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言文一致運動を語る上で、欠かせない人物、二葉亭に関する文章で、必ずツルゲーネフが出てくるので、読んでみました。
明治において、どのような感情が行き交っていたのか、理解が及びませんが…これを読んで、二葉亭四迷がキャアキャアしていたのかと思うと、少し微笑ましい。
文体だけで興奮していたわけではないだろう。
燃ゆる愛!切ない恋!
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世の中に「初恋」を題材にした作品は多いが、その多くが「純粋」「淡い」「儚い」といった形容詞で語ることができると思う。なので本作もそのような内容ではないかと勝手に想像していたのだが、一味違っていた。たしかに先に挙げたように表現することもできるかもしれないが、しかしそもそもからして、ウラジーミルとジナイーダの2人の関係性は歪んでいる。告白を受け入れてデートを重ねて、というわけではなく、あくまでも一方的で、ウラジーミルは最後まで弄ばれ続ける。しかし、シチュエーションはともかくとして、こういった非対称的な構造のほうがむしろリアリティを感じるし、かえって今日でもじゅうぶんに通用するような内容になっている。巻末解説によれば、じっさいに著者の経験が如実に反映されているようである。そして、結末もまた印象的。ふたたび冒頭の記述に戻るが、主人公の初恋が実らなかった理由として、相手と実父が繫がっていたからとなる作品は、いったいどれだけあるのだろうか。そういう意味では、この悲劇的で独特な結末こそがなによりも純粋で新しく、いつまでも陳腐さを感じさせない瑞瑞しいものであり、著者にそういう意図はなかっただろうが、こうした状態もまた「初恋」と呼べるかもしれない。
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初々しく揺れる感性。
抑えることのできない感情。
身が引き裂かれるような苦悩。
まさに《初恋》である。
16歳の少年ウラジーミルが
年上の公爵令嬢ジナイーダに抱いた若い恋心は、
トゥルゲーネフの豊かな感性によって巧みに描写されている。
しかし、『初恋』は、単に微笑ましいだけの物語ではない。
ジナイーダはウラジーミルの想いを知りながらも彼を弟のように扱い、
さらにはその父親と恋に落ちるという悲劇的展開をもたらす。
これは本来、
容易に表現することのできない悲劇だが、
その悲劇性を重篤に感じさせない文体には、
どこか甘美さすら漂っているように思える。
ここに一つの違和感が生じる。
ドストエフスキーは『悪霊』のなかで、
旧弊なる知識人の象徴として文士カルマジーノフを登場させ、
そのモデルをトゥルゲーネフとした。
つまり、トゥルゲーネフをある種の枠から出ることのできない、
旧態依然とした作家として批判したのである。
『初恋』を読む限りでは、
その論拠たるのはここにみられる透徹した甘美性、
そこへ留まってしまうことの停滞性にあるのではないかと思われる。
たとえ本作が悲劇だけに主軸を据えたものではないにしても、
悲劇は十二分に悲劇たりえてこそ、
それに関わるテーマをより屹立したものへと昇華させる。
ここにみる《初恋》は、
余りある悲劇性を抜きにした、
ロマンティシズム中心のストーリーとして
語ることのできるものではないだろう。
私個人がペシミストであることを差し引いても、
いささかの不満を拭い去ることは困難であるように思われる。
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本当に初恋は儚くて、切なくて脆いもの。
特にそれが望むべきものではないときには
なおさらだと思います。
多感な時期に一人の年上の女性に恋をし
惚れてしまった一人の青年。
だけれども彼女の心理はなかなか
「見えない」
ようやくつながったように思えても
嫉妬ゆえにそれは遠回りになってしまう。
そして…
私は残念ながら
このような恋をしたことはないです。
だけれども、多感な時期だからこその
心理描写は共感できるものがあります。
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決してなにかこう小説的に優れているかと言われれば、そうでもないと思う。なにやら高尚らしい終わりかたも取ってつけたようだと思うし。
表現をうんぬんとかってより、筆がひとりでに滑ってるみたいな勢い、熱を感じられる。思えば冒頭の2人の紳士のためにノートに書きつづってるんだものなあ、律儀としか言いようがない。
隣に引っ越してきた侯爵夫人。その娘のジナイーダは医者だの詩人だの騎兵だのといった男の一大コレクションといったものを従えて、彼らと蓮っ葉な遊びに興じる。男たちは皆彼女に熱っぽい気持ちを抱いているが、この恋愛ゲームにおいて彼女は常に女王様なのだ。
16歳のウラジーミルも当然のように彼女に熱を上げるが、この「初恋」はまだ子供である彼にとっては甚だ高くつく…。
けど「初恋」とは誰にとっても常に高くつくものなのだ。たぶん。
ウラジミールにとってはこの蓮っ葉な女王様が、誰がために自己を犠牲にするような献身を持っていようとは夢にも思わない。
(初々しいウラジミールの心の動きといったら!)
彼女の意中の人は誰なのか…これは冒頭で既に予想がつく。だけでなく、それにより「この物語がどんな話なのか」という全体像もある程度つかめてしまう。たぶんもっとうまく隠せただろう。
でも逆にその「洗練されなさ」がいみじくもリアルっぽい。うん。どこにでもいるような紳士が昔の印象的な初恋物語をしている…そんな感じだ。
そしてやっぱりあの鞭を振るう場面。あれは頭のなかに残り続けるんだろうと思う。あの場面にまつわる数多の謎も、そのまま。
あれがウラジミールの子供時代の最後の光景になったんじゃなかろうか、と考えてみる。
うん、ビルディングロマンスとしても素敵だと思う。ウラジミールが大人になることで風景が変わっていく……特に、はじめ彼に嘲笑をなげかけたルージンが実はもっとも分別と思いやりを持った大人であることがわかるというような…あーうん、爽やかだな!
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「取れるだけ自分の手でつかめ。人の手に操られるな。自分が自分自らのものであること。人生のの妙趣はつまりそこだよ。」「ああ青春よ、青春よ!お前はどんなことにも、かかずらわない。お前はまるで、この宇宙のあらゆる財宝を、独り占めしているかのようだ」
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にゃんく作『果てしなく暗い闇と黄金にかがやく満月の物語』、『プロトタイプ』の電子出版を記念しまして、どちらかの作品をご購入いただくと(どちらも150円)、最大で図書カード5000円分などがあたるかもしれないという、キャンペーンを現在実施しております!
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☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
『プロトタイプ』より
2113年、早川那津子が老衰で亡くなった。その日から、未來雄はコアラ型のミニロボットのラウとともに、当局の追跡を逃れながら暮らしはじめる。
未來雄は自身の正体を周囲のにんげんに悟られてはならない。それは彼の破滅を意味する。
そしてはじめての恋。未來雄は愛する女性を捨て身でまもろうとする。しかし彼にはその体に、逃れようのない詛いのような刻印がきざまれているのだった……。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
『初恋』トゥルゲーネフ
侯爵令嬢ジナイーダ(21歳)の自由奔放なかわいらしさ。
十六歳の主人公ウラジーミルは、ジナイーダに首ったけ。彼女の命令なら4mの高さの塀からも飛び降ります(たとえ火のなか水のなか)。
しかしジナイーダは恋をしていた。そのお相手は……。
文章が詩的でうつくしく、名作といわれるのも頷けます。
…が、現代小説を読み慣れた読者からすると、物足りない感があるかもしれません。
古典文学のかおりに触れてみたいときに読む一冊でしょうか。
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ロシア留学前、何か読んでおこうと手にとったのが本書。初恋だったらテーマ的に学生でもわかりやすいし、何より短い。苦笑
沼野先生の訳文にうっとり。
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貴女に恋をした日のことを、僕はずっと忘れない。
甘酸っぱい。まさに、初恋。宝塚で舞台するというから読んでみたけれど、なんというかもう恋するウラジーミルのトキメキがむずむずする。お父さんもかっこいいし。ジナイーダも、奔放で勝手ですが魅力的。
過去を振り返っている、という設定がまた憎い。これが現在進行形の話だったら、若造め! となりそうだけど、主人公と一緒に振り返るから、若い頃の甘美な思い出として、あの若かった頃は、と共感できる。
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少年ウラジーミルは隣に引越してきた年上の美しい女性ジナイーダに恋心を抱く。しかし彼女は自身に好意を寄せる何人もの男たちを家に集めては、いいようにあしらい楽しんでいた。そんな彼女の型破りな言動に驚きつつもウラジーミルの想いは募る一方。しかし、ある日を境に彼女の様子が一変する。ツルゲーネフの半自伝的恋愛小説。
恋は盲目というように、好きという気持ちが湧いてしまうと許されない恋だとしても止まらない。辛くても苦しくても、会えるその一瞬に幸せを感じる。そんな切ない恋を経験する者と、目の当たりにする者。好きになった相手だからこそ、微妙な変化には良くも悪くも敏感に気付いてしまう苦さがよく描かれている。
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題名そのまま、甘酸っぱい初恋物語でした。こういうのを全力で面白いと思える人は、心が豊かなんでしょうね。私には正直ちょっと物足りなかったです。まあ、面白かったけど…、すごく綺麗で、瑞々しくて、心が洗われるような気がしました。
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16歳の少年ウラジーミルは、年上の公爵令嬢ジナイーダに、一目で魅せられる。初めての恋にとまどいながらも、思いは燃え上がる。しかしある日、彼女が恋に落ちたことを知る。だが、いったい誰に?初恋の甘く切ないときめきが、主人公の回想で綴られる。作者自身がもっとも愛した傑作。
わりかしドロドロしているなぁと思う。
ロシア人名はなかなか頭に定着してこないのは自分だけだろうか。それでも恋心を抱く健気なウラジーミルを見ていると自分もこんなにも純粋に恋をしていた時があったのかなと自分を振り返ってしまう。
読んでいて懐かしく感じる感覚は自分自身とダブらせている所を探しているのかもしれない。
それでもジナイーダみたいな娘には恋をしないと思う。
ジナイーダは美しいは正義と当たり前に言ってのけてしまいそう。
話の展開が読めてしまった事には少々残念。
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(2006/10/5)
書店で新訳が出ているのを発見して,衝動的に買ってよんでみた.
なんか,ドラマ「マイボスマイヒーロー」の中で主人公が読んでいて,気になったのだ.
ドストエフスキーとか,いわゆる名作古典ものって実は僕あんまりよんでいません.
訳者に凄く依存するので,なんか結果的にちょっとストレートじゃない文章になるのが微妙で~.
あと地理的,文化的,時代背景を共有できなくてわかんなかったり.
本作は,まさにタイトルそのまんまってかんじなんですが,
主人公が恋して夢中になってる描写がなかなかリアル.しかし,途中から相手の女の子が誰か別の人を好きになるんで「相手はだれだ??」って感じになるんですが,バレバレで,はっきりいって序盤でオチがわかってしまうという・・・.
まあ,そのへんが古典たるゆえんなんでしょうか.
久しぶりに文学をよみました.
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読後、私より先に読み終えた父から「カルピスみたいな味やと思ったやろう、どぶろくやで。」と名言を頂いた。
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ひさしぶりに読んださ。高校生以来だわ。
すごい読みやすくなっててびっくりした。
初恋って、すごい一方通行の恋。
お父さんの「人間に自由を与えてくれるもの~」のセリフ素敵よね。