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作者ご本人もあとがきに書いているように、だいぶ作風が安定した三巻でした。
今回は〈水霊王女〉スィー・ランがメインでした。
舞台は水の妖精ニンフ族の里。
邪悪なドワーフ族のダンジョンの攻略。
そして怪しげな黒魔術の国がさらにきな臭くなる背景が見えてくる。
と同時に、ダークとフィーネの関係にも変化の兆しが見え始める。
この巻で少しばかり成長したフィーネと、少しも成長しないダークの姿がくっきり描かれています。
フィーネが秘めた過去と、ダークが密かに抱く過去がちょっとだけ垣間見えた。
この物語の向かう先がにわかに見やすくなったような気がしました。
しかし、今回の見所はなんと言ってもハスターさんとイアンくん。
蛇を見せながらちょっと得意げな顔をするハスターさんの挿絵はとてもキュート。
まあ、正直イラストが暴走というか脱線気味なのは相変わらずだけど……そのハスターさんについては良い仕事だと言わざるをえません。
結論としては、このシリーズの『これから』を明確にしてくれた3巻でした。
そうかあっちなんだねオッケー付いて行くよ! という、まさに作中のイアンくんのごとき晴れ晴れした気持ちです。
次巻がすでに待ち遠しい。