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“しかし、その予想は覆された。誰もが引くと思っていた場面で、神庭は思い切り前に出たのである。元々、筋肉研究部をネタにして笑うという行為自体があまり褒められたものではなかった。大半の生徒はそれを頭の片隅では理解しているので、御神楽の言葉に笑いながらも罪悪感はどこかにあったはずである。
そこに来て、神庭の思い切った一言。そこまで面白い発言でなくても、暗い嘲笑よりずっと気持ちよく笑える。あいつはどんな計算は一切していなかっただろうが、あれで神庭は心情的に「良い人」の立場に立った。……チャンスだっ。
ここで生徒会長としての力量もプラス評価がつけば、流れは神庭に大きく傾く可能性が高い。
仕掛けるか。
刈谷はほくそ笑む。ふと、九重が楽しそうに廊下を駆け抜けていくのが見えた。”
御神楽さんがやっぱり怖い。
果たして、生徒会長に就任するのは神庭幸宏か、御神楽あやめか。
前から思ってたけど、どうして筋肉の描写はこうも細かいのか。
“「(中略)それでも僕はこの世界に生きていて、この世界を好きでいたいんだよ」
「……いいわね。そう思えるなんて」
「御神楽さんだって、そう思えるよ」
「嘘」
「本当だよ」
そう言って、幸宏はマイクのスイッチを入れた。
「だって、みんなそれぞれ違っていて、それで良いんだから」
そして御神楽のことを待つ。彼女はしばらく俯いていたが、ついにマイクのスイッチを入れた。
「そうであったら、素晴らしいんでしょうね」
それから二人同時に頭を下げ、生徒会長候補の最終演説は終わった。”
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幸宏が生徒会長選挙に出馬!御神楽が本性を表し立ちはだかる
。ゆうこたちのバックアップと水戸野が予想外の活躍?遊佐は凡人と自覚しつつ全てを見ている?
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駆け抜ける青春! と言った感じの本シリーズですが、今回はやや抑え目です。
なんと階段レースがほとんどありません!
階段レースの代わり?に提供されているのは生徒会選挙。主人公・神庭がいつにもまして活躍します。
個人的に印象に残ったのは遊佐の主人公でない在り方ですが、これは是非とも読んで欲しいです。
読めば走り出したくなること請け合いの本シリーズ、オススメです。
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それは逆に、彼女が父親を過小評価しているのよね。
人間だもの、主観がどうしても先に来る。
それをわかった上でどうするかというのと、主観で見ている自分を認めないのとは大きく違う。