電子書籍
時間かかったー
2021/08/03 21:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のんのん - この投稿者のレビュー一覧を見る
読了まで、かなり時間がかかりました。苦笑 軽々しい話ではなくて、罪と贖罪と許しのなかで、過去にイチモツカカエタ人たちの人生交差ってことろかな、と。うん、でも甘いと思うのは、なぜだろう?
電子書籍
生きる希望とは
2021/03/27 16:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:凡人のつぶやき - この投稿者のレビュー一覧を見る
命が尽き果てる間際の人間が集まる街、尽果。様々な過去を抱え、そこにたどり着く。
老舗料亭「吟遊」を飛び出してきた紫紋も同じように生きる気力を失った末、たどり着いたのが尽果だった。尽果の岬に一軒の食堂、まぐだら屋がある。まぐだら屋の店主マリアの魅力に惹きつけられる紫紋。そこで紫紋も定食を任されることになる。尽果での生活の中で誰かの役に立っていることから希望を見つけ、生きる気力を取り戻していく。そして自分と同じように命が尽き果てようとしている人たちに希望を与える存在になっていく。
著者のアート小説は以前から気になっていたが、一度も読む機会がなかった。今回、値引きになっていたため、購入した。そんなこともあり、アート小説だと思って読み始めたが、本作品はアート小説ではない。生きることの意味を問う青春小説である。
本作品の中で、主人公紫紋が手際よく料理を作るシーンがある。料理の匂いが漂ってくるような描写で、そのテンポがよく、ドラマ・グランメゾン東京の料理シーンを見ているようであった。一つの料理が人を幸せにする。それだけで生きる希望になる。そんなことも感じさせる作品であった。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初は登場人物の名前でちょっと引いてしまいましたが、非常に重いテーマでありながら読みやすかったです。
電子書籍
世の中捨てたものじゃない
2017/11/04 15:45
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ケイ - この投稿者のレビュー一覧を見る
もう終わりだと思ったとき、自分を待っていてくれる人を思い出してほしい。
暖かい部屋で美味しいものを食べてほしい。
切にそう願う話。
投稿元:
レビューを見る
普通に聞き流すにはあまりにも重い過去を背負った人たち。
おいしくてあったかい食事のある空間とそこを大切に思う人たちの善意に救われながら、ゆっくり読んだ。
女将の頑なさもマリアの大きな包容力も、極端過ぎて現実感は伴わないが、過去を背負い流れてきた人たちへの尽果の人たちの接し方には心がほぐれた。
許されるとか許されないとかは別にして、彼らの背負ったものは、ほんのひと足歩くところをずらすだけで、誰もが背負ってしまうものだと思う。
その過去は重い。目を背けたくなる。しかし、他人事だと傍観できるような人生を、私も送ってきてはいない。
登場人物の多くが新約聖書に拠っているようだが、やはり女将の存在は、この物語全体の大きな救いだと思う。
おいしい食事、ほんものの食事がつなぐ人の縁。人の命。
よく味わって読んでほしい一冊。
投稿元:
レビューを見る
マグダラのマリアを想起させるタイトルに興味をひかれ、どんな話なのかと読んでみたら、再生の物語だった。
キリスト教にまつわる名前をもつ登場人物たちは、それぞれ重い過去を持ち、罪を抱えている。絶望した彼らは、辿り着いた最果ての漁村(土地や寺にもキリスト教にまつわる名前が付けられている…)で、人々にただ受け入れられ受け止められて、苦しみもがきながらも生きることを考えるようになる。
贖罪、母、赦し、希望…私はそれほどキリスト教に詳しいわけではないが、キリスト教のキーワードのようなこれらの言葉が読んでいて頭に浮かび、だからこそのネーミングなのだな と思った。
投稿元:
レビューを見る
どんなに苦しくても、苦しいから
人は生きていかなくてはならない
息子をおもう、心配する母の姿に
涙が止まらなくなってしまった
尽果という、現実味の薄い土地にたどり着く設定は
少し物語じみているけれど
人が人を思う、それぞれの切なさが
とても苦しく悲しく切なかった
マハさんらしい、読みやすい文章
投稿元:
レビューを見る
マハさんは、ハズレない。新刊が出たらついつい手にとってしまう。
井岡一翔のボクシングの如く盤石の安定感。
ご馳走様でした。
投稿元:
レビューを見る
登場人物の名前や地名が聖書に出てくる人名や地名の当て字で、あまりにも露骨で「おいおい・・・ヾ( ̄ω ̄;) 」とw
え~?パロディー?という気分にならざるを得なかったのだが、お話自体は非常に良いものでしたw
小説を読んでいると、聖書やキリスト教を知らないとわからないだろうなと思う例えなどに出くわすことはよくありますが、これはどうもね・・・(苦笑)
ま、さすがは原田マハさんというとこでしょうか?w
投稿元:
レビューを見る
失意の紫紋がたどり着いた場所にあった店、出会った人々。変わっていく彼を見守るのがだんだん楽しくなっていく。いつも美味しいものを口にしていたいね。
投稿元:
レビューを見る
帯は
「人生の終わりの地で
やり直す勇気を得る。」
全てが終わり、
自分自身さえ終わらせようとした主人公が
辿り着いた先は「尽果(つきはて)」という地。
そこで出会った、
まぐだら屋のマリア。
過去を背負った人たちが
決して興味本位で詮索したりせず
お互いの距離を保ちながら
着かず離れずの居心地の良い関係で
いられたら。
「この世界は、
なんと多くの負の感情に満ちていることだろう。
寂しさと、苦しみと、悲しみと。
絡み合う負の感情の連鎖に縛りつけられている。」
「さっきまで全身から立ちあがっていた悪意は、
いまはもう消えて、
食事をする人が等しく発するあたたかな”気”に
包まれている。」
でも何かを求めた時、
誰かを想う時、
向き合わなくちゃいけなくなってくる。
その時の覚悟と、やっぱり勢いもあると思います。
全体に漂っていた
ぬるーい空気、ぼんやりした空気、
そこに感情が入ることで
一気に現実に引き戻されます。
ただ、
マリア、シモン、マルコ、ヨハネ、
登場人物たちの名前は
キリストから取られているし
本当に現実に迫ってくる話というよりも、
物語として読む方がしっくりくるかもしれません。
登場人物全員が
優しく不器用で幸せを祈らずにはいられない人ばかり。
これは原田さんの人柄なのかなあ。
人が人を想う気持ち、
嘘つきだよ ずるいんだよ 愛が恐いんだろう?
そう…愛は覚悟だよ
という歌詞を私が好きな歌手が歌っていますが
この作品でそれを感じました。
覚悟なんて自覚はないかもしれないけど、
知らずに掴んでいるもの。
それを感じた瞬間、泣いてしまいました。朝の4時に!
スコールが去った後の空気、
思わず空を見上げてしまう気持ち。
原田さんの作品は舞台は国内なんだろうけど、
異国を感じるものばかり。
投稿元:
レビューを見る
人は許されるから生きていける。
人は誰かのために働くから生きていける。
重い罪を背負った登場人物たちが、
最後に行き着いた場所、「尽果(ついはて)」。
彼らが、その場所で居場所を見つけ、
再生していく姿に感動しました。
投稿元:
レビューを見る
胸に湧き上がるこの温もりと滲む涙が原田作品の充実感。人間は弱い、でも同時に様々な強さも持っていることを思い出させてくれる。
ただ、与羽絡みのマリアの過去は好きではない。身近にいる紫紋や克夫さんが男だから彼女を見守る目線が穏やかなのかなとも思う。女将の抱えてきた苦しみは計り知れないだろう。赦される側より、赦す側の葛藤と感情の推移をもっと知りたかった。
投稿元:
レビューを見る
死を求め、辿り着いたバス停「尽果」。
そのバス停の先、崖っぷちに立つ小屋の様な古民家が、
「まぐだら屋」という料理屋さん。
そこから漂う、かつおの香りに引き寄せられて
紫紋は、足を踏み入れます。
下っ端料理人として修業をしてきた彼は、
そこで手伝うことに……。
料理屋を一人できりもりするマリアは、
なぜか左の薬指がなく…!
また、料理屋の元締め女将は、マリアを嫌悪していて…。
登場人物には、かなり謎があり、悶々とします。
一方で、食の力をつくずつ感じました。
生きる基本の力、心をふっと和らげる温もり…。
食に込められた愛が溢れていました。
ラストはやっぱり泣かされます。
原田さんの作品は、ほとんど泣いているかも…!
投稿元:
レビューを見る
挫折を経験した若者が、最果ての地で再生し、帰るべき場所へ帰っていく という物語。
登場人物や地名を(半ば無理やり)聖書に出てくる人物に準えているあたりは苦笑せざるを得ないが、フィクションだと割り切って読めばそれなりに楽しめるし、ほっこりできる物語だと思う。