紙の本
自伝的小説
2023/06/23 20:26
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投稿者:みみりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
あすなろ物語=「あすは檜になろう物語」である。
井上靖の自伝的小説と言われています。
主人公・梶鮎太の少年期から成人後までを描く成長物語。
もし私が自伝を書くとしたら、何が書けるのか。
成長しているのかなぁ・・・・・・
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明日は檜になろうと一生懸命考えている木。でも一生檜にはなれない、だから「あすなろうの木」というのだ。この言葉が今も心に残っています。そしてずっと忘れないでいきたい一冊です。
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第29回: 井上靖 『あすなろ物語』
http://ameblo.jp/pippu-t-takenoki/entry-10004124442.html
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あすなろは明日ひのきになろうとするのだけど,なることができない,というフレーズが印象的であった.それをテーマに明日はひのきになろうとする少年の成長を描いた物語.作者の人生を垣間見ることができるのも楽しい.
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宮本輝が「これに出会わなかったら小説家にならなかった」と言うので読んだ。あすは何者かになろう。翌檜。
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檜になりたくても決してなれないあすなろの木のように、「あすなろう」ともがく人の姿が淡々と綴られ、決して他人事とは考えられません。人への深い想いを感じます。名作です。
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あすなろ物語。あすなろの意味がこの本を読んで分かった。
時代が過ぎるとともにでてくるあすなろたちがやけに輝かしかった。
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来年で生誕百年になる井上靖の自伝的小説。明日は檜になろうなろうとして結局なれない翌檜(あすなろう)の木に、主人公の姿を投影する。檜になる前に、まず翌檜にならないとなぁ…
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主人公が出会う人々はみな印象的で、魅力的で、彼らが主人公に、檜になるための栄養を送り続けていてくれたのだと思う。本当に読みやすいし、面白かった。
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『あすなろ』ってどういう意味か知ってる?っていいたくなる。ひねくれてなくていい。2006.10月図書館
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『しろばんば』とこの『あすなろ物語』は、
初めて本に出会ったと感じたもの。
中学一年の時に読み、同じ年の主人公に感情移入した。
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天城の南麓、梶鮎太は祖母のりょうと土豪で暮らしていた。少年時代、青年時代、新聞記者となり戦争を体験し壮年時代へと…主人公、鮎太の成長と共に綴られた六つの物語。
“檜になろう、あすは檜になろうと念願しながら、ついに檜になれない翌檜(あすなろ)の逸話”が軸となる。
最も印象深かったのが、鮎太が青年時代に想いを寄せていた佐分利信子夫人の言葉。
「貴方は翌檜でさえないじゃあありませんか。翌檜は、一生懸命に明日は檜になろうと思っているでしょう。」
明日は檜に、と願いながらついに檜になれなかった翌檜を、悲しく思うのと同時に、愛しく思う。あすなろのように、明日に向かって精一杯生きたい。
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著者の自伝的小説。読みやすかった。「明日は檜になりたい」という「翌檜(あすなろ)」の言葉の意味を初めて知った。劣等感や女性への憧れなどを素直に吐露しているが、さっぱりとさわやかな印象があった。登場人物それぞれをあすなろにみなしていくが、一口にあすなろといっても、どんな檜をめざしているか、どのようにして檜になりたいか、は様々だと思った。氏の他の著作も読んでみたい。
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『「あすは檜になろう、あすは檜になろうと一生懸命考えている木よ。でも、永久に檜にはなれないんだって!それであすなろうと言うのよ」と多少の軽蔑をこめて説明してくれたことが、その時の彼女のきらきらした眼と一緒に思い出されて来た。・・・この二人の死を超えて行かねばならない。己に克って人生を歩んで行かねばならない。中学に入って、沢山本を読まねばならない。そんないろんな昂ぶった感情が入り混じって、いっせいに鮎太の心から噴き出し、それが鮎太をそこに棒立ちにさせていた。』
主人公の幼年時代から壮年に至るまでの、人生の6つのシーンを、さっと切り取って見せたような小説。
6つの短編は時系列に並んではいるのだが、必ずしも連続してはいないし、脇役も変わっていく。
タイトルにもある「あすなろ」だが、主人公の鮎太というより、彼の周囲の者たち(たとえば大沢、佐山、熊さんら、舞台を降りた人たち)にその逸話がよせられているように思う。
簡潔で、端正な言葉遣い、淡々とした印象の筆致だが、どこかぴん、と張り詰めた感じを受ける。
それは、二つの戦争という時代設定のせいかもしれないし、慎重に選ばれた台詞のせいかもしれない。台詞が少ないというわけではないのだが、彼らはもっと饒舌に喋っているに違いない、その中で鮎太の心に響いたものだけが活字になっているに違いない、と思わせるものがある。台詞の一つ一つが、よくよくの吟味の上でポンと投げ出されたように、鮮やかに飛び込んでくる。
鮮やかといえば、この物語では、主人公以上に各編に登場する女性たちに存在感がある。
全体にセピア色の物語世界の中で、彼女たちだけには色がある。とりわけ、いきなり「明らかに敵意のこもった」様子で冒頭登場する冴子と、物語にさらりと幕をおろすオシゲの、奔放かつ必死な生き様が鮮やか。
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井上靖の自伝的作品の一つ。伊豆の少年時代から大阪の新聞記者時代まで。情が深くさびしくて強い、井上靖氏の描く女性がとても魅力的。当時の男性というのは、もっといばってて女性を軽く扱っていたように想像するのだけど、主人公には、井上靖さんにはそういうところがなくて好感がもてます。