紙の本
途中グロテスクな描写も多い作品ですが...。
2017/05/22 20:56
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:楓 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『開かせていただき光栄です』の続編で、設定は前作より5年後となっております。
そして、5年前に行方不明となったナイジェルが何故か死体で見付かり...のストーリー展開です。
それから、確かにグロテスクな描写が多い作品ですが...。
尚、それを凌駕する内容の濃さを感じますね。
特にナイジェルの手紙が心に響く内容でした。
以上の様な次第で、個人的にはお薦めの推理小説です。
投稿元:
レビューを見る
『開かせていただき光栄です』の続編。時系列としては前作の5年後に当たる。
猥雑なロンドンの描写は前作より抑えられているが、代わりに、精神病院内部の描写がゾクゾクするほど素晴らしい。過酷な環境とその中にあるごくささやかな幸福の対比が、刑罰の残酷さをよりクローズアップしている。
ストーリー的には何を言ってもネタバレになりそうなのでノーコメントw
続きがありそうなラストだったので、3作目も期待したい。
投稿元:
レビューを見る
前作は単行本で読んだのだが、文庫には短編が収録されているのか…!読みたい。
こちらは急いで読んじゃったので、また改めて読み直したい。
むしろ皆川博子作品集に手を出したい。
投稿元:
レビューを見る
前作「開かせていただき光栄です」の続編。
ミステリ部は前作に比べて弱く、冒険譚のようになっている。盲目の判事と女性助手が物語の中心となり、現れた天使の謎を解くのだが、途中からは昔の仲間の消息調査のよう。
ストーリーは18世紀の英国の描写など非常にリアルで面白い。
投稿元:
レビューを見る
出ると思わなかった続編が読めて、まず嬉しい。
過去と現在を交互に語り、少しづつ真相が現れるという型は前作と同じ。
が、うまく読めず、前作ほどの感動はなかった。
投稿元:
レビューを見る
残念ながら、前作をほとんど忘れてたこともあり(今年読んでるのに!)、イマイチ集中して読めなくて、あまり理解が及ばなかった。
日を置いて、また1作目から続けて再読しようと思う。
投稿元:
レビューを見る
前作で何となく匂わされていたナイジェルの悪魔めいた一面が明らかにされ、その背景となる彼の生い立ちが明らかにされる。そして、その生い立ちにも関わる事件が起きて、複雑なストーリーが展開されて行く。皆川さん、そこはさすがで、プロットを展開させるキャラクターの多さとエピソード、そしてディテールが素晴らしい。
投稿元:
レビューを見る
前作から設定を引き継いだ別の話かと思ったら、話の内容も前作の続きだった。なのに本作の中で前作の話は全く解説されない。不親切。前作の話をほとんど覚えていなかったので理解できない部分もあった。もう少し親切にして欲しかった。
捜査の役割分担をして以降、一気に読ませるほど引き込まれたが、最後はエドの脅迫で解決してしまう。判事も手が出せず、国王も関わる事件なのに。そして姿を見せずに手紙でさようなら。うまく行き過ぎ。エド視点の悪人達との対決場面が見たかった。
投稿元:
レビューを見る
開かせて、の続編!
あの事件から五年。
新たに起きた事件、アルモニカ・ディアボリカとは?
彼から彼へ。
彼から彼らへ。
長い贖罪と愛の告白でした。
バートンズの楽しい掛け合いがあんまりなかったのが残念。
でもそうか。
そうして彼は救われたのかもしれない。
でもエドは?あとはエドだけなんだよ!
どうか背負いすぎないで、と。
さらに続編を構想中とのこと。楽しみに待ってます。
投稿元:
レビューを見る
2014年最初の一冊でした。
ナイジェルの素性が明らかになると聞いてからずっと待ってました!
直前に「開かせて~」の文庫版読んでて良かった。前作ありきの続編。
登場人物が多い分人間関係も複雑で終盤はちょっと頭がこんがらがるかな?いくつもの事件や関係者の繋がりとか。
早く続きが読みたいのに、もったいなくて進めない。
サー・ジョン目線のストーリーが中心。前作では完璧とも言える探偵役だったサー・ジョンにも法に携わる者としての苦悩が描かれてる。でも全体的に群像劇っぽいかな。バートンズがダニエルの元を離れているので、ちょっと寂しい気も。
とにかく凄かった・・・!
でもショックも大きかった。
脅迫なんてしなければ、アボットが死ななければ、天使の姿に別の遺体or作り物を使っていれば・・・考えたらキリがない。
ラスト2行がもうダメです。表紙見ただけで思い出して泣きそう。
同性愛的な部分が強いけれど、そんなの全く気にならない。とにかく手記にモノローグが入ってくるあたりから切なくて仕方なかった。
エドはどれだけ一人で抱えこむのだろう?モノローグが全くないのでどう思っているのかが解らない。続編の構想もあるということなので、エドに救いが欲しい。ナイジェルがいない今、エドを救えるものがあるのか解らないけど。
ミステリマガジンの編集さんがtwitterでアンの嫁ぎ先の話をしていたけど、アンがとても好きなので幸せになってほしい!
投稿元:
レビューを見る
前作とは打って変わって退屈せずに読めた。一気に読んだのがよかったのかな。前作未読でも読めないことはない。ただ、順序は厳守するように。ネタバレ前提で書かれてますので。
本格としての面白さは前作よりも勝っているように思う。作品単発としての事件に、続編としての事件が複雑に絡んでおり、二種類の事案を扱っているような印象を受けた。手掛かりを示すのは物証ではなく人。階級社会という締め付けのもと、必死に生きようとする登場人物たちの皮肉な運命が物悲しい。この物悲しさも含め、18世紀のイギリスの世界観をグレイッシュに描く手腕は作者の真骨頂だろう。ザ・皆川ワールドって感じ(笑)
奥底の深い事件は、吸引力もあり骨格もしっかりしてるけど、細かい部分で風呂敷の拡げた先があやふやだったりと、時たま肩透かしなシーンも目立つ。キャラの描き方も好きなので粗探ししたくないのだが、人数が多すぎてわかりにくいのと、解剖チームのメンバーに個性を感じることができなかったのが残念。
謎解きのプロセスは古典的アプローチで読み応えがあるので、シリーズ化も期待しないではないが、このラストシーンを考慮すると微妙だなあ。
投稿元:
レビューを見る
うーん、すばらしい!「開かせていただき光栄です」に続編があったとは。おまけにそれが前作を上回る面白さ。物語を読む楽しさを満喫した。
華麗にしてグロテスク。ダークでありながら上品。「少年十字軍」「海賊女王」そして本作と、ここのところ精力的に新作が出ていて、そのこと自体が驚異的だ。作品の趣はそれぞれ違うが、そこには一貫して透明な空気が流れている。こんな風に書ける人が他にいるだろうか。もうこれは唯一無二の皆川ワールドだ。
舞台となっているのは18世紀の英国で、その時代のことなどほとんど知らないに等しい。にもかかわらず、ああ、きっと人々はこんな風に生きていたんだろうと思わせられる、確かな感じがある。それはきっとこの世界が、作者の血となり肉となったものから生まれているからだろう。その厚み、陰翳の濃さに圧倒される。
ああだこうだと考えず、ただただ物語の流れに身をまかせて最後まで運ばれていく、こういう読書ができることはめったにない。堪能しました。はぁ~。
投稿元:
レビューを見る
もうもうもう、またしても「皆川氏、凄い!」と言わせて頂きます。正義の仮面を被った悪徳権力者の横行する当時のイギリスの闇、虐げられる人々の慟哭に打ちのめされ、ミステリーとして真相に迫っていく疾走感に息つく暇なく、読了後しばし放心。『開かせていただき光栄です』の続編ですが、それだけでなく文庫版に収録の短編を事前に読まれることをお勧めします。これに続ける事を考えて短編をお書きになったのかな。
投稿元:
レビューを見る
同じ著者の「開かせていただき光栄です」の続編。
前書の後日譚と、元弟子の一人の悲惨な生い立ちを通じて、政界有力者の過去を暴いてゆくストーリーが同時進行していく。
巧みな仕掛けと変幻自在の展開、文体は、著者の老練のなせる業。
投稿元:
レビューを見る
「開かせていただき光栄です」の続編。前作を読んで直ぐだったので、物語前半に判明する事柄に愕然としました。これもトリックのひとつなのでは?と半ば疑いながら読み進めたため、頭がこんがらがりそうでした。読み終えても事件の流れがはっきり見えず、エドの行動も不明なところが多く、なんだかもやもやしています。時間があれば再読しようと思います。
あと、些細なことですが、あの音名の調は「ト長調」ではなく「ハ長調」では?と思います。暗号には関係ありませんが。