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何と深い愛に包まれて我々は育ったのだろう。
日頃何気なく読んでいた児童文学に、明治から昭和初期の激動の時代の女性作家の子供達に向けた慈愛が隠されていたことを知らなかった。
迫害・貧困・震災・戦争から子供の夢を守ろうとする一途な思いに、思わず涙がこぼれた。
曾てラジオのおばさんとして子供たちに語りかけた村岡花子氏は、子供のための翻訳書を通して、没後も子供たちに語りかけているようだ。
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次の朝ドラの原作と聞いて興味がわいて購入。
すごいと思ったのが、花子という人は晩年にアメリカに渡るまで、外国生活ゼロであれだけの英語を駆使できるということ。
それにしても、花子が声キャンキャンの吉高由里子で耐えられるかなあ。
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201403/同時代の他作家に比べ、偉業の割にはその人生が語られる機会が少なかったと思うので、こうして知ることができてよかった。お孫さんによる執筆だけど、変な身内感もなく一作品としても素晴らしい。それにしても花子に限らず(そして有名無名年齢問わず)この時代の少女達・女性達の情熱と力強さには頭が下がる思い。そしてミス・ブラックモアの卒業生への言葉(文庫P107)も素晴らしい…。
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「赤毛のアン」の翻訳で有名な村岡花子。
孫娘でライターの著者が書いた、その生涯です。
NHK朝ドラの原作。
戦時中に翻訳を始めていたいきさつから、始まります。
そこから遡って、貧しい暮らしをしていた大勢の兄弟の中から、長女のはな(後の村岡花子)一人だけが東洋英和女学校の給費生として学ぶようになったこと。
東洋英和が、カナダ人宣教師が開いた学校とは知りませんでした。
奇しくも、モンゴメリと同世代のカナダ女性に教育を受けたのですね。
柳原白蓮と友情があったという、意外なつながりも。
若くして離婚した後の白蓮が女学校に入り直していた時期で、年上の美しい親友が出来たわけだったのですね。
九州の炭坑王との急に決められた再婚に怒り、純情な花子は披露宴にも出席を断ったとか。もっともすぐに和解し、後の出奔と再婚にも理解を示したようです。
花子自身は出会った男性・村岡と愛し合って結婚し、出版社を営む婚家にも認められて幸福でしたが、震災で工場が倒壊してしまいます。
さらに長子を疫痢で失い、戦時中にも苦難があったそうです。
夫の村岡は最初の妻を病気を理由に離婚していたので、花子は不幸に見舞われた後になって、他の人のそんな苦しみをおもんぱかることもなかったのがよくなかったと胸を痛めたそうです。
ラジオの番組で有名だったことも、知りませんでした。
70過ぎてのアメリカ旅行で、着物姿で通し、きれいな英語を喋ると驚かれたり。微笑ましいエピソードも色々。
プリンス・エドワード島には、ついに行かなかったのですね…
機会があったのに延ばしたという、気持ちはわかるような気もします。
しかし、「赤毛のアン」て、ものすごくたくさんの版で出ていたんですね~ちょっと調べたら、感嘆しました。
私は子供の頃からずっと村岡さんの訳で「赤毛のアン」ブックスを読んでいたんですよ。一時はお気に入りのところを暗記しているほどでした。
他の翻訳にも何かしらよさはあると思いますが、いま一つピンと来ないんですよね。
村岡花子は明治26年(1893年)生まれ。昭和43年、75歳で没。
著者は1967年生まれ。
1991年より姉の美枝とともに「赤毛のアン記念館・村岡花子文庫」として資料を保存。
この本は、2008年6月発行。
2008年は「赤毛のアン」誕生百周年だったのですね!
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もっと早く読んでおけばよかった。
『赤毛のアン』は高校時代に読んでいる。
しかも、村岡花子とは同郷。
県立文学館で展示も見たことがある。
だけど、有名な作品を翻訳した人という認識しかなかった。
こんなに、強く逞しく優しい女性だったとは。
彼女の功績は翻訳だけにはとどまらない。
とても真似できないくらい、カッコいい生き方だ。
再び『赤毛のアン』シリーズを読もうと思った。
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小説家が本職ではない人の作品だからか、物語としてはあまり楽しめなかった。だが、あの時代を生きた人の伝記としては純粋にすごいと感じた。
やっぱり『花子とアン』をテレビで見てからの方が楽しめるのかな??
2015/06
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「赤毛のアン」全10巻を夢中で読んだ十代の頃、翻訳者の生涯については考えた事もありませんでした。
村岡さんの寄宿舎での青春時代、親友、婚約者との手紙のやり取りなど、アンの物語がところどころに重なってきます。
キリスト教信仰に基づいた女子教育・英語教育を受け、カナダ人宣教師との交流、日本文学界との交流を広く深く持った村岡さんだからこその、生き生きとした美しい日本語訳に今納得しました。
空襲の日々、命がけで訳してくださった村岡さんに、感謝の気持ちでいっぱいになります。
近いうちにまた全10巻、読み直そうと思います。
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図書館関係者としては「道雄文庫ライブラリー」の話を面白く読みました。渡辺茂男、石井桃子との関わりにも言及されています。
白蓮さんとの親交は朝ドラで取り上げられると聞くまで知らず、意外な繋がりに驚き。ただ自分的には林芙美子との友人関係の方が意外でした。最もかけ離れた2人に見えたためですが、エピソードの読後は大いに納得。
ちなみに自分、赤毛のアンは第一シリーズしか読んでおらず、思い入れも薄い筈なのに、結構色々な場面やアイテムを鮮烈に覚えてるのが長年不思議だったのですが、今にして思うと村岡女史の翻訳の力も大きかったのかも?と少し思っています。
現時点で朝ドラ『花子とアン』はまだ始まって2週目ですが、既に史実と異なるフィクションが多く見られます。今後の展開が楽しみです。
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連続ドラマ『花子とアン』の原案、ということで読んでみました^^
『赤毛のアン』はアニメでちらっと、村岡花子さんなる人物のことは聞いたことあるかなぁ程度(汗)ハズカシナガラ
それでも、お孫さんにあたる著者が書いたこの評伝、なかなか興味深かったです。村岡花子が「アン」を翻訳したこと、これはもう運命としか言いようがないですね。
また、著者もあとがきで書いておられましたが、
どこにでも図書館があって自由に本を読めること、子供たちのための読み物があること、さらには女性が一人の人間として生きること・・・・。今の時代、私たちが当たり前のように手にしていることが、先人達の熱意と努力の賜物であることに改めて気付かされました。
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村岡花子さんが、厳しい中で赤毛のアンを翻訳してくれて、私たちに届けてくれたことに本当に感謝したいと思った。
そして、十代前半の大事な時期に、「女の子が通らないといけない道なのよ」と、赤毛のアンを与えてくれた母と伯母にも、改めて感謝。
花子さんとご主人の恋愛も、とてもとても素敵。手紙って素晴らしい。
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積極的に自分の文学人生を切り開いていく
村岡花子さんと、同時代の女性文学者との
交流の様子が興味深かった。(林芙美子、百蓮、片山
廣子、吉屋信子など)
赤毛のアンというタイトルをつけ、のちに
評論家となる三笠書房の小池氏の話も
面白かった。
次々と、村岡さんに関連して、読みたい本が増えてくる~そんな一冊。
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読むものがなあんにもない状況で、とりあえず本屋さんで購入した1冊。赤毛のアンシリーズは、私が中学生の頃、新刊出るたびに、楽しみに読んだ思い出のシリーズ。そうか、翻訳する村岡花子さんが、ワクワクして訳して下さったから、読書である私も、ワクワクしたんだ!と、30年の時を経て、納得したのでした。この世に、あってよかった、と思える人間以外のものは、私には、お酒と本かな、と思います。あと、音楽。
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朝ドラの原案本。赤毛のアンを読まずに育った僕が言うのもなんだが、今この時代に村岡花子の生涯がドラマ化されることに、とても大きな意味があるような気がした。
まずは、翻訳というものの価値。グローバル化が進み国際交流が進むと、より大事になってくるのが翻訳だと思う。日常会話レベルのコミュニケーション能力をより早期から教育することを要請される時代こそ、もっといろんな国の文章が翻訳されて欲しいと思う。勤勉に学び、翻訳を通じて児童文学の発展に貢献をしたということにまずは敬意を表し、改めて自分も児童文学を学び直したいと思った。
そして大正デモクラシー、関東大震災、第二次世界大戦という大きな物語を生き抜いた一人の女性の人生として読んでみても、凄い。まだ参政権すら与えられていなかった時代の農民の娘が、独学で英語を習得し、自分の信念に基づいて生き抜いたという「自立心」。
庭にこども図書館を作ったという花子。子供たちに「良質な物語」を送り続けることは時代を超えて大きなテーマだと思う。アニメの世界には、今まさにそのような豊かさがあると思う。活字の世界はどうだろうか?「わくわくすること」をきちんと生み出していけるか、が問われる。「花子とアン」の世界観は、大人にそれを気付かせてくれるものだと思う。
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2014年9月27日土曜日。NHK朝の連続テレビ小説(朝ドラ)の原案になった本書。
あまりにもドラマがひどい内容だったので、「村岡花子の生涯」がどんなものなのか知りたくなり、ドラマと並行して読んでおりました。
読了してみて、村岡花子さんの本質を少しでも脚本に生かせなかったのかと残念でなりません。
生い立ちから死去までのことを孫である理恵さんがまとめております。
中学生の時に「赤毛のアン」と出会った私は、翻訳者の名前を覚えることはなかった。
作者のモンゴメリとアンの名前だけが強く残ってしまった。まあ、ドラマのおかげで「村岡花子」という存在を知ることができたので、唯一の幸いだったのかもしれません。
花子さんの人生の中で、名だたる文学者や作家の名前が出てくるので、改めて驚きと感動を受けました。
ドラマの中で中途半端な花子さんにされてしまったので、ぜひ、この本を読んでほしいです。
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NHK朝ドラを深く知る為に購入。
今、日本は平和であるが、花子さんの生きた人生はそうでなかった。
花子さんの孫娘が描いた、祖母の生涯。
恵理さんもただ者ではないわ〜
これからの「花子とアン」は、もっと深く感情移入出来そうな予感。
'14.04.26読書完了