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面白かった。著者の体験がかなり反映されてる、ということだったけれども、それが事実ならすさまじい。初恋の相手も、彼らを取り巻く人間関係も、どれをとっても、とりわけ16歳の少年にとっては壮絶だろうと思う。
全てが分かった後に冒頭部分を読むと、ウラジーミルが多感な時期に受けた衝撃の大きさが読み取れるような気がした。
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ロシア文学って、とにかく話がながーいイメージがあったのだけど、これはさくっと読めるという意味でもおすすめ。
昔の恋(10代の時)の思い出を中年になってから振り返るというお話です。
主人公の少年のことも気になるけど、彼が好きになる女の子のことが気になる・・・ そんな小説です。主人公は少年だけど、女性のかたも感情移入できるのでは? これを読んでいたら、好きな相手に振り向いてもらえないもどかしさを感じました。。。
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古典新訳文庫、とても読みやすいです。
他の作品にも手を出してみようかな。
恋の苦しさ、切なさ、楽しさがぐっときました。
憧れのあの人はこっちを見てくれない。そればかりか、
違う人ばかり見ている。
しかもそれが容姿端麗な父親となると、辛いだろうな。
辛くてもひどく甘い記憶となるのだから初恋とは不思議なものなのでしょう。
ジナイーダも苦しい気持ちを抱えていたはず。
妻子ある人と愛しあうこと、しかもその息子は自分を好いている。
鞭で打たれてもそこにキスするくらい好きなんて、相当だ。
恋と死はその気配を感じている間は怯え続けなければいけないけれど、
それが確かなものとなると安心できるもので、似ている。
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古典だしカタイかな?と思いきや、凄く読みやすい。あっという間に読破できました。トゥルゲーネフにしては、社会状況の描写や主義理想もほとんど出てこないし。純粋に恋愛物語を楽しめる小説。
この小説は、まず中学高校時代に一度読んでおき、中年になって読み返すというのが、ベストな読み方ではなかろうか。大学生だと、もうこういう激情に駆られるような恋には縁遠くなるし、かといって愛情とは何ぞや という悟りもない微妙な状況だからなぁ。
内容に関してはとにかくもう、痛々しい初恋の心理が…「あなたしか見えない」的な盲目状態、誰の目にも明らかな熱情、あぁぁぁ痛い痛い痛いーーー読んでて自分の過去に重ねようものなら、もう、拷問だーーーー!! でもそういうふうに、夢中になれるっていうのが青春時代の強さなんだよね、っていうオチに泣いた。
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淡々と語り口で紡がれるある青年の初恋の物語。恋をしたときの舞い上がるような喜び、それと同時に感じる胸をしめつけられるような悩み、苦しみが丁寧に描写されています。この新訳は、古典特有のとっつきにくさをまったく感じさせません。作品のメッセージがすんなりと心に響いてきます。名作&名訳。
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16歳の少年ウラジーミルは、年上の公爵令嬢ジナイーダに、一目で魅せられる。初めての恋にとまどいながらも、思いは燃え上がる。しかしある日、彼女が恋に落ちたことを知る。だが、いったい誰に?初恋の甘く切ないときめきが、主人公の回想で綴られる。作者自身がもっとも愛した傑作。
初恋さえまだな私には、共感なんてできなかったわけですが。
好きな人に思わせぶりな態度をされたら、調子に乗らないようにしなきゃと自制しつつも絶対に更に好きになってしまうし、その好きな人が自分の父と交際していたら間違いなくショックなのだろうと思います。ショック、なんて言葉で済むほど明瞭な感情かは分からないのですが。
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狂おしい初恋の想い出。
初めてのキスのこと。
読んでいて、その時の気持ちが一気に胸に去来した。
ああ懐かしい日々!!
ですます調の文体に少年の素直な気持ちが現れている。
オイラにだって、そんな無垢な心があった!(はずだ)
初恋というのは敗れ去るものなのか、ここでも少年の思いは引き裂かれてしまう。
最後に父親が愛しい彼女をむち打つシーンにゾクゾク。
甘く後ろめたい嫉妬心がオイラの心を支配してしまった。
感銘ポイントが人とは違うようだ。
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ルーシンが好き とても好き
初恋をあの人に挫かれるとは不憫な。でもものすごいロマンを感じる……
とりあえずルーシンが好きです。
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『初恋』/ツルゲーネフ/★★★☆☆/16歳の少年が21歳の女性に恋をする物語。初恋のほろにがさ、恋の辛さの叙述が非常にうまい(視点は16歳の主人公だが、女性の恋の辛さをも描いている)。特に片思いをしてる女の子が誰かに恋をしていると知った時の男の気持ちがめっちゃよくわかる!
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とても読みやすく面白い。
主人公である少年ウラジーミルが、年上の公爵令嬢ジナイーダに恋をするが、単純に事は終わらない。ジナイーダに恋をしている男たちは何人もいたのである。ジナイーダの”お嬢様”的な振る舞いに弄ばれる男たちの姿は滑稽である一方で、理解できるものだった。
そして、複雑な人間関係の果てに主人公が恋とは何かという部分で成長していくのも、この作品の魅力の一つであろう。
また、小説に添えられた解説も面白い。多様な読み方が出来る一冊であると実感した。長い本ではないので、ぜひ一度自分で読んでみてほしい。
最後に気に入った一節を引用する。
「これこそ恋というものなんだ!だれかに打たれたら、それがだれであろうと、どんなに愛しい相手であろうと、頭にきて、我慢できないだろうと思っていたが、本当に相手を愛していれば、我慢できるんだ。それを僕は……僕は勘違いしていた」
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主人公が、かなり偉大。精神的に著しく成長している。彼らが求めた愛は、共にいる生きた時間の中での恋で、かなり素直な恋だったかもしれない。父に向けられる少年の目がさみしい。
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狂ってる。そう唾棄すべき恋だと決めつける人も多いだろう。それは多くの人間がまだ恋を知らないだけなのかもしれない。しかし、これが伝記小説家である作者の『初恋』なのだ!
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「それなのにジナイーダは、猫がネズミをなぶるように、私のことをもてあそぶのです。媚びるような素振りをして私を燃えあがらせ、とろけさせるかと思えば、急にすげなく突っぱねて自分に近づくことも顔を見ることもままならなくするのでした。」
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初恋はその喜びも興奮も、不安も悲しみも全て美しい。優しい自然の描写も相まって、切ない気持ちを掻き立てる。主人公だけでなく、道ならぬ恋に悩む少女の痛みもよく伝わってくる。
伏線の張り方も巧い。
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今年17冊目。初めてロシア文学を読んだ。まぁロシア文学的な要素がなんなのかわからないけどね。内容はまぁありそうな話っちゃ話。文体も特に気になるようなものはなかった。気になったのはあとがきと解説。すっごいほめちぎっていました。あとがきを読んでいて思ったのは、俺は文学としてではなくて小説として読んでいたので、感じ方や観点が違って当然か、ということです。まぁこの2つの種類をどのように分類しているかは僕自身なんとなくですがね。文学は学問っぽくて、小説って言うと娯楽っぽい。前者は何かを分析するけど、後者は、面白いかそうじゃないかっていうのが主眼。けどこの小説はまぁまぁ面白いです。ただ自分的には最後の30頁くらいはいらないかなって思いました。