紙の本
あすは檜になろう
2018/08/13 09:08
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投稿者:なっち - この投稿者のレビュー一覧を見る
どの時代でも、若者は未来に希望を抱いています。
明日こそは檜になりたい。
日中戦争や太平洋戦争にかけて、主人公(自伝的小説の作者自身?)の少年期から壮年期までの成長が描かれていて、物語のエキサイティングな山場があるわけではありませんが、一気に読んでしまいました。
「・・・あすなろうは一人もいなかった。誰もがただ暗い戦争が終るのを待つだけの絶望的な毎日を送っていた。」
戦争の悲惨さを表したこの一文が印象的でした。
紙の本
あすなろ
2002/07/16 20:45
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投稿者:アセローラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
鮎太という人間の少年時代から新聞記者になるまでの物語。6章に分かれているのですが、それぞれに女性が登場します。鮎太の成長というのも読んでいて楽しかったのですが、それぞれの女性たちが魅力的でその点がこの作品を鮮やかに見せていると思います。あすなろになろうとしてなれない人間のせつなさが意地らしく感じられる作品です。
紙の本
ASUNARO
2000/12/30 23:35
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投稿者:katokt - この投稿者のレビュー一覧を見る
『希望の国のエクソダス』村上龍に出てくるASUNAROをみてたら無性にこちらの話が懐かしくなって手に取った。
孤独というのではないけど、なんていうんだろう、どこか第三者的な感覚がつきまとってはなれない。疎外感とでもいったようないつまでも自分の物にはならないような感覚が全編を貫いている。それにしても放り投げだされたように終るラストは、昔はものたりなかったような気もしたけれど、今読むとすがすがしくさえある。
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明日は檜になろうと一生懸命考えている木。でも一生檜にはなれない、だから「あすなろうの木」というのだ。この言葉が今も心に残っています。そしてずっと忘れないでいきたい一冊です。
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第29回: 井上靖 『あすなろ物語』
http://ameblo.jp/pippu-t-takenoki/entry-10004124442.html
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あすなろは明日ひのきになろうとするのだけど,なることができない,というフレーズが印象的であった.それをテーマに明日はひのきになろうとする少年の成長を描いた物語.作者の人生を垣間見ることができるのも楽しい.
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宮本輝が「これに出会わなかったら小説家にならなかった」と言うので読んだ。あすは何者かになろう。翌檜。
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檜になりたくても決してなれないあすなろの木のように、「あすなろう」ともがく人の姿が淡々と綴られ、決して他人事とは考えられません。人への深い想いを感じます。名作です。
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あすなろ物語。あすなろの意味がこの本を読んで分かった。
時代が過ぎるとともにでてくるあすなろたちがやけに輝かしかった。
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来年で生誕百年になる井上靖の自伝的小説。明日は檜になろうなろうとして結局なれない翌檜(あすなろう)の木に、主人公の姿を投影する。檜になる前に、まず翌檜にならないとなぁ…
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主人公が出会う人々はみな印象的で、魅力的で、彼らが主人公に、檜になるための栄養を送り続けていてくれたのだと思う。本当に読みやすいし、面白かった。
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『あすなろ』ってどういう意味か知ってる?っていいたくなる。ひねくれてなくていい。2006.10月図書館
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『しろばんば』とこの『あすなろ物語』は、
初めて本に出会ったと感じたもの。
中学一年の時に読み、同じ年の主人公に感情移入した。
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天城の南麓、梶鮎太は祖母のりょうと土豪で暮らしていた。少年時代、青年時代、新聞記者となり戦争を体験し壮年時代へと…主人公、鮎太の成長と共に綴られた六つの物語。
“檜になろう、あすは檜になろうと念願しながら、ついに檜になれない翌檜(あすなろ)の逸話”が軸となる。
最も印象深かったのが、鮎太が青年時代に想いを寄せていた佐分利信子夫人の言葉。
「貴方は翌檜でさえないじゃあありませんか。翌檜は、一生懸命に明日は檜になろうと思っているでしょう。」
明日は檜に、と願いながらついに檜になれなかった翌檜を、悲しく思うのと同時に、愛しく思う。あすなろのように、明日に向かって精一杯生きたい。
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著者の自伝的小説。読みやすかった。「明日は檜になりたい」という「翌檜(あすなろ)」の言葉の意味を初めて知った。劣等感や女性への憧れなどを素直に吐露しているが、さっぱりとさわやかな印象があった。登場人物それぞれをあすなろにみなしていくが、一口にあすなろといっても、どんな檜をめざしているか、どのようにして檜になりたいか、は様々だと思った。氏の他の著作も読んでみたい。