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https://www.facebook.com/mitsuhiro.iwata/posts/593577094046341
平成25年11月26日読了。頭の中でビョーク主演のミュージカル映画『ダンサーインザダーク』がシンクロする。
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大阪二児置き去り死事件の母親について,社会的そして臨床的視点から掘り下げたもの。
カテゴリカルな診断の弊害を強く感じた。
裁判というのは個々人の事情を十分に酌んだ上でなされていくものであるべきで,他者視点から見ていっても何も分からない。
そういう意味で,診断至上主義は国の維持には寄与するかもしれないけれど,何の解決にもならないんだろうなあ。
人を批判するのは容易。
でも,他人がそうせざるをえなかった状況や状態を考えていくのが,「生きる」ってことなんじゃないだろうか。
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友人Nちんのレビューを見て読んでみました。
第3者の視点からの偏りのないルポでとても読みやすかった。
この事件はセンセーショナルに取り上げられ、風俗店勤務の母親がさんざん糾弾されたので3年経った今も覚えている人は多いでしょう。
事件の背景を読み解いていくと、裁かれるべきなのは本当にこの母親だけなのか切ない気持ちが残ります。
世の中には救いを求めたくても、声をあげることも知らないままに貧困や孤独と戦っているシングルマザーたちがたくさんいます。
彼女たちを愚かだと非難するのではなく、寄り添い導ける社会にするために何ができるのだろう?
そんなことが重く心に響いた一冊でした。
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女性が、いったん母となったが最後、社会からはたくさんの規範が押し付けられる。その規範は、本人の心の中にも内面化されていて、逃れることが困難だ。この本に出てくる人には、生い立ちの影響で社会を全く信じられない状況もあって、最悪の結末となった。
けれど、読了して思うのは、ここまではいかない母と子の「ヒヤリ・ハッと」はたくさんあり得て、誰でも当事者や家族や友人、同僚などとして関わる可能性があるということだ。
「ヒヤリ・ハッと」で済まなくなってしまうと、途端に、母が女性労働者であることから、貧困の問題が立ち現れ、その貧困が社会的繋がりの希薄さとマッチポンプ状態で加速する。
これは、個人の資質や努力を超えた社会の問題で、少しずつ手を変え品を変えながら誰にも降りかかることなのだろう。運の悪さの組み合わせ、いかんによって。
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この事件のような虐待は特異ではあるが、虐待は意外にそこらじゅうにあるらしい。
この事件と比較したらまだましな虐待を受けてきた人々がどうなっていくか、どう関わればいいかを考えるきっかけになります。
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2010年、大阪で幼い我が子をマンションに閉じ込めて餓死させた母親が逮捕される。さらに衝撃的だったのは、この母親が子どもを放置したまま、平然と50日間男友達と遊んでいたことだ。
加害者は小さい頃から親の愛情を受けずに育ち、育児についても誰の協力も得られず、孤立していた。母親の愛情をほとんど知らない彼女だから、逆に母親であろうと自分を追い込む傾向があった。その一方で、考えることを放棄してしまう精神的な未熟さを持っていた。
とはいえ、彼女の犯した罪は許されることではない。本書を読んでも彼女に同情する気はおこらない。彼女へ下された懲役30年は妥当だ。しかし、幼い我が子を彼女に押し付けて、離婚を決定した彼女の父親と夫家族に嫌悪感だけはわいてくる。彼らは人的援助も経済援助もせず、彼女だけで育児ができると本気で思ったのだろうか。
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一旦つらくなって読むのを止めたので2ヶ月くらいかかった。
大阪で起きたネグレクトによって幼子2人を餓死させた母親のルポ。
社会的保護も受けず、身内に頼る術もなく、行き詰まった母親がとった行動は風俗の仕事をしながら恋愛に走ること。
常識的に考えて「あり得ない」事件だけど、母親を無条件に責める気持ちは持てなくなった。
亡くなった子どものことを考えるとただただつらい。
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やりきれない。
裁判では、元夫(子どもたちの父親)が遺族ってことになるわけだけど、彼女も遺族なんだよ。
そもそも、こんな若くて仕事もできない、実家も頼れない娘に、子ども2人を育てられるわけがないことぐらい、元夫や元姑にもわかるはず。養育費も出してないのに「殺された」って怒るのは違うでしょ。
30年は長い。務めを終えて出てきた彼女がせめて自活できるよう、刑務所の中で手に職をつけさせてほしい。でないと、容姿が衰え、風俗でも働けないことになると、上手くいって生活保護、最悪餓死ってことになる。
彼女だけでなく、彼女の親もまともに愛情をかけてもらえなかった人たちみたいだし、こうならないようにするにはどうしたら良かったのか、わからない。
虐待を受けた子が「受けた」と認識できるように教育し(彼女は虐待されていたことすら認識できていない)、頼る先を広く知らしめること、児童相談所などももっと予算を多くして、保護の網目から漏れる子どものないようにすることくらいかな・・・。
実際にはとても難しいと思うけど。
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彼女のしたことは許されない事。
でも、彼女1人だけの責任なんだろうか?
マスコミから伝わってくる彼女の私生活の裏にあったもの。
普通に親から愛されて育ったものには到底計り知れない闇が彼女にはある。
彼女の子供のころからのSOSも、
つねに、良い子でなくてはなくてはいけない、勝たなければいけないと育てた親には気づくことはできなかったんだろう。
スポーツの強豪校の監督としては良かったのかもしれないが、その子たちには親がいる。
彼女は頼ったり人に甘えるということがうまくできなかったんだろうし、精神的に疾患は認められないという上での裁判決だったが、本当にそうだろうか?ここでも、どれだけの人が彼女の心の闇と真剣に向き合った上での裁判だったのか。
子供たちを思うと複雑ではあるけれど…。
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事件について同情はできないと思っていたけれど、彼女の生育歴を知ると何とも言えない複雑な感情が芽生えました。
大阪に越してきてからの出来事も詳細に描かれていて、読んでいて苦しくなる部分も少なくなかったです。
現実から目をそらすことが、彼女の生きる力になっているようにも感じました。
一番衝撃だったのは、義母が発した「育てられないなら、子どもたちを庭先においていってくれたらよかったのに」という言葉。
”(子どもを)庭先においていく”って…孫に対してモノを扱うようなぞんざいな言い方をするものなのかと。
元嫁から裏切られた気持ちが大きかったゆえの発言かもしれないけれど、それでもやっぱり引っ掛かるし、彼女に同情したくなる部分でした。
もうこんな事件の”新たな”ルポは読みたくないです。
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「母親であることから降りることができなかった」
「遺族の厳しい処罰感情」
哀しみと怒りがわいた。
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ただ淡々と、事実と、物語に関わる人々の有り様が語られています。職業人としてできること、絶対に頭においておかないことは、常に「虐待」を忘れないことですね。
そして、目の前に見えている場面だけで、甘く考えないということが大切だと思いました。
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衝撃的なあの事件から3年半の年月がたった。大阪で3歳と1歳の息子を餓死させた母には懲役30年の刑が確定している。
本著は当事者達の周囲状況を丹念に追ったルポ。
事件はもちろんあってはならない事だが裁判官が元夫に「託児料はいくらか知っているか?」聞いたところ元夫は「知らない」と答える。それでも子供への愛情はあるという。
それは本当なのかもしれないが、けれどあまりに現実を見ていない。若い母親が金も協力者も得れずに孤立してしまったのは、この家族の重大な過失であり、それは「おかん神話」とでも呼ぶのだろうか。母性という無尽蔵なパワーが女性には生来的にあり、全ての家庭の問題をたちどころに解決するだろうと考えているところに起因しているように思う。
事件の一年前まで、この家族は平凡な家庭生活を営んでいたというのにも驚く。人が堕ちる時のスピードは想像をはるかに越えている。
昨今読んだルポものの中でも断トツのオススメ。
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有名な大阪2児置き去り死事件。事件の報道を読む限りでは身近なことととして感じることはなかった。読み始めてすぐ、これは今よく見聞きする若者の生い立ちや家族関係の環境が不幸にも重なった、身近な事件だと感じるようになった。加害者となった若き母親が、些細な問題も解決する能力を持ち得なかった事情を著者が丁寧に細かく追うことで、私たちは肯定はできないが周りの優しさや勇気がもう少しあれば事件を防ぐことは可能であったことを理解できる。周囲の「誰かが何とかすればいい」という自己保身が、彼女を追い詰め、幼い子どもたちを死に導いてしまった。読了したさらに遠くにいる私たちは、同じように「誰かが何とか…」ではなく、「私たちにできることは何か」を考えるべきだと感じた。
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なんともやるせない、重たい読後。
子育ては、確かに夫婦揃っていても大変。若いシングルマザーでは尚更。 だから、行政含め周囲の手助けの必要性が叫ばれるのだろうが。
判決では、殺意を認めているが、この人の場合病気でしょう。だからと言って、量刑を軽くする必要も無いとは思うが。
また、裁判では遺族感情が厳罰を望んでいるとの証言があった様だが、遺族側にも幾ばくかの子供を養育を助ける責任はあったのではないかと思う。ここら辺は裁判ではでてこなかったのかな。
元夫にも、その家族にも、被告の父親にもまた、生みの母親にも法的責任の有無は別にして、人道的責任はあるんじゃないかな。
周囲に少々の想像力があれは、この事件は防げた気がするが、何れにしても幼い子供が犠牲になるのは、本当に辛い。でも、最近も増えてる気がするのは私だけでしょうか。