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吉高さんでは、朝の連続テレビの主役としてはフレッシュさがない、新人女優が良いのでは、と感じていましたが、この本を読み、これだけいろいろな困難を乗り越えた人生ならば、新人には演じきれないなと思いました。吉高さんでピッタリ!
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村岡花子は少女期にカナダ人宣教師からカトリックの教育を受けてのびのび育っている。一方で、国内文学や明治期のいわゆる少女向けで教育的でない本(ジェーン・エアとか)は読めなかった。色々な窮屈さを自分の胸のうちだけに秘めている部分もあったり。
そんな彼女が寄宿舎の友人や佐々木信綱といった歌人やプロレタリア文学女性作家の影響を受けつつも、自分の道を進んでいく様子が描かれる。読んでいて明るくなれる。孫娘の方が書いた評伝だが、必要以上に肉親に肩入れせず淡々と、センチメンタルにならずに時代背景をしっかり書いていて良かった。
梨木香歩の解説より抜粋。
何よりも花子自身が、軍事色一色の世界の中、心の深いところで、アンの物語を必要としていたのではないか。本書を読んでいると、そのことがひしひしと伝わってくる。狂奔する世界の中で、正気を保つよう彼女を守り続けたのは、ほかならぬ、疎開もせずに彼女が守り続けた蔵書や翻訳作業そのものだったのだ、ということが。「命に代えても」という言葉は、こういう関係性の中で生まれてくるものなのだろう。
クリスチャンであることと、花子の生き方は切り離せないものだった。だが、花子は同じクリスチャンであるはずの母の死に際しては、仏式で送った。生存中は、熱心なクリスチャンであった夫に従い、自分の意見を言わずにいた母であったが、実は仏教に深く傾倒していたことを、花子は知っていたからだ。花子が旧弊な家制度に疑問を持ち続け、女性の社会的地位確立のために働いた原動力の一つには、そういう母の姿もあったのだろう。花子は、母の最期を、家や夫に従属しない個人の姿で送りたかったのだろう。
実際に訳された『赤毛のアン』でいうと、私は松本侑子さん訳のほうが好きだ(シェイクスピア、聖書の引用や『~アン』が書かれた当時の社会背景が注釈されていてモンゴメリ自身の読書体験や境遇がアンに反映されているのがわかるので)。
『アンのゆりかご』は一人の女性翻訳者、キリスト者の評伝として興味深い一冊だった。
2.27~4.27
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朝ドラ「花子とアン」の原案作です。
時代の波に揉まれながらも、日本に児童文学の種をまいてくれた信念に強い憧れを覚えました。
翻訳を志す後輩に、まずは母国語をしっかり勉強なさいと伝えるエピソード が印象的です。
女性の地位向上のために、政治的な活動に参加していたのも意外といえば意外なのですが、そこで広岡浅子とも面識があったりして驚きました。
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『赤毛のアン』翻訳者・村岡花子の伝記。
NHKの朝ドラでやっていた「花子とアン」は、ドラマとしてエンターテイメントを重視したものなので、あれこれ違うとつつくのは不粋というもの。
でも、花子は本当に多くの本を読んで育ち(学校で認められたことを蔵書)、成人になってからも、多くの著名人たちとの交流があった。ここん所は、省かないでほしかったな〜
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NHK朝どら「花子とアン」の原作。明治生まれの女性の強さを感じる一冊である。女性が、学業、職業、政治において差別を受けている時代背景の中で、力強く生き抜いたことに感動する。
戦争が大変な出来事である事に間違いはないが、村岡花子氏の生涯を俯瞰するとほんの一時の出来事に過ぎないとすら感じてしまう。それは、戦争などよりも文学に対する思い入れの方が遥かに大きかったからに違いない。
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例に漏れず、朝ドラから飛んできました。赤毛のアンは中学の頃、すごくはまって、近所の書店で新潮文庫を1冊づつ買って読んでたな。でも、村岡さん自身のことはモンゴメリの訳が多い方だなくらいしか思ってなかった。
評伝としては情が強すぎて文芸書っぽい。でもだからこそ読まれるのかな
ドラマは時系列が多少ずれてたり恋バナが勝ちすぎるところがあるけど、史実事実に忠実にドラマ化してもとても捕まれるものがあるなと思いました。
ビックリしたのは敬(本当は人偏に敬)三さんの花子に宛てた手紙なのだけど、本当に明け透けに好きだ好きだと臆面もなく書きおって(いや私信だから公開されるとは思ってなかったはずだけど)なんか羨ましいぞコラ。子どもを亡くしたり震災や戦争があったけど、総じて幸せだったように見える。
何より私の大事な思春期に、間違いなく私の基礎のひとつになった赤毛のアンをどうもありがとうございました。
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朝の連続テレビ小説のベースとなった本。翻訳者村岡花子さんの生涯をお孫さんが綴った本。
女子の英語教育という点が、私の母校創設者と重なったため掘り下げて読みたくなったが、時代やステージがあまり重ならなかったよう。でも、この時代を生きた女性の力強さを感じた。いまや当たり前の権利となっている、教育を受ける権利も婦人参政権も、はたまたバリアフリーも、この方々の努力の賜物だったのだのですね。
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翻訳家・村岡花子さんの評伝。NHK朝ドラにすっかりはまり手にした本書では村岡花子さんの生涯を孫にあたる恵理さんが順を追って丁寧に描く。
ノンフィクションだからこそ知れる村岡花子さん像は、まっすぐ芯の通った落ち着きのある姿。混沌と大きな変遷を辿った時代に立ち上がる女性たちの一人として時代を担った彼女は、当時では一握りしかいなかった教育を受け、多くの出会いのなかでご主人の支えや多くの女性たちとの交流を通して活躍の場を広げていった。仕事と家庭を両立させ、たくましく時代を生きた村岡花子さんを前に背筋が伸びる。
戦火のなかでも『赤毛のアン』を世に出すため命からがら翻訳に勤しんでいたという事実には脱帽。現代でも尚多くの人に愛されている名著となっていることを、ぜひご本人に知ってほしいと願うばかり。
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朝ドラ「花子とアン」の原作です。恵理さんは花子さんの孫になります。正確には妹さんの娘さんを養子に迎えてその娘だそうです。でも、文才を確実に受け継いでます。上品で凛として素晴らしい文章なのです。ドラマもすごく良くて初めて朝ドラを録画しています。登場人物も魅力的です。いろんな面でこれから勉強したい分野です。
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NHKの朝の連ドラの原作。
「赤毛のアン」を翻訳した村岡花子さんの生涯をお孫さんが綴りました。
赤毛のアンは子供の頃から大好きで、何度も読んだ本でしたので、とても興味がありました。
戦前の女性が学問に励んだり、お仕事をすることはごく限られた人しかできなかったであろうと思う。
仕事だけに没頭するのではなく、家族や子供を第一に思いながら仕事も精力的にこなすなんて、並大抵の努力ではないだろうに。
楽しく優しい様子が伺える。
すべての事に愛情を注いでいるから、長い間多くの人から愛される「赤毛のアン」が生まれたのだと思いました。
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「人間は最上のものを知らなければ、第二のもので満足できる。然し、長い間第二のもので満足していた後に、最上のものにめぐり逢うとしたら、それは不幸にもなり得る。」
「咲けば散り 散れば踏まるる花の身は つぼみの日こそ恋しかりけれ」
有名人続出でびっくり!
花子さんはこの時代の人だったのか!
偏見のない、純粋な人と人とのつながり。腹心の友。心から愛する人。
自分が進みたい道だったのかは別としても、自分の心に忠実に、誠の道を進まれたのだと思う。
とても読みやすく、興味深い一冊。
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「花子とアン」で興味を持ち読んでみましたが、こういう話苦手でなかなか読み進められませんでした。テレビでは結構変わっているところも多いので、テレビはテレビで楽しみつつ見ようと思います。
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ドラマ「花子とアン」は、大変良くこの伝記…というか
ルポを「人の演じるもの」として具体化している
と思います。放映後すぐ読みたかったのにもかかわらず、
今頃の読了ですので、すこぅし熱が冷めて
落ち着いて読めました。
この本の筆致は淡々と清冽で、むしろドラマのような
感情の起伏を削いで、あった事実を丁寧に綴ることで
村岡花子さんという翻訳者・児童文学の専門家の生き方
や、当時のミッション文化(教育・福祉・出版)などに
携わった女性群像と、社会の関わりを伝えていることに
価値があると思います。
著者が村岡さんのお身内でいらっしゃるので、
感情的な身びいきにならぬよう、注意なさったのかも
しれません。心理的な村岡花子という女性の体温を
感じ、当時の女学生文化から、婦人の社会参画運動に
至るまでの流れを背景とした「ひとりの女のこころ」
を感じるなら映像がいいでしょう。
でも、この本は、情緒的な湿度を排した代わりに
知的で率直なルポとしての面白さがあります。
彼女の交友関係の中で、日本の児童文学を支えた人々
との関わりなども見えてきます。
両方を比較なさりながら楽しまれると、より良いでしょうし、今一度、アン・ブックスや多数の訳書に親しまれるのも良いのではないでしょうか。
単なる児童文学・少女小説としての面以外にも
見えてくるものがあるように思います。
子供の頃愛した本に、ここから帰るのも幸せですね。
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この時期にこの本をよむというのは、ミーハー以外の何者でもないのだが、赤毛のアンは、小学校高学年の頃に読み、はまり込んだ作品で、戦前、戦後から翻訳家として活動された方々のその思いたるや如何なものであったのであろうということが知りたくて手に取った。
世相を感じ取ることができ、思想も感じることができる評伝で、生き方からも刺激を受ける方でした。
何よりも驚いたのは、パール・バックの『母の肖像』の訳者が村岡花子さんだったということ。読むのにものすごく骨をおった記憶があり、内容は殆ど記憶に無いけれど、母ってたいへんだ…と思い(中学生だったので、感じられるのはその程度)舞台となった国のことを理解に苦しむ国だと思い、重たい小説だと感じたことだけが頭の片隅に残っていますので、赤毛のアンの訳者さんとはどうしてもつながらなかったわけです。
赤毛のアンのシリーズを翻訳して下さった村岡花子さま。どうもありがとうございました。
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朝ドラ『花子とアン』の原案となった評伝。
村岡花子が『赤毛のアン』を翻訳した人というのは知っていたけれど、カナダ人宣教師のいるミッションスクールで英語漬けの日々を過ごしたこと、彼女自身は結局カナダを訪れることはなかったこと……初めて知ることばかりで、とても興味深かった。
実を言うと、私は『赤毛のアン』はそこまで好きじゃなかった。『あしながおじさん』のほうが好きだった。
多分、物語の筋が分かりやすくハッピーエンドでひたすら明るいから。
今思うと、アメリカ人とカナダ人との違いなのかなあ?
でも、村岡花子さんがモンゴメリ作品の、日常や家族の中から「非凡な平凡」を描くところを愛したという所が、今なら何となく分かるような気がする。
村岡花子訳のモンゴメリを、色々読んでみたくなった。
あと朝ドラも、これをどうドラマとして面白くアレンジしてくるか楽しみー(^^)