紙の本
麻雀界の哲人が語る箴言
2010/11/10 00:44
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MtVictory - この投稿者のレビュー一覧を見る
自然界にいる動植物には人間のような「勝ちたい」(儲けたい)という思考は存在しないという。彼らは「本能で生きる」。そこには「負けない」という普遍のスタンスがあるだけ。弱肉強食の世界ならなおさらだ。生きるための知恵なのだ。人間が「負けない」力をつけるには彼らのように「変化に対する動きと感性を磨くこと」が必要だという。
著者はサブタイトルにもあるように、「雀鬼」の異名をとる、麻雀を知る者にとっては伝説的な人物である。本書はタイトルが示すように「勝つ」技術ではなく、「負けない」ための考え方を説いたものである。 20年間無敗という脅威の勝負師が語る勝負論、勝負哲学、勝負感。そこには麻雀やスポーツなど勝負ごとだけでなく、ビジネス等にも通ずるものを感じ取ることができるだろう。
「はじめに」にある、「勝ちだけを求めていては本当の強さを獲得することはできない」という言葉は深い。似たような表現では、「勝ち=豊かではなく、勝ち=強さでもない」とも述べている。
本書は実に哲学的な言葉に溢れている。例えば「勝ちたい」という欲を捨て去れ、などと言うのは宗教的ですらある。一つの道を究めた人ならではの言葉ばかりで、きっと著者は悟りを得たに違いないと私は思う。しかし「おわりに」では、それを否定するように「究めたという感覚がまったくない」と語っている。それでも著者は「麻雀からいろいろなことを学んできた」。その一端を本書で明かしていただいたことは非常にありがたい。
本書をビジネスの視点から見れば、リスク管理にも活かせる内容である。勘違いしてはいけないのは「負けない」のは「守りに入る」とは違うということ。そこには消極的なニュアンスは無い。
電子書籍
平易な文章で書かれていますが、曖昧な印象
2017/03/18 12:22
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投稿者:坂の下の落人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
けっこうな数のレビューが上がっていたので、電子書籍で線を引きながら読んでみましたが、正直よくわかりませんでした。勝ちにこだわるのではなく、負けないことを推奨していますが、その違いがどうにもむずかしい。
一見、平易な文章で「気づき」や「感じる」「「本能に従う」など個々の主張、重要性が書かれているので、わかりやすそうですが、全体としては理解できませんでした。
自然界に学べというのが、どうやら結論のようですが、残念ながら全体的には曖昧で、まとまりのない印象です。
紙の本
敗者の99パーセントは自滅だ!!
2020/01/10 13:06
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投稿者:Sankaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
学生時代に友人は1人もいなかった。皆、友達にするに値しない者ばかりだった。
全国の中高生はそんなものなのかもしれないが、今でも不思議なのは「なぜこの人たちは愚か者になる道を一生懸命に突っ走っているのだろう」という事だ。
私は断食療法の実践者だが、断食の視点から見ても、この世の中は破滅への道を突き進んでいる。
食べなければいけないと思い込みつつ、ロクな食べ方も出来ずに、どんどん体調も気分も、そして食欲すらも衰えてゆく。
また、特に目を引かれたのが、この書籍の39~41ページ当たりの文章。
「自然の破壊、それは人類の自滅に通じる道でもある」
自然との共生、これこそ私が断食や不食に向かう大きな動機の根本となっている。
不思議な感覚がある。
「出来ない者ほど、出来もしない課題や問題が山積し、出来るものはどんどん身も心も自由になっていく」
何か、キリスト教の「持てる者にはどんどん与えられ、持たざる者は持っているものをも奪われてどんどん失ってゆく」という教えにも通じるものがある。
この現代社会は人間が栄える事だけを考えて、尚且つ肝心の人間は病気や弱っていく人が増えていくばかり。
こんな所にも「敗者の99%は自滅」という事が言えるのかもしれない。
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裏麻雀の世界を無敗で引退した男桜井章一の本を初めて
読みました。桜井章一さんならではの哲学などがありとても
勉強になったし、この人男の中の男だなと思いました。僕も
将来このような人になりたいと思いました。これからも男をも
っと磨いていきたいです。
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裏麻雀界で20年間無敗を打ち立てた伝説の雀鬼、桜井章一氏による、負けない技術指南。
自分自身が何かを極めたわけではないが、一つのことを極めると人間の生き方という哲学的な思想に行き着くと思っていた。 本書はまさしくそれを実感させるものであった。
「勝利」の対極にあるものが「敗北」であり、2つとも背反関係にありかつ独立に存在すると信じていたが、「負けない」ということが勝利と敗北の中間に存在し、勝つことではなく、負けないことが重要であることを再認識させられた。 普通のノウハウ本であれば、なるほどと納得するレベルで終わるものが、修羅場を潜り抜けてきた著者のメッセージには本物が放つ真実味があり唸らざるを得ない。
本書を読んで、感じ入った部分を抜粋する。
■勝ちにこだわる人
勝負は「得ること」と「与えること」のバランスによって成り立っている。 勝ちだけにこだわるとそのバランスが崩れる。「勝ちたい、勝ちたい」という思いのままに突き進むと、それは負ける努力をしていることになる。 負けないための努力は「必要なことだけをやっていく」。 必要なものだけを選び、不必要なものがやってきたら耐える。
■流れを感じ取ること
勝負は常に変化している。 勝機というチャンスは人によって勝機になるし、単なる機で終わることもある。 勝機を掴むためには何にでも合わすことができるようになること。 それによって多くの勝機をものにできる。 また、勝負は気づきの多さで決まる。 訪れたチャンスをチャンスと認識し捉えることが大切。
■「チャンス」と「勝負どころ」の違い。
チャンスは流れの中で優位に進めることができるタイミングで、通常ピンチーチャンスの繰り返しで出てくるもの。
その一方、勝負処はピンチの中のピンチで圧倒的に不利な状況で訪れるもの。 不利なときにも逃げないで対処する習慣を作ることにより勝負所の力を磨くことができる。
■真の強さとは
負けない人は手の内を明かしてその欠点を相手に知られたとしても、その弱いところで戦えるほどの強さを持っている。
また、敵も味方の境地にたどり着くこと。 勝つことや負けることよりも"いい勝負"をすることが真の強さではないか。
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「伝説の雀鬼」ならではの...と期待したら意外に真っ当な内容。けっこう共感できるし、「なるほどね」というとこもあるけれど。
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■きっかけ
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20081121/178022/
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20090323/189703/
きっかけは違うご著書だが、古本屋さんに置いてあったので購入
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もう15年以上も前の学生時代に、桜井さんの経営するフリー雀荘に通っている時期があり、何度か同卓する機会がありました。主宰する雀鬼会の規則というか目指すところは当時から独特のものがありました。
この人の思想というか感性は、こういった本で読むようなものではなく実践して感得するような類のものなんだろうなと思います。本で言われていることは難しいことは言っていないのですが、読むだけではすっと腹に入るものではないのではないでしょうか。
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当時の麻雀の話ですが、そこまで分かってるのか...とびっくりするような指摘をされたことがあります(*)。20年間無敗の看板はダテではないんだなと感服したことを思い出します。
(*) かなり深い順目で、自風の西と何かのシャンポン待ちで聴牌したのですが、なぜか自風であることが意識できず(同卓で緊張してたのかなあ?)、対面の桜井さんから出た西にロンの声を掛けることができませんでした。ドラと赤がある5200点の手だったと思います。その後ミスに気が付いて、しまったと思っていたところ、たまたま最後に来たシャンポンの片割れの方にくっついた牌と入れ替えて両面待ちにして流局後聴牌を宣言しました。
そうすると、すぐさま「何だ君は俺の西を見逃してくれたのかあ。チップもおまけしてくれて優しいなあ」と言われてしまいました。そんなことを確信を持って言われるとは思わなかったので、若かりし私はさすが雀鬼だと心底感服してしまいました。
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「勝ちたい」のでなく「負けない」という姿勢の方が自然に近い状態であること。
専門家のようになにかを専門に、それだけを突き詰めていくと偏った人間になってしまう。専門家にはひとつの考えに固執したり、固定観念に囚われたりしている人が多い。偏っているから、どこか歪んでいる。歪んでいる人が増えれば必然的に社会も歪んでくるし、それに伴う問題がいろいろ表出してくる。
おれはやはりスペシャリストと呼ばれるよりゼネラリストと呼ばれたい。
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同時期に購入した「人を見抜く技術」よりもこちらがおもしろかった。
しかし実際に会ってみたい人です。
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出版社がねぇ、付けたんだろうが、『負けない技術』って題名がねぇ、気にくわない。
技術とか、そんなものじゃないでしょ、著者が語ってるのは・・・
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いつか、どこかで、誰かがお勧めしていた本。
「負けない技術」というタイトルに妙に惹かれた。
何となく、現代人の誰もが思っている事だけど、言葉にして説明される事の無かったような感じ、と思いながら読んだ。
•勝つ事も負ける事も、起きた事すべてを受け入れ、楽しむ事が大事
•"負けないための努力"はどうやればいいのか? 一言で言えば「必要なことだけやっていく」
•負けの99%は自滅
•勝負においては、相手を片付けたほうが勝者であり、片付けられたほうが敗者である。「片付けられる前に自分から片付ける」という考えは普段から持っていた方がよい。だから、仕事にしても日々の生活にしても、さっさと"片付ける"ことが大事になってくる。
•真剣勝負の場になると「怒り」という感情はマイナス以外のなにものでも無い
•ミスをしたときに「まずい」と思わず、ミスをしたおもしろさを感じられるようになった時に、初めてそのミスが生きる
•ミスをした事の言い訳や言い逃れもやめたほうがいい。そのミスを嘘というより大きなものに変えてしまう怖さがある。
•「自分は何に緊張しているのか」ということをまず理解しなければならない
•「平常心とは、ないがあっても揺れない心」と多くの人が解釈していると思う。たが、私の平常心に対する解釈はちょっと違う。私の考える平常心とは、日常という「常」を大事にすること。日々の暮らしを大事にする、そんな当たり前の気持ちこそが平常心なのだ。
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いきなり『負けないは勝つより難しい』というテーマ。
素晴らしい考え方だと思う。
勝つためには、あれやこれやとしたくなる。
負けないためには・・・
それがよく分かる。
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とにかく的確。この人は、頭のいい人だという事が明確。麻雀勝負師としてのプライドとポリシーが美しいし、やさしい。★5つに近い、4つ。人として、みならいたいところがたくさん。ただ、チビTのエピソードは、若干、突飛な感じ。。。
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2010.6.20-22
図書館
勝ちたいは、欲望ー満足。負けないは、本能ー納得。
ビギナーズラックは、起こるべくして起きている。
などなど
深い!深すぎますよ…
人間、人生、世の中の本質みたいなものを上手くわかりやすく表現してます。
熱くなり過ぎているとき、失敗が重なって落ち着かせたいときなどに読むと冷静さを取り戻せそうな気がします。
中には極端な論理みたいなものもあるかもしれないが、自分に合うものを取り入れるだけでも得るものは多いと思う。