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ここまで一貫して万人受けしないものを書き続ける作家さんも珍しいな、と思います。相変わらずの強さ。
表題作のハルモニアはとてつもなく異なっている音大生の男女の愛とやらを音に乗せ、音楽として描いているものすごく入りづらくて読みづらい気がするのに不思議とテンポ良く物語が運ばれていきます。
砂糖菓子哀歌もまた独特で、ほんと哀歌です。リズミカルなの。言葉の運び方が。甘いのか苦いのか固いのか。中身を理解するよりも先にすいすいと読み進めてしまう不思議な本。
もはや中毒。川上未映子的なね、けど川上未映子さんよりももっと独特ださらに万人受けしない、好きだなー。
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音楽系の小説なんだけどもどうにも感情移入できなくてこの評価です。
才能あふれるけども変わり者のナジャとゲイのルツコ、心を病みながらもピアノを志す金持ちボンボンのキムとあんまり才能ないけど頑張ってる主人公のお話。
話としてはよくありがちな感じなんだけど話は薄っぺらく感じてしまいどうもね。。。
響く人には響くのかも?鈍感でスイマセン。
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図書館で適当に選んだ本とはいえ、はずれだったー。表題作とほんの短い『砂糖菓子哀歌』の2編。どっちも好きじゃない。表題作は音大で出会った仲間と恋愛のお話。書き方も好きじゃないし、ヒロイン?のナジャも好きになれないし、主人公のトンボも好きになれない。お友達のルツ子とキムはまだましか。読む本ないから仕方なく読みきったって感じ。
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「ハルモニア」環境にも恵まれ、音楽の神様にも選ばれた美少女ナジャ。ナジャに恋した主人公トンボ。ナジャは特別いい女とも思えないんだけど、ナジャと音楽に恋するトンボがすごく素敵だった。音楽のことだけ考えて音楽に没頭したい。でも音楽を聴くのは聴衆。生活を知らずして聴衆のための音楽を作れるのか?でも生活に追われていたら音楽は満足にできない、みたいな、音楽だけじゃなくて表現者として生きていきたい人間共通の悩みみたいなものが描かれており、それがありがちな僻みっぽさをまとっていないところが良い。
「砂糖菓子哀歌」は二度目。鹿島田さんの艶っぽい文体で、ネジが一本飛んだような女を書くと異様な凄味が出る。
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まるで音楽を聴いてるように読んだ 砂糖菓子の話しも面白かった この人の作品は当たりハズレがかなりある
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初読みの作家さん。音大を舞台に、2浪してようやく入った「トンボ」と彼を取り巻く学友達(母親がロシア人でハーフの天才・ナジャ、ゲイであることを公言するルツ子、韓国の大学を卒業後、日本に留学してきたキム)の群像劇。トンボの一人称で語られるが、それぞれのキャラクターが立っていてなかなか楽しかった。大学生活ってこんな感じなんだなと思えた。音楽理論やら音楽記号がやたら出てきて、明確に意味はわからなかったけれどおもしろい。自分とナジャの関係を第1主題、第2主題、コーダ……なんて分析するなんてさすが音大生だ。
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異国の血が流れるナジャは、首席として音大入学当初から有名人だった。
環境にも恵まれていて、生まれながらの才能を持つ、まさに音楽に選ばれた天才のナジャは
いつだって音楽のことを考えられたし、自由奔放で、人の気持ちになんて無頓着だった。
ぼくは凡人で2浪の末の入学だから学費もアルバイトで稼ぐ日々で、音楽のことを考えるのはどうしても二の次になっていた。
だけどぼくは才能のあるナジャを心から応援していたし、傷ついてもなお、彼女に恋していた。
ゲイのルツ子とピアニスト志望のキムも交えて、
互いの成長とナジャとぼくの関係。
トンボは優しいなあ。凡人でありながら天才に嫉妬して自暴自棄になるわけでもなく彼女を嫌悪するわけでもなく、彼女に惹かれていく様子。
あたたかい。ルツ子もキムもいいキャラ。
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なにか書き残したくて
再読しました。
表題作は他の方が色々
書かれてるので、
もう一篇収録されてる
砂糖菓子哀歌について
─
この作品もなんとまあ
独特。
リズミカルでカオスで
クラクラしてきます。
哀しみを泡立て小麦を
まぶしたら、
涙の塩気で甘さを引き
立てましょう♪
ここまではギリセーフ。
まあフラれた哀しみを
ですね、
よくわからんけど甘い
スウィーツに昇華して
心を慰めましょうと♪
涙の塩気で甘さを引き
立てる、という表現が
イイネ♡と。
でもそこで終わらない
んですね・・・。
ひとり言というか妄想
は延々と続きます。
二人の関係は水あめの
ように、
ひたすらネリネリして
れば、いずれは溶けて
くっついたはず?
まあ言わんとすること
はわかるけど、
恋愛はそんな単純じゃ
ないし、
貴方が言うくっつくと
いう状態はただ事では
ないような(汗
え?エクレアの漆黒が
気になる?
そしてそれがまたどう
して量子力学に繋がる
?
失恋して混沌としてる
女子の内面を描いてる
のかしら?
なんて、へんに解釈を
求める作品じゃないん
でしょうね(笑