電子書籍
タイトルに惹かれた
2016/02/02 11:18
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投稿者:onew - この投稿者のレビュー一覧を見る
枕草子の作者(清少納言)と徒然草の作者(兼好法師)の「美」に対する捉え方の違いを考察してる部分が興味深かった。
紙の本
「美しい」と言ってみたい
2003/02/17 23:40
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投稿者:矢野まひる - この投稿者のレビュー一覧を見る
橋本治「人はなぜ“美しい”がわかるのか」(ちくま新書)を読む。
“美しい”がわかるとかわからないとかいう発想はしたことがなかったけれど、どうして私は“美しい”という言葉を使いたがるのか、ということはずっと気になっていた。例えば玉三郎の娘道成寺を見て。例えばウェストサイド物語の冒頭を見て。例えば新年の川崎大師の人ごみの中に出かけて。例えば「少将滋幹の母」のラストシーンを読んで。
そうしてうすぼんやりと気がつき始めていたこと。あくまで私のイメージなのだが、“かっこいい”という言葉は、自分の中にすでにあるものを引き出すようなイメージに出会ったとき使う言葉だという気がする。良し悪しではないが、価値観を同じくする者同士の間でだけ通じる言葉だ。
一方、“美しい”という言葉は、自分にないもの、自分の価値観の外にあるものでかつ心地よいものに出会ったとき使う言葉なんじゃないだろうか。“美しい”って、絶対に手の届かない他者を意識させられてしまう、とても寂しい言葉なのだ。しょっちゅう会っている友達だって手の届かない他者だ。それがわからない人に“美しい”はわからない。価値観の違う者が集まれば、思ったことを全部何も考えずに口にしたりするラクチンさからは遠くなるかもしれないが、“美しい”に出会える確率はうんと高くなる気がする。
とても寂しいけれど、寂しいから“美しい”がわかる。私は他者と出会いたいから、“美しい”という言葉を使う機会を捜しているんだな、と思った。
うっすらと、そう思い始めていたところにこの本を読んで、すっきり明快になった感じ。橋本治の本は久しぶりに読みました。「徒然草」のくだり、傑作です。ただし冒頭ははいりにくい。
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日常的に自然に使っている「美しい」という言葉、わかっているつもりが、突き詰めると僕達は正確に答えれるのか。そうでなかったとしたら、どのようにしてその言葉の意味を辿っていけばいいのか。橋本さんは、そんな面倒臭いことに果敢にとりくんで、一冊の本にまで仕上げた。そのプロセスには、ああでもなく、こうでないが、いろんな思いが巡らされ、僕にとっては学ぶことがてんこ盛りだったりします。
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美しいと感じるということは対象を見る人の主観に100パーセント委ねられる。全く同意。枕草子と徒然草の比較も面白かった。
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「美」というなんとも曖昧で人によって千差万別なものを、易しく読み易い文章で解き明かす1冊。橋本氏が述べたいことが読み進めるうちに明らかになってくるが、それを延々と、異なる例を持ってきては説明する繰り返しにも思えてしまうのは少々残念。
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正ー直、書いてあることに同感できるかと言われれば「えー……」となるんだけど、なんだか妙に読ませる力を持った新書。実は最後の最後まで読みきっていないのだけど、途中だけで創作のネタが二つ生まれた。
人が「きれい」を知るのは母親が指差して教えていくからだ、とかいう感じの理屈を人なるに採用しました。しかし図書館で大分前に読んだきりなので、本書の正確な主張とは異なっているおそれあり。
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「美しいという事態は人間の利害から外れている」・・だから美しいのだと思います。「あとがきのようなおまけ」の近現代の【孤独】についての解釈は反芻したいところです。
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タイトルにつられて読んだけれど
内容はさほど面白くなかった。
橋本治が好きな人は楽しめるのかもしれないけれど・・・。
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タイトルに惹かれて買ったはいい
けど・・・。途中で飽きてしまいました。
また最初からじっくり読もうかな。
好き嫌いがはっきりわかれそうな本です。
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個人的には無縁と思うことも多い「美しい」についての橋本治の本・・・と思ったら相変わらずの現代社会論にもなっている感じ。
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この本と、「科学的」って何だ!を
同じ値段で売るちくまってわからないと思ってしまう。
科学的がひどいんですよ、もちろん。
橋本治のいつもの調子の話です。
簡単にいうと、美しいを実感して生きようね。
楽しく生きたものが、幸せですよ。もちろん。
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橋本治さんの書かれる文章はちょっとわかりにくい…という声も聞こえてきますが、とにかく最後まで読んでみて欲しいと思います。
私には、共感できる部分が多くて、特に、愛情というのは、人の中に育つものをじっと待ってあげること…という部分とか、自分の中に幸福感がちゃんとあって、それが欠けた状態があって、自分が求める姿を発見した時、人はそれを美しいと感じる…という部分がとても心に残りました。
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美しいを「夕日の美しさ」で切り込んでいくところが印象的。
結局「美しいものは美しいから美しいんだ」っていう話に落ち着ける訳だけど、そこに至るまでに、相当な説明が入ります。
自分には絶対こんな風には言えない。すごすぎます。これももっかい読みたい。
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捨てようと思って再読してしまったよ。改めて読むとめちゃくちゃ面白いなー。/以下適当なメモ。清少納言は、サブカル女子っぽい。自分に無駄な自信があり、うかれているかんじ。一方兼好法師は、サブカル女子が嫌いなオタ男子っぽい。知識としては、美しい物がわかってるんだけど、それをむやみやたらに好きとはいえないし、いう自信もない。なんで、まぁ自虐的に、どうせおれなんてとつぶやいている。/平安時代が、もう日本の文化の最高潮で、一番華やかで「美しい」ものを美しいと屈託なく言えた時代で、すでに鎌倉は、美しいを本当の意味で実感することはできないという意味では、ほぼ現代的だなぁとおもた。鎌倉リアリズムとはよくいったものだぬ。
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美に「=合理的」という側面があるというところ、そしてそれ以外の美しさもあるんだよってところまでは良かった。
それ以降はどうだろうなー
美しいという感覚は人それぞれ、といっては元も子も無いけど、自分を確立する過程と深く関わっている感情であるとは思う。