紙の本
コージー・ミステリって、若竹作品が一番
2011/04/22 08:02
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紫月 - この投稿者のレビュー一覧を見る
プラスマイナスゼロを読んだら、若竹作品を猛烈に読みたくなってしまって、本棚を漁った。そこでまず手にしたのが、本書。
『猫島ハウスの騒動』。
……って、タイトルからして可愛らしい。
舞台は架空の街、葉崎。さらに詳しく言うなら、葉崎市の猫島海岸と干潮時には歩いて行き来できるという島、猫島。
この猫島、名前の通りにたくさんの猫が暮らし、島のあちこちには観光客目当てに『猫の安らぎ』『猫のため息』『猫の満腹』等、愛らしい名前をつけた入り江などもあるという、小さいけれどちょっとした田舎のリゾート地。
時はシーズンたけなわの夏休み。
家業の『猫島ハウス』なる洋風民宿を手伝う、高校生、響子ちゃんの周りで巻き起こる事件の数々。
ナイフなんて物騒なものが登場し、過去の三億円強奪事件も顔を出し、殺人事件なんかも起きるのだけど、舞台はのどかだし、やたらと可愛らしい猫が闊歩しているし、人をくったようなキャラクター満載で、緊迫感のないことはなはだしい。
それでも事件はきっちりと起こって綺麗に幕を下ろし、ちゃんとしたミステリとして謎解きもできる。
あぁ、やっぱりコージー・ミステリって、若竹作品が一番だわ、と再認識させられる作品だ。
ちなみにある日の猫島ハウスの夕食メニューは、以下の三品。
・葉崎牧場の特製フィレ肉のステーキ(空豆のバターライス付き)
・猫島近海でとれた新鮮な金目鯛のアボカドソース(夏野菜のソテー付き)
・「猫アイス」(ソフトクリームを皿にひねりだし、冷凍フルーツと猫の形のクッキーを添え、チョコレートソースで猫の顔を描く)
なんて美味しそうなんでしょ。
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猫で観光を成立させている島が舞台のライトミステリ。ライトさ赤川次郎並。どこめくっても猫なんですが個々の猫描写がそれほどでもないせいか、猫ラブ的な空気は薄いです。別に悪くはないけど取り立てて良い思い出も残らない感じ…。カバー裏のあらすじが何か猫主役っぽい書き方で謎だったんですが、本編のラストの持って行き方、あれはないよな…さすがに…。
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日本のコージーミステリーの名手
全篇に流れる空気は、『古書店アゼリアの死体』や『ヴィラ・マグノリアの殺人』と同じ
ノスタルジックで、カラッとしていて、ちょっとシニカル
上質なひまつぶしとして、海外ものは結構あるけど、和ものは貴重
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文庫待ちしていた本だけど、待ってた分、期待しちゃっていたのか、ちょっと期待はずれ。無駄にエピソードが多くて。表紙の響子ちゃんが主人公って訳でもない感じの展開だし。
猫島が舞台なんだから、もっと猫好きが萌える猫の登場場面であって欲しい〜。数だけいればいいってもんじゃないし、猫が死んでいる場面があるのはもってのほか。小説で人が死んでも、猫が死ぬのは嫌なんです。
クライマックスでやっと、ちょっと満足だったので★3つ。
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若竹氏の作品は安定して面白いんだけど、出演者(?)と目くらましのような出来事が多すぎて混乱してくる。
でも「そこにつながっていたのか」という種明かしも楽しい。
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いたる所にネコ猫ねこばかりの島。
これは確かに猫好きにとっては楽園ですね。
そして不要になった猫を捨てようとする身勝手な人にとっても
かなりな楽園ですね。
猫のぬいぐるみから起こった奇妙な事件が
まさかこんな状態に~という感じです。
イラストの猫も可愛いので、猫好きには楽しいかも?
ただ、最後にまったく関係ない人が紛れ込んでくるのが…。
穴がなくなっていいのですが、ちょっとしらけてしまいました。
そして関係ないですが、結局修学旅行
一体何が起こったのでしょう?
どうでもいい、気になる謎です~!!w
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葉崎市の海に浮かぶ人口30人ほど・100匹以上の猫達が暮らす通称・猫島。
舞台設定にまずにゃんこ好きは飛びつき……。
島で起きた殺人?事件を追う刑事が猫アレルギー?!の設定に奇妙なシンパシィーを感じ(注:おいらは埃あれるぎ~、グシグシしながら野良と戯れ)
コージーミステリの妙にどっぷりと浸れる逸品でしたよ~。
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今回はちょっとゆるかったなー
人物造詣もトリックも
そこそこ楽しめはしたけどいつもの毒が欲しい
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葉崎シリーズはこれくらいユルくて、だらだら読めるのが有り難い。鋭さは猫のふわふわに緩和されたのだと思う。
猫好きには非常に素敵な時間となるだろう。お風呂とか、移動中とか、お菓子でも食べながら。。。それこそ猫を膝に寝そべらせて。
デビュー作がやっぱり一番なのだけれど、このシリーズもとても好きです。シリーズなのがうれしい。高校生二人にはまたお目にかかりたいなあ。ガスマスク刑事にも。
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以前読んだ猫ポリスDCの事件簿と同じ
ポリス猫DCが活躍するお話です。
出版されたのはこちらの方が先だったようですが、
知らずに逆で読んでしまいました。
特に困ることはなかったですが、
やはり順番に読んだほうが
島の開発具合が分かりやすいです。
このノリ、結構好きです。
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さすがの安定感。程よいユーモアとややこしすぎない展開で、さくさく読める。「猫好きにはたまらない」とか言うのはあまりにもべたかなあ、という気がしなくもないけど、ほんとに猫の描写がいいんだよなあ。
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ただの猫好きってだけで手にとりました。
とても読みやすく面白かったと思います。
DCが主役の方も読んでみたい。
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葉崎シリーズ・・というんでしょうかね。なんとなく江の島あたりを想像してしまう舞台ですが「あくまで架空です」とはっきり書かれています。はい。
これまでのシリーズもそうだったんですが、どうにも作者の書き方みたいなものが馴染めない。ミステリとしてじっくり謎を解明ってのでもなさそうだし、「軽い読み物」にしてもどこを焦点としているのかいまいちぴんとこない。いろんな人物がそれぞれちょっとずつって焦点の当て方だと思い入れができにくいというか。うーん。ちょっと違うかな?感想が難しいな。
読み終わってみて「そういうことだったのか!」って謎に感嘆するわけでもなく、「魅力的なキャラがいっぱい!」とかでもなく、じゃあ雰囲気が・・というのもなんとなく。。。
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「猫は知っていた」の解説で紹介されていた。
夏のじりじり暑い中、伸び切った猫と元気な女子高生がゆるく活躍。
殺人も起こるのに、なんかのんびりとした雰囲気で、肩こり無しで読める。
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4
猫好きでもなんでもないのであまり期待していなかったが、案外面白かった。こんなに“猫”という字が出てくる本を読んだのもおそらく初めてだし、今後もないだろう。
所謂“葉崎市シリーズ”の中の一作で、基本的に他の作品からは独立しているのものの、ちょいちょいネタ的に『ヴィラ・マグノリアの殺人』や『古書店アゼリアの死体』の関連ワードを放り込んでくるのが、マニア心をくすぐる。共通キャラクターである駒持警部補を別にしても、例えば『アゼリア』に登場する葉崎FMのパーソナリティー渡部千秋が相変わらずハードワークしていて苦笑させられたり、『ヴィラ・マグノリア』に登場した双子の小学生が高校生となって出てくることから、あの事件から5年以上経過していることがわかったり、その双子の下の名前は出てくるが、名字が明らかにされていないことからちょっと妄想を膨らませてニヤニヤしてみたり、ハードボイルド作家の角田港大やスキンヘッドの児玉不動産が健在であることもうかがえたりと、かなり楽しい。
登場するキャラクターは皆個性的だが、意外と人数が多く、しかも人間関係も入り組んでいるので、頭で相関図を描きながら読むと混乱しない(実際に書くのも良い)かもしれない。
それにしても上手い。簡潔、明瞭、軽快にしてリズミカルな筆致。巧です。