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読売新聞の記者の鈴木美潮さんが一気に読んでしまった、とコラムで紹介されていたので、読むことにした。
1930年代に日本が台湾を統治していた時代を生きるミーチャとその姪にあたる50代のリーリーが主人公。
過去と現代を行き来しながら物語が進んでいく。
ミーチャの日常の描写を通して、当時の生活が興味深い。
統治時代の知識がほとんどなかったので、理解しにくい部分が多くあった。
また主人公のミーチャは精神疾患を患ってしまうため、現実との描写の違いが混同してしまう場面も。
最後の参考文献の多さを見ると作者がこの小説を書きあげるためにどれだけの調査に時間をかけ、真剣に取り組んでいたかがよく分かる。
上下巻で長いし、重いテーマだったので、読むのは大変だったけど「読んでよかった」と思える作品です。
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台湾に暮らした日本女性の愛の手紙・日記。70年の時を経て甦る二人の女性の愛の人生。
女は思わず、海を振り返る。海に戻りたい。
女は陸の世界におびえ、つぶやく。わたしは死なない。わたしは生きつづける。
女性作家の視点から見る愛の人生、わたしは生きつづける人生、・・・
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ただただ必死に生きるミーチャの姿が時に痛々しく時に哀しく生々しく、いじらしい。日本が占領していた当時の台湾で結婚生活を送る女性と、その数十年のちの姪の人生…まだ語られない部分が楽しみでもあり、不安にもなるのはなぜでしょう;
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台湾に暮らした日本女性の愛の手紙・日記で、表紙には渾身の純文学長編小説とあります。津島佑子、1947.3.30~2016.2.18、太宰治と津島美智子の次女。「あまりに野蛮な 上」、2008.11発行、357頁。日本統治時代の台湾を舞台にした話。日本支配に反抗し、日本人百人以上を惨殺した「霧社事件」に触れられているが、それと日本人夫婦の愛の物語がどうつながるのかは上巻では不明。純文学には意味不明な作品が多いです。(私にとって)