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朝日新聞百年読書会2月の課題本。
本当は図書館で借りた単行本バージョンを読んだのですが、表紙写真が登録されていないようなのでこちらを。やっぱりこの「うがーっ」て顔写真がないとね(あれ、でもびみょーに顔が違うな。文庫版の表紙は単行本1ページ目の写真みたいだ)。
1978年に初版刊行というから、かれこれ30年以上前だ。旅日記の古典的著作と言えるだろう。「オーパ!」とはブラジルで使われる感嘆詞。題名のごとく、作者・開高健が魚を追い求めてアマゾンを旅する、驚きと発見に満ちた紀行文。軽妙洒脱な文章に加えて、写真も豊富で楽しい本だ。今現在のアマゾンがこの当時とどれほど変わっているのかよくわからないが、まるで一緒に旅をしているかのように、おしるこのように濁ったアマゾンに遊び、魚と格闘し、贅沢ではないけれどうまい物を食い、舟に揺られた気分。それだけに、都市に舞い戻った途端に作者が漏らす「滅形」という言葉は、それまでの楽しさと打って変わった重い暗さがある。自分の形を保っていられないほどの憂鬱とでも言えばよいのか。祝祭たる旅とそこから日常に戻る落胆との落差が激しい。そんなことも含めて、「人はなぜ旅に出るのか」の1つの答えとも言える本だろう。
*ボニータ(美女たち)と並んだピラーニャの写真が秀逸。笑った。
*初読は確か、20年くらい前。叔母の家に下宿させてもらっていたときだ。『オーパ!』も『オーパ、オーパ!』も、叔母の本棚から借りて読んだ。有吉佐和子の『和宮様御留』も、それから確か山口瞳もここで知った。ちょっと懐かしい本棚だ。
*百年読書会、3月は三島由紀夫の『金閣寺』。2月はちょっと出遅れてしまったので、3月のは早めに読もう〜(とここには書いておこう〜)。
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開高健が1977年に約70日に渡っておこなった、釣りを主眼とするアマゾン河旅行の記録・旅行記である。久しぶりに本当に面白い本を読んだ気がする。文句なしの5点満点であり、満足。何故か開高健って最近になるまで読んだことがなかった。少しお恥ずかしい、という気もしないではないが、もともと系統だてて本を読んでいるわけではないので、読み落としている作家は沢山いると思う。開高健の本、ほとんど読んでいないということは、これから沢山読めるということで、楽しみだ。旅行が好きなので、旅行記の類はけっこう沢山読んでいる方だと思う。が、あまり面白い旅行記にあたった経験がない。沢木耕太郎の「深夜特急」、小田信の「何でも見てやろう(題名これで良かったっけ?)」、金子光晴の一連の旅行記、くらいが、とても面白く読めた旅行記だったが、この「オーパ」はそれに匹敵するくらい面白かった。あまり面白い旅行記がない、というのは、旅行というのは読むものではなくて、行くものだ、ということなのだと思う。面白い旅行記というのは、読むとむしょうに旅行に行きたくなる、「こうしてはいられない」と感じるような、そんな内容のものであり、これも、結局は、自分が旅行に行く(であろう)ことが、あるいは行きたい気持ちを掻き立ててくれることが、面白さの理由なのだろうか。
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釣りや宝石、市場、女性…その土地のドキドキする暮らしぶりを描く開高さん。その中に必ず出てくる土地のお酒がおいしそうでおいしそうで…!それが、小学生の頃でした。金子
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プロローグが秀逸だった。時折垣間見える日常へ戻ることへの憂鬱さが印象的だった。自由に生きているように見える人なのに。
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菊谷匡祐の解説によると、この作家はテーマを展開していくプロセスの文章表現に非常な情熱を注ぐからで、言葉が言葉と連結し、重層的に重なり合い、おそろしく密度の濃い文体ができあがります。
そんな感じでブラジルフィッシング70日間の旅を描く!
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どろどろの河の水や、蚊にまみれた大気、陰部を襲う蚤などの細部を通して、当時のアマゾンを無駄なく描いているエッセイ。
自分の置かれている環境にへどが出そうな時に、1ページ1ページ噛みしめるように読み進めた。その時間だけはアマゾンにワープ出来ることが幸せだった。
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(1981.03.23読了)(1981.03.21購入)
内容紹介
ジャングルを蛇行するアマゾンは魚たちのユートピア。名魚トクナレや殺し屋ピラーニヤ、黄金の魚ドラドなど、巨魚・怪魚を求めて褐色の大河に挑んだ60日、驚異の16、000キロ。
著者 開高健 カイコウ・タケシ
1930年、大阪市生れ。
大阪市立大卒。
1958年、「裸の王様」で芥川賞を受賞
1960年代になってからは、しばしばヴェトナムの戦場に赴く。
1978年、「玉、砕ける」で川端康成賞
1981年、一連のルポルタージュ文学により菊池寛賞
1986年、自伝的長編「耳の物語」で日本文学大賞
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はるばる南米はブラジル、アマゾンの奥地に出掛けての釣りエッセイ。当時のアマゾンの圧倒的な自然、ピラニアの牙のすさまじさ、巨大魚ピラルクーの雄姿、乱獲により姿を消しつつある水辺の生き物たち。そこに暮らす人々の姿、とりわけ男たちの堂々たる怠惰ぶり。首都ブラジリアの壮麗たる奇観。
読んでいて非常にワクワクする一冊だった。うっかり死ぬまでに一度は行ってみたいという気持ちになって困る。困る……。
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開高健によるブラジル釣行の一部始終。
これ一冊でブラジルに行った気分になれる優れもの。グルメ書物としても素晴らしいものがある。
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芥川賞作家、開高健のアマゾン紀行。オーパ!シリーズの一つ。
タイトルの『オーパ!』とはブラジルで驚いたり感嘆したりする時に発っせられる言葉だそうだ。そのタイトル通り、この本はオーパ、オーパの連続である。特に、ピラーニャ(ピラニヤ)の記述の凄さには思わず言葉を失う。
開高さんの文章だけではなく、高橋昇さんの写真にも圧巻!この作品で木村伊兵衛賞の最終候補にまでなったそうな。
下品な表現は多いものの、開高さんの豪快な筆致によって、それらの表現がかっこよく感じられるから不思議。けっこうゲラゲラ笑えるところもある。
釣り好きは必読の書!開高さんの別の作品『フィッシュ・オン』と合わせと読むことをオススメします。
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一時間、幸せになりたかったら酒を飲みなさい。三日間、幸せになりたかったら結婚しなさい。
開高健、アマゾン河、醍醐君、ピラルク、ドラド、ピラーニャ、カンジェロ、サンタレン、高橋君、モンテ・カルメロ号、森君、菊谷君、トクナレ、ピラルク、ライムンド、ファリーニャ、クイヤバ、ピンガ、ブラジリア
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開高健がブラジルで釣りをする本。表紙でもお分かりかとおもいますが、ピラーニャの恐ろしさを改めて知りました。それと、釣りは楽しそうだと素直に思いました。
作者については、今あまり見ないとてもおしゃれな言葉遣いをする方だと思う。雲塊とか。
当時のブラジルの様子も分かりますが、今またどうなっているのか、確認するためには自分で行ってみるしかないでしょうか?
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オヤジ臭が漂ってきそうな内容だけど、面白かった。
今となってはすっかり有名になったアマゾンの魚たちが、未知の生物として描かれていて、当時の興奮を感じる。今から20年前当時の時代に読んだら、驚愕だっただろう。むしろこの本で有名になったのかな。
つまらない時代になってしまったのかもしれない。
けれど、やはり聞くのと見るのでは大違いなんだろう、という期待を感じる。
「ピラニアは本当は臆病な魚で、人間なんか襲わない」というのがアクアリストの通説で、皆アマゾンに行ったことも無いのにドヤ顔で語る(私の事です)。でも、ここに描かれているピラニアは、恐ろしく、どこかひょうきん。カンディルとは違い愛されているのが伝わってくる。
都会にいると具合が悪いのが、大自然の中にいると吹っ飛ぶのは、とても共感できる。
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アマゾンを舞台に、自然の神秘と脅威を始め、そこで生きる人々の営みや自然を前に感じた想いなどをカラー写真と文章で綴る、釣り中心のブラジル紀行。
写真からも感じる蒸した空気、そこかしこに漂う生臭さ、照りつける日差し、四方から聞こえる動植物の音。まるでその場にいるような臨場感です。無茶できる時期にこの本を手に取っていたら、きっとブラジルの熱帯雨林に飛び立っていたと思います。自然への畏怖と、身体的に危険な面は重々承知の上でそれを越える好奇心に掻き立てられます。
衝撃的だったのは見開き2ページ使ったアラクーという魚の散々たる姿。針にかけて5分ほど川に付けていざ水からあげてみると、残っているのは頭と背骨と尾びれのみ。ピラーニャ(ピラニア)によって肉はきれいにはぎ取られています。当のアラクーは自分の身に何が起こったのがまだ理解できていない様子でぴくぴくと動く始末。恐ろしい光景ですがピラーニャの神業に感動すら覚えました。
30年以上前に書かれた本なので、当時と比べて海の生物について判明していることも多いだろうし、現地の文明も随分と進んでいるはずです。とは言え、自分の目の前に広がる世界は極々一部、世の中は未知に溢れている、という気付きとワクワクが同時に溢れてくる内容でした。
視野が狭くなっているなぁと感じた時にこの本を手に取って、時間に囚われない大らかな心を取り戻したい。
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30年以上前の本で、当時のアマゾン河体験記といったところ。ピラニヤやカンジェロ(肉食ドジョウ)の生々しい恐怖体験に行ってみたいような、でも行きたくないような気持ちを思い起こされる。
ことさら、ピラニヤについての記述はリアルで、思わずピラニヤの捕食シーンを動画で見てしまったが、牛や大蛇が数分で白骨化するのは鳥肌がたつ衝撃。
ただ、旅行記を読んでいるというだけで、本書から何かを得ようとしていた自分には肩透かしだった。