紙の本
「人間喜劇」はまだまだ続く
2021/01/13 21:58
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「人間喜劇」の中から訳者の宮下氏が短編を4つ「グランド・ブルテーシュ奇譚」「ことづて」「ファチーノ・カーネ」「マダム・フィルミアーニ」、評論を1つ「書籍業の現状について」を選んで翻訳している。私はフランス古典文学が好きで、とくに立身出世を目指して汗まみれになっている人間を見事に滑稽に浮き彫りにしてゆくバルザックの作品は私にとってはその頂点と思えるのだが、何せ「人間喜劇」は全部で90編はあるというのだから読破できるのはまだ先の話だろう。私はベネチア貴族がとんでもなかった人生を主人公に語って聞かせる「ファチーノ・カーネ」と妻の浮気に対してとんでもない仕返しをする「グランド・ブルテーシュ奇譚」がいい、妻に夫が言い放つ「あそこにはだれもいないと、きみは十字架にかけて誓ったではないか」という科白が怖い
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なんか私には物足りん!
私の中の人間喜劇的には、正直チョイスがびみょ〜ん…ような、気が。
びみょんでもいい、人間喜劇の新邦訳出すなら、誰か禁治産とかピエール・グラスーとか無神論者のミサとかアルシの代議士(未完)とかを、お願いしますです。
っかいっそ、人間喜劇の完全版全集出して下さいお願いします。
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俺の好きなバルザック作品たちとは毛色がやや違うという印象。
やっぱりバルザックの本領は長編だと思う。
「グランド・ブルテーシュ奇譚」
浮気妻のほうもなかなか肝が据わっているが、こわは旦那がかなりツワモノ。話の本筋はまあベタか。個人的には旦那が死んだ真の理由を想像するのが楽しい。★★★
「ことづて」
いやあ恋愛は素晴らしいですなあ、と素直に思っておけばいいんですかね。★★★
「ファチーノ・カーネ」
事実か、妄想か。自分にとっての真実が、必ずしも他人にとってもそうとは限らないのです。★★★★
「マダム・フィルミアーニ」
いやいや、ここまで純粋だともはやファンタジーでしょ。★★★
「書籍業の現状について」
出版社・取次・書店の無駄なマージン挟みまくりの構造は、昔っからの慣例なんだなあ。★★★
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(2010/01/22購入)(2010/01/24読了)
以前からバルザックを読んでみたかったので。
「グランド・ブルテーシュ奇譚 」
こういう話し好きだ。
ところで、スペイン人青年の死体はそのままなのか?
━━ あそこにはだれもいないと、きみは十字架にかけて誓ったではないか。
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トルコ人にとってアヘンに夢想を求めたように、ヨーロッパ人の想像力は読書が文学に求める感覚的刺激によって育まれるのだ。啓蒙の光が広がり、教育費用の低下、コミュニケーションの高速化といったものが、書物の生産をごく当たり前のことにした。
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暇つぶしにしかならなかった。この作品集に特別の価値があるとは思えない。
ただ、つまらなくはなかった。
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バルザックの本を余り面白いと思って読んだ事は、実はあまりなかった。もったいない事をしていたのかもしれない。そして、宮下訳はいつも期待通りの面白さがある。短編の選び方にもセンスがあると思う。
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『グランド・ブルテーシュ奇譚』という短編ののっけから、
ホラーでぶっとぶような話。
≪人間喜劇≫と解説ではあるけど、どちらかというとトラジティー寄りではないかと思う。
グレート・バルザック。
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バルザックの本を初めて読んだ。5篇の短編集で一番気に入ったのはファチーノカーネかな。それ以外も読み応えはあったけど、エンディングが結構童話集でお決まりのパターンという感じのものが多かった。でも内容の節々に哲学的な要素が含まれていて、マダムフィルミアーニに至ってはかなり特殊な始まり方をしていて私にとって新鮮に感じられた.
一つだけエッセイが載っていた。19世紀のパリの書籍業についてでもっともな批評が書いてあった。
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グランド・ブルテーシュ奇譚
ことづて = Le message|| ファチーノ・カーネ = Facino Cane|| マダム・フィルミアーニ = Madame Firmiani|| 書籍業の現状について = De l'etat actuel de la librarie
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「グランド・ブルテーシュ奇譚」
「ことづて」
「ファチーノ・カーネ」
「マダム・フィルミアーニ」
「書籍業の現状について」
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はじめて読むバルザック。短編だからなのか、読みやすい。語り口が、シャーロックホームズの短編に似てる。19世紀ヨーロッパの共通構造なんでしょうか。
次は長編かな。
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「人間喜劇」から4編を選んで編まれた短編集。訳はラブレーの宮下さん。
とにかく表題作が良いんだけど、どれを読んでもバルザックはやっぱりいいなとしみじみと感じていた。バルザックの皮肉はよい。
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バルザックはやっぱり面白い!
谷間の百合、ゴリオ爺さんの次に読んだこの短編集。
表題作の浮気する妻への夫の復讐の話と、お金の話、ファチーノ・カーネが好き。
素直に読み終わって違和感を覚えたマダム・フィルミアーニはフィルミアーニ夫人は死亡確認書や遺言など、必ず手に入ると信じていたからこその行動なんじゃないかと邪推。それに見事に騙される男達、と見たら面白いんですが…。
是非人間喜劇全てを文庫化してほしい。
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多数の作品から成る『人間喜劇』より厳選された
短編4編+評論「書籍業の現状について」を収録。
「早過ぎた埋葬」(!)系の表題作が猟奇的だが、
それにしても、この時代(19世紀前半)のヨーロッパでは
上流階級の人々が配偶者に隠れて若い恋人とあれやこれや……は
普通のことだったんだろうかと首を傾げる。
きっと珍しくはなかったんだろうな――と思っていたら、
巻末の年譜にバルザック自身の「あれやこれや」が記されていて
笑ってしまった。
未亡人を口説いている最中に
家事を引き受けてくれたメイドさんのような女性と「できちゃって」
いただとか、やりたい放題。
人生の経験値が高ければ、それだけ
様々な人物造形を緻密に行えるテクニックが身に着くだろうけれど、
いやはや何とも(笑)。