら書かれている部分があったから。一度にたくさん読むには飽きてしまう…そういう意味で、★-1
初版は1946年、半世紀以上も前に書かれた著作であるけれども、まったく色褪せていなかった。日本人の特性がよく表されていると思う。
共感する部分が多々あって、自分は”THE 日本人”なのだなぁと思った。
「ここが私のダメなところなんだよね…」とも思ったけれど、でもなんかほっこりうれしくもあった。
これを、来日はせず書いたというのだから驚き!
あ、あと、ルース・ベネディクトが女性であったことに驚き!←
MEMO
P.48・49 「敵の兵力には訓練で、敵の鋼鉄には肉弾で対抗せよ」
「肉体がくたくたになればなるほど、我々の意志すなわち精神は高まり、肉体を超越する」
P.243 「負けた側は、負けたことが原因となって「汚名を着せられる」。この屈辱に刺激されて、もっと努力しようと発奮する気になる」
P.251 「日本人は侮辱によって引き起こされる憤懣を、何かを達成するための比類なき発奮材料とする一方で、それが呼び起される状況を制限している。」
P.271 「日本人が繰り返している気分の反転がある。それは、ひたむきな努力を一方の極とし、どうしようもない停滞状態をもう一方の極として起こる。」
P.352~354 「世間の目があるから、自重に努める。世間というものがなければ、自重する必要はないのだが。」
「罪を犯した者は、心を打ち明けることによって安らぎを得られる。ところが、恥が主たる拘束力となっている場においては、おのれの過ちを打ち明けても心は休まらない。」
P.478・479 「日本人の倫理は、方針転換の倫理である。日本は戦時中、「応分の場」を獲得しようと試み、そして敗れた。いまや、その方針を放棄することは可能である。なぜなら日本人は、それまで受けてきたさまざまな訓練の積み重ねにより、方針転換に応ずることができるように慣らされているからである。」「露骨な軍事力にもとづいて日本を建設しようとする努力が完全に破綻した以上、今後は平和国家の道を歩まなければならない、というわけである。」