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2010年に創業120年を迎えた帝国ホテル。そこで働く人々のインタビューを通して、歴史あるホテルの姿を明らかにする。
インタビューされるのは支配人にはじまり、料理人、フロントマン、清掃人、マネージャー、設備担当、さらには請負の神主やピアニストなど。
彼らへのインタビューで著者が重視するのはホテルに勤める前の人生と今の仕事を選んだいきさつ。小さい頃からのあこがれが叶った人もいれば、なんとなく勤めてしまって現在に至るなんて人もいる。
ホテルの宿泊者にそれぞれの人生があることと同じく、そこで様々なサービスを提供する仕事人たちにも、それぞれの人生がある。そのホテルに伝統があればあるほど、その味わいは深い。
一流ホテルの歴史、重みを感じさせてくれる内容だが、インタビューのトリを飾るのが意外にもホテルのIT担当。一息つける「オチ」にはピッタリの人選だ。