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紙の本
こだまが欲しかった本当の理由
2010/01/13 11:53
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トマト館 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大きくなってみると、
小さい頃にわからなかったことや、
思い込んでいたことが、
いろんな見方ができるようになる。
聞けなかったことが、
時間の経過ですんなり聞けたりする。
そして、突然、
まざまざとよみがえってくる小さい頃の記憶。
大人になって、ちがう見方を知ってしまったとしても、
小さい頃の、無知で、
でもバカにかんがいい少女たちに、
「純粋なこども」をえがいた作品よりも、
ぐっと共感できました。
一番最後の話「特急こだま東海道線を走る」は、
女の子がこだまを欲しがる話で、
彼女は別にこだまが好きなのではなく、
3歳10ヶ月なりの精一杯の理由で、
こだまを親にねだります。
その姿に、ちょっと泣きそうになりました。
ちがうもんちがうもんちがうもん、
それ以外の言葉がでてこずに、
歯をくいしばっていた小さい自分の肩を、
そっと抱いてあげたくなる本です。
電子書籍
ちがったよ!
2017/03/12 14:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙が滑稽だったので、なんか軽めの面白本だとおもったら、違った。また外したよ、、子供の時の思い出いろいろをベースにした短編集。姫野さん、敏感で暗い面を察する子どもだったのね。察しはするんだけど当時の力じゃその内容を完全に把握できず、もやもやを大人になるまでひきずり、大人になって解決している。「そういうことだったのか」と。能天気な子ではなかったんだな。ひとつやふたつ、大人の謎に惑わされ「あれどういうことよ?」と思ったことあるけれど、ここまでは。強い感受性を持ち続けたからこそ作家になったんだろうな、姫野さん。
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