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日本堤と墨田堤を保全するための策とは、小名木川開削の裏事情は。などなど興味深くて面白い本。一気に読み終えてしまった。地形から読み解く歴史の面白さ。
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国土交通省のダム担当職員として日本中の地形を実地で調査した著者が、従来の人文的な歴史観とはまったく違う観点から、歴史の謎に迫る。歴史に対する固定観念を無くして地形からくる必然性に目をつけたのは新鮮。歴史というのは文献や遺跡などを辿っても、「何が起きたか」は分かっても「なぜそうしたのか」は推測の域を出ないが、著者は「地形」に着目し、調査することで「そうせざるを得ない理由」を探ろうとしている。織田信長が比叡山延暦寺を焼き払い、僧兵を虐殺した理由を、彼の残虐な性状に求めるのでは無く、比叡山の位置が大坂、京を治める為にはどういう意味を持っていたのか、から読み解こうとする。その試みは高い説得力を持っているように思う。源頼朝が鎌倉に、徳川家康が江戸に幕府を置いた理由について、これほど腹に落ちる説明はかつて無かったかもしれない。面白い。
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土木出身の著者が、地形、気候、インフラの視点から、様々な歴史的な事件に新しい解釈を与えています。
著者の自然科学の視点によるアプローチは面白く、またデータを用いて分かりやすく理論を展開しているため、読んでいてどんどん引き込まれていきました。
人文社会科学と組合せることによる可能性を大いに感じました。
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他の方のレビューにあるように,話の展開にちょっと強引なところがありますが,資料や経験談には説得力があります。中学生の歴史の勉強に出てくるような重要な出来事が取り上げられているので,多くの人が楽しく読めると思います。
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ひどい。
タイトルの通り、日本史のいくつかの事例を地形の観点から新たな解釈を提示するというもの。著者は国土交通省で局長まで務めた人。
最初の1つ2つは、なるほど、というものもあるが、だんだん論拠が本人の思い込みになっていく。最後の方「福岡はなぜ巨大都市になったか」に至っては「地の利水の利はないが人の利はあったから」って説明になってない!
なんでこんな本にY老氏が推薦帯だすのか・・・
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たまたま書店徘徊中に手に取った文庫。
読むとあまりに面白かったので、思わず朝礼で紹介してしまいました。
建設行政でダム現場中心に仕事に携わってきた著者が、地形面から歴史の出来事を考察。
特に「第5章 半蔵門は本当に裏門だったのか」は、江戸古地図を見せられると『ほんとだ!』と思えてしまい、「第8章 四十七士はなぜ泉岳寺に埋葬されたか」で、一度見に行ってみたくなりました。
答えが正しいかそうでないかということは置いといて、やっぱり、いろんな側面から、いろんな観点から物事を考えることが新しいものを生み出せるものなのですね。
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地形、土木的というレンズを通して、日本史を見ている作品。非常に面白い。
忠臣蔵の話が秀逸。徳川と吉良を矢作川に対する権利の優劣関係まで遡ってから、紐解いた納得性の高い見解。
地名に隠されている秘密を少し考えてみようと思う。
あと、農耕と狩猟との比較。聖書にも、農耕が狩猟を殺すと書かれていた。
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視点が新鮮で読み物として面白いところはあります。でも、この人余り歴史に詳しくないなと感じるところや、同じフレーズを繰り返したり、強引なところもあります。もっと、専門のインフラ目線で語ればいいのに。
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竹村光太郎さんの本です。題名を見た瞬間にビビッと来て思わず購入してしまいました。
歴史の教科書に載っている偉人たちの業績、その時の目的は想像でしかわからないものが沢山あります。なぜ徳川家康は関東に江戸幕府をひらいたのか。本当だった京都、名古屋に引き返すこともできたのに、なぜわざわざ埋め立てをしてまで江戸、東京で政治を行ったのか。
そんな歴史の謎をストンと腑に落ちるように鮮やかに考察を加えています。竹村さんは元は建設省、今の国土交通省でダム工事などを行ってきた生粋の技術者です。その中でも、現場で実際の山や川と対峙してくただけに、地形や天候など自然領域への理解があります。題名にもあるように、考察のキーワードはすべて「地形」にヒントを受けています。世の中を物理的に捉え、その基礎となるものを地形、天候といった自然に解決の糸口を得て、歴史を解釈した斬新なものです。
私も建築や都市を扱う仕事ですが、そんなふうに世の中、特に歴史を見てこれなかったことに恥ずかしさを覚えました。歴史、地形好きには是非読んでほしい一冊です。
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日本史を地形的な観点から分析し、検証する、独自の考え方。
今まであまり歴史学について、分析、検証の過程を知る機会が少なかったが、例えば、安藤広重の東海道五十三次の浮世絵から地形を読みとり、そこから分析するなど、考え方がとても参考になった。
確かに残っている資料が少ないため、そのように分析するのだが、あまりこのような分野にふれていない自分としては、新鮮だった。
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謎に対して自分の説を立てて
それを論理歴に根拠づけていくってこういうことなんだなぁと単純に実感しました。
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人文学ではなく、地政学から見た日本史検証。 湿地だった関東平野。家康が初めて、江戸〜現在まで続く、水と地形との戦いの歴史。 現在その地に住まう者として、知って置くべき変遷があった。 また、比叡山の京との地政的な守護関係。 『征夷大将軍』の役職が意味する、わが国の農耕民側の狩猟民側への迫害の歴史。 など、立体的に見ると史実もまた印象が違って見える。
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先に【文明・文化篇】を読み、その後に読了。
北海道の話題があった【文明・文化篇】に比べると興味のボルテージが若干低下してしまったのは否めない。
ただ、地形の切り口から考察する手法は面白い。
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地形から考察する日本史という視点が新鮮で面白かった。赤穂浪士のクダリなどはネタとして語るには絶好だろう。
ただ、徐々に強引になるというか、思い込んだらそれしかないという断定的な物言いが鼻についてくる。歴史は”現在”からみた解釈、いろんな見方があっていいんだから。
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養老孟司氏、推薦! 荒俣宏氏、推薦!
河川行政に長年携わり、日本全国の「地形」を熟知する著者が、歴史の専門家にはない独自の視点(=インフラからの視点)で日本史のさまざまな謎を解き明かしていく。
◎なぜ京都が都になったか──都市繁栄の絶対条件
◎元寇が失敗に終わった本当の理由とは何か──日本の危機を救った「泥の土地」
◎なぜ信長は比叡山延暦寺を焼き討ちしたか──地形が示すその本当の理由
◎関ヶ原勝利後、なぜ家康はすぐ江戸に戻ったか──巨大な敵とのもう一つの戦い
◎赤穂浪士の討ち入りはなぜ成功したか──徳川幕府百年の復讐
◎なぜ吉原遊郭は移転したのか──ある江戸治水物語
◎なぜ江戸無血開城が実現したか──船が形成した日本人の一体感「地形」を見直すと、まったく新しい歴史が見えてくる!
歴史に対する固定観念がひっくり返る知的興奮と、ミステリーの謎解きのような快感を同時に味わえる1冊。
『土地の文明』『幸運な文明』を改題し、再編集。