紙の本
絶好の入門書
2020/04/22 18:06
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
テーマ読書「百人一首」の3冊目。
本書は絶好の入門書で、学生時代にあったら良かったのになあと思いました。内容は12のテーマ(才女・春・秋・冬・悩める男・旅路等々)で分類し、各歌を平易に紹介。さらに阿刀田氏の独断と偏見で、「名歌」「並」「凡庸」「快い」等の評価を加えています。結局は、個々人で自由に鑑賞して、良い歌は良いと思えば良いと教えてくれるエッセイでした。そして「日本文化の根源を理解するのに、楽しく、とても役に立つ。読者のみなさんにもあらためてこの文化をお勧めしたい」と締めています。私も全くの同意見です。
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百人一首をネタにしたエッセイ。
恋の歌、季節の歌、物想う心…、いろいろなテーマから歌を選んで解説したり思い出を語ったり。百人一首の歌を思い出しながら楽しくさらりと読みました。
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阿刀田高氏が「小倉百人一首」を解説した一冊。
下ネタもあったものの、結構楽しく読めました。
解釈が楽しく、肩肘張らずに入れたのでコレクションに
したいですね。
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2011年に出版された、阿刀田高さんの本です。
阿刀田さん、1935年生まれですから、出版当時76歳。
軽く淡々と、でも面白く、小倉百人一首の解説、紹介、というエッセイ本です。
他の、「古典解説エッセイシリーズ」(と言って良いのか判りませんが)もそうなんですが。
肩の力の抜け具合が素晴らしいですね。
「学術的な野心や興味で読んでもらう本ではありません。
フツーに暮らしている人が、興味、知的好奇心で読む本です。
それから、もともと詳しい人が読む本でもありません。
良く知らないんだよなあ、という人が読んで、読み易い本です。
卑下する訳でもないけれど、それ以上でもそれ以下でもないですよ。
ただ、お子様が読む本でもないですよ。いい歳をした大人が読む本です。
そのつもりで、大人が楽しめるように書いてますからね」
という確信があるんですよね。
だから、とにかく、これを読んで、「良く判らなかった」ということは、ありえない!…というくらい判りやすく書いてらっしゃいます。
でも、子供向けじゃありません。
大人向けの雑学とか、どうでもいいような脱線話を、落語で言えば、まくらのように振りながら、一首一首、解説してのおしゃべりです。
愉しく軽く、読めました。
電子書籍で読んだんですが、表紙が可愛くて素敵ですね。
(電子書籍だと、何かのときに、スマホで簡単に部分読み返しが出来る、というのも、この手の本の場合はちょっと良い感じがします)
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備忘録、というのも空しいような本なんです。つまりは100の短歌の説明してる本ですから。
なんですけど、軽く書いておきますと。
●「古今和歌集」みたいな、「天皇家、朝廷が、その時々で選んだ、その時代のベスト和歌集」というのが、10個くらいあります。
その10個の中から、「ベスト・オブ・ベスト」みたいな感じで、藤原定家さんが、鎌倉時代に入ったくらいの頃に選んだのが、百人一首。
●だから、百人一首は万葉集からのものもあれば、鎌倉に入ってからの時代のモノもある。
作者や和歌の内容、そこから推定される物事を味わっていくと、天智天武の頃から、奈良時代平安時代から源平時代まで俯瞰出来て面白い。
●阿刀田さんが、正岡子規などの和歌論なども引きながら、「これはつまらない和歌だよね」などと、結構手厳しい(笑)。
無論、「これは良い歌だよねー」というのもあって、そのあたり、教科書的ではなくて面白い。
●大人向け、なので。政治闘争が匂う歌、恋の歌なども多数ありますが、若干下ネタになるところも含めて、
キレイゴトではない解釈や味わいもあるよね、という視点。なんだけど、阿刀田さんなので、ほんとにお下劣にはならないところが、好ましかった。
恋の歌に関していうと、平安時代などの貴族の恋愛風俗みたいなものは、ちょうど、マンガ「あさきゆめみし」も含めて、源氏物語を愉しんだところだったので、
なんとなく推察がついて読み易く楽しかった。
●阿刀田さんが数度言及しているのは。
下手をすると1400年くらいまえに作られた文学が、モノによっては、今すっと読んでも愉しめる。
こういう言語って、世界史的に物凄く稀だ、ということ。
それは確かに、考えようによっては、日本語っていうのが長年の経年の熟成を経た、興味深いコトバだよねえ、
それは素晴らしいのじゃなかろうか、という視点。
●それは確かに、日本語で暮らす僕たちが、「歴史の連続性」みたいなことを意識しやすいことにはなりますね。
それは、素敵なことだと思います。今後の指針は必ず過去に転がっていますからね。
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名前と中の歌のいくつかは知ってるけど、内容をそんなに深くは知らない人??つまるところ私なのだが??向けに、『小倉百人一首』を読み解き、その内容を語る書。小さいころから百人一首に親しんでいたという著者だけにその語り口は、まさしく立て板に水といった感じで、実に軽やか。そうそう、当時の詠み手にとってはゲームの類であったわけだから、現代の私達が読み解くにあたっても、軽く遊びの感覚で触れればよいのだ。難しいことなぞ、なんにもない。
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阿刀田さんの古典解説シリーズは大昔から愛読してきた。最初はギリシャ神話だったっけ? そして百人一首の解説本も、いろんな人のを読んだ。いわば、私の好きなジャンルの二乗ともいうべき一冊だが、内容的には可もなく不可もない印象。手法が酷似している田辺聖子女史のバージョンのほうがずっと楽しかった。
阿刀田さん、言い回しがくどくなったと思う。お年を召されたせいだろうか。
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個人的にはあっちこっち行くのが面白かったけど、一番から順番に追いかけたい人には辛いかも。
井沢元彦『猿丸幻視行』、懐かしい。再読したくなった。
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百人一首の本というと、秋の田の〜ももしきやの順に並べたものがほとんどですが、この本は恋や旅、季節などのテーマ別に分けてあります。
最初から順番に読んでいってもいいですが、興味をひいたテーマから読んでいってもいいと思います。
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さすが阿刀田高さん。
素晴らしい、とされている歌も、「あまり良くない」とバッサリ。
たしかに。
私は歌の良し悪しはわからないけれど。
掛詞とかイロイロある平安時代の歌はわかりにくい。
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小倉百人一首を才女たちが詠んだ歌、春から夏の歌などテーマごとに解説している。
と聞くと難しそうだが、エッセイのような語り口で読みやすい。
百人一首の歌は1000年前に詠まれたものだし古文だし難しそうなイメージがあるけど、古文のままでもすっと理解できる歌が結構あって驚いた。