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紙の本
勘九郎さんのガイドで旅してる気分
2005/06/05 11:30
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ちょっとあたしの好きな「勘九郎さん風」な語り言葉でやってみましょうか。おっと、もう今は勘三郎さんですね、いけない、いけない。
さて、この本なんですが、勘九郎さんがご自分で演じられた歌舞伎の演目やテレビドラマの舞台にゆかりのある場所の幾つかを、勘九郎さん自らが行ってみた、言ってみれば「芸の旅」の話です。もともと1999年に刊行されたんですが、今度「勘三郎」を襲名するっていうのでまあ、その記念で文庫にしたそうで。平成17年1月の日付で新しい、このときはまだ勘九郎さんですよね、の文庫版あとがきがついてます。そのあとがきには、「ひとつひとつについては、『勘九郎日記「か」の字』に詳しく書いた」とありますね。そいでもってこちら「ぶらり旅」の方は「まさに、その僕の”芸の旅”の一部であり、僕がはじめて書いた”勘九郎の旅の方法”である。」だそうです。一つ一つのできごとそのものよりは、背景となる所をを旅をしてたどり、何を見たか、感じたか、てとこでしょうか。45年の長い「勘九郎」時代に、こんな風に芸を養ってらしたんですねえ。ますます役者勘九郎に引き込まれてしまいました。・・・45年。長かったんですね、ほんと。
大石内蔵助を演じた時の舞台である赤穂とか、東京の両国とか、深川とか。両国、深川あたりなんて、歌舞伎の舞台になってるとこ、たくさんあります。そういうところをまわりながら役づくりのことなんか、を語ってくれる訳。「真剣になると違って見える」とか「行ってみなきゃわかんないことがある」とか、いろいろ教えてももらいました。舞台になったとこだけじゃなく、子供の頃かよったお稽古場とか、そこで実際演じちゃった硫黄島とかでの話もあります。硫黄島での俊寛は、台風が来て荒れちゃったりして、それでも行って演じちゃったんですからすごいパワーです。
個人的に言いますとね、『「か」の字』の日記風のまとまりの良い書き方より、こっちの、こういう語り言葉のほうが「らしく」って好きですね、わたしは。ご本人が隣にいてガイドをしてくれてるような気分になりますもん。いい気分。だって一流の歌舞伎役者さんが、その場その場で名台詞なんかも入れて語ってくれちゃうんですから。これ、収録してまとめた人、編集者ってんですか、そういう人たちの力もあるんじゃないかしら。ま、どっちでもいいんですけどね。楽しい文章に変わりはないんだから。この中のちょこっとでもいいから実際に、例えばちょっと両国橋を渡ってみるとかするだけでも、歌舞伎鑑賞はもっと楽しくなるんじゃないでしょうか。近場のどっかに、あたしも行ってみようかしらん。
こんな感じで語ってくれてます。楽しんでみてくださいね。はい、お粗末さまでした。
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