紙の本
シェイクスピア劇の醍醐味
2011/02/27 11:25
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:K・I - この投稿者のレビュー一覧を見る
『ヴェニスの商人』を読んだ。
いつもはシェイクスピアはちくま文庫の松岡和子訳で読んでいるのだが、図書館になかったので、光文社古典新訳文庫の安西徹雄訳で読んだ。
ふとしたときに、「あ、あの本を読もう」と思い、2,3日のうちに読める今の図書館のシステムはありがたい。
『ヴェニスの商人』といえば、「借金が返せなかったら、肉1ポンドを切り取る」という内容が有名だが、それだけでなく豊かに肉付けされた登場人物たちが出てくるいかにもシェイクスピアらしい劇だった。
気の強い女性が口八丁で男をたじたじとさせる場面もシェイクスピア劇によく出てくる場面であり、それは今回も楽しめた。
解説も詳しくてよかったが、もうちょっと、キリスト教とユダヤ教という宗教面から見た『ヴェニスの商人』についての文章を読みたくなった。
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古典的な台本劇。
途上人物多すぎで、パニックになること請け合い。
合間合間の小話が面白い。
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肉片1ポンド」の話はよく知ってたけど、結婚の話がメインになってるとは知らんかったなぁ。
3つの箱の話は別のものだと思ってた。
それぞれの話を独立させても成り立つほど完成度が高いってことなのでしょうかね。
それにしてもバサーニオはそもそもなんでそんなに金がないのかが気になる。
ユダヤ人を悪人にする感覚がアジア人の自分にはイマイチつかめん。解題では単なる悪人にしていないところがシェイクスピアの深みらしい。なるほど。
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2007.09.20
以下あとがきより
>外面的な行動から人物の内面へという、作者の関心の移動という現象は、 〜中略〜 結果的に、作品全体を支えるヴィジョンの複眼化、立体視化を生み出しているという点である。つまり、すべてが主役の単一の視点によって統括されるのではなく、複数の人物がそれぞれに作者(ひいては観客)の共感を誘引し、それぞれ多様な視点を打ち出すことを通じて、作品全体が、複眼的なパースペクティブを構成するという結果がもたらされていることだ。
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面白い!ぜひとも舞台で見てみたいです。
主人公いいやつすぎるよ、慕われてるし。
そしてユダヤ人の強欲さぶりに乾杯w
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古典って差別用語が多いのねぇ〜
金、銀、鉛の箱を選んで婿を決めるというのは
童話『金の斧、銀の斧』を思い出してしまいました。
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これはすごいぜ。面白いぜ。
名台詞も多く、ユダヤ人金貸しシャイロックはあまりに有名なこの作品。
主人公は商人アントーニオなんだよね?多分・・。
お姫様が求婚者に箱を選ばせたり、ちょっとかぐや姫的な展開もありつつ。
とにかく主人公とその親友ふたりの友情が濃い。
何かの論文読んだとき、アントーニオはバサーニオへの執着が、シャイロックは金への執着があまりに強すぎて主人公にはなれない、みたいなことが書かれていて、ああそういう分析もできるんだな、と思った次第です。
これたぶんアントーニオとバサーニオのホモセクシュアル的な分析とかもいける作品だよね。
ポーシャとの指輪をアントーニオのために渡してしまうとか、格好の小道具も場面もぱっと思いつくだけでも揃ってる。お金が性の代替品とか?いややらないけど。
この作品がいいなあ、と思うのは、王道を行ってくれるところ。
お姫様ポーシャが少年に扮して裁判官をやるシーンとか爽快すぎるよ。
シェイクスピア作品の中でもかなり好きなヒロインに入ります。
まあやっぱりスルーできない存在感のユダヤ人シャイロック。
これって当時のピューリタンの像にも重なるらしいね。金貸し。偽善的。口うるさい。
でもやっぱり気になるんだよね。もしかして本当にこの物語の「前」にこそ、シャイロックの物語があるんじゃないかって。
ユダヤ人だからって差別を受けて、そのなかでも努力してはいあがってきたシャイロックという男の物語があるからこそ、ここまでシャイロックはアントーニオを憎むんじゃないかなって。
悪役にもバックグラウンドがあるのがシェイクスピアのイイトコロ。
最後やっぱりアントーニオの財産無事でした、はご都合主義すぎてびっくりしたけどね。さすがに。
シャイロックのことを考えると、アントーニオたちが完全に正義なのかどうなのかとかわからなくなるのもまたこの作品の魅力です。面白い。
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中世ヨーロッパにおけるユダヤ人の存在を知りたくて読んでみた。けど知識不足からか、本当に法律で決められているのかユダヤ人だから差別されているのかなんだかよく分からなかった。
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■目的
古典を読む。
■見たもの・感じたもの(テーマ)
ストーリーは喜劇。
暗にあるテーマは、「ユダヤ人迫害・人種差別の歴史」、「個人の尊厳・女性の地位向上」。
■感想
当時の人々は、どのような思いでこの劇を観たのでしょうね。
舞台で繰り広げられるドタバタ劇に、大衆は笑いを交え楽しんだだけなのでしょうか。それもまた皮肉なものですね。
こんな一節があります。
「(中略)「愚かなる大衆」の意味ではないのか?愚かしくも、ただ目に見える外見以上は知ろうともせず、内実をさぐろうともせぬのが大衆。」(P90)
観劇しながら高笑いをしている人に鏡をかざしている、そんなシェイクスピアの意図を感じました。まぁ、これは風刺好みの私の希望的見方なのですが。
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古い訳で読んだせいか、話の筋がわかり辛かった。
おそらく大学の講義で使われなかったら、読もうとは思わなかった作品。
解説を聞いてちょっと理解すると、なかなか面白かった。
今度は新訳で読み直したい。
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友人のために悪徳金貸しから
自分の肉1ポンドを担保にお金を借りた主人公。
最後にキレイおさまる結末など
1時間くらいで読めるのに濃密な内容。
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アントニオもバサーニオもかっこいいよ。でも、僕はどうしてもシャイロックの視点が気になってしまうんだな。
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光文社新訳は読みやすいけど、どこまで原文と乖離しているんだろ・・・・。そんなことは考えず、読みますか(笑)
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シェイクスピアの作品のごった煮な感じが
いつも気になっていたのだけど、この本の解説で
彼が自分の劇団を束ね経営者としての役割も果たす傍らで
役者一人一人の顔を想像しながら脚本を作成していたという
意見があり、なるほどと納得した。
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裕福な貴婦人ポーシャへの恋に悩む友人のため、貿易商アントニオはユダヤ人高利貸しのシャイロックから借金をしてしまう。担保は自身の肉1ポンド。商船が難破し全財産を失ったアントニオに、シャイロックはあくまでも証文どおりでの返済を迫るのだが・・・。夫の友人の危機を知ったポーシャは、少年の姿に扮して彼らの前に現れる。
シェイクスピアは悲劇で有名ですが、私は喜劇の方が好きです。やっぱりすかっと悪役が倒された方が読了感がいい。法律にしばられていては実際に懲らしめられるべき人が罰を受けないっていうのは、現代日本にも通じるところが多々あると感じます。正直自分自身がそれで報われない目にあったこともあるから余計に法律を信じられないっていうのもありますが。ポーシャみたいに機転をきかせられるような人が裁判官だったら素敵なのにね。