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人はなぜ「美しい」がわかるのか みんなのレビュー

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みんなのレビュー45件

みんなの評価3.6

評価内訳

39 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

なんていうか、らしくもない、って思うんですね。論のための論の虚しさをヒシヒシと感じます。こんな視点じゃぜったいに『ひらがな日本美術史』は書かれていませんよ

2006/11/16 21:33

6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

橋本の『ひらがな日本美術史』は、随分楽しく読ませてもらいましたが、タイトルから私はこの本もその延長線上にあるものだろうと、まず思い込みました。でも、最初に断っておけば、それは全く違います。
カバーには
・・・・・自分にとって意味のあるものを見つけ出した時、「ある」と思う感情は「美しい」と一つになります。「ある」ということに意味があるのは、すなわち「人間関係の芽」です。「美しい」は、「人間関係に由来する感情」で、「人間関係の必要」を感じない人にとっては、「美しい」もまた不要になるのです・・・・・・
「人はなぜ、「美しい」ということがわかるのだろうか?自然を見て、人の立ち居振舞いを見て、それをなぜ「美しい」と感じるのだろうか?脳科学、発達心理学、美術史学など各種の学問的アプローチはさまざまに試みられるであろう。だがもっと単純に、人として生きる生活レベルから「審美学」に斬り込むことはできないだろうか?源氏物語はじめ多くの日本の古典文学に、また日本美術に造詣の深い、活字の鉄人による「美」をめぐる人生論。」
の二つの案内紹介があります。
読んだ感想は「わからない」です。正直、はっきりしません。例えば第一章。確かに世の中には「なにが美しいかわからない」と言う人がいます。橋本はそれを字義通り受け取り、論を立てますが、そのなかには「なにが美しいか、言葉にすることができない」という人も、「自分なりの考えはあるけれど、恥ずかしいからいいたくない」という人も、「一人一人で考えが違うようなことについて、意見をいいたくない」という人もいるはずです。
同じことが「美しい」が分かる人にも当て嵌まります。機能美という言葉に縛られ、でも実際にはそうでないものに心の安らぎを覚えている人、ほんとうはちょっと違うとは思っているけれど、人にわかりやすく話を纏めることの出来る人、最近の美術館でよく見かける「日曜美術館」での言葉を自分のものとしてかたることの出来る人、他人と違ったことを言いたい人。様々です。
それを無理矢理、「美しい」が分る人、分からない人、に括ってしまう荒技は、すこしも美しくありません。しかも、この一章のなかでも橋本の「美しい」ことの定義は様々に変化します。無論、橋本は自分の乱暴さ、矛盾を十分理解した上で、読者の「美しい」を問うわけですが、それが少しも楽しくありません。理屈のための理屈は、ただ会話を続けさせるためだけの言葉のやりとりが少しも楽しくないように、空しさをすら感じさせます。
「美しい」を「かっこいい」という言葉と関連つけることも、橋本の理屈は分った上で、でも違うと思う人は多いでしょう。
「美しいと思うと、お!となって思考停止、判断停止をする。理性、合理、意志、主体を好む人は、外からの力で判断停止になるのはいやだから、美しいと思う状態を排除することになる。」これも理屈ではありますが「美しい」はもっと柔軟で千変万化するものでしょう。
ま、こう書くと文句ばかりつけているようですが、感心するところもあります。例えば台風の時に見られる空の美しさ。ガラス越しに見る大雨の光景が大好きな私には、橋本のいうことがよく分ります。
夕焼けの美しさだって、分ります。和歌山で家族と見た日没の光景の美しさには「美しい」が確かにありました。それならなぜ「朝焼け」は美しくない?そんなことはありません。夕焼けの持つ暖色こそ少ないものの、モノトーンが静かに色づく様子は、それはそれは素敵なものです。
私には、橋本は自分の思いと違うことを書いている、と思えてなりません。一方で彼の体験の部分、理屈のない単なる意見の部分については諸手を上げて共感の意を表したいと思うのです。それにしても、こんな小難しい理論こそが人から会話を、素直な心を奪うのではないか、私はそう思います。

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紙の本

軽やかで深く、そして、潔い

2003/02/02 01:01

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オリオン - この投稿者のレビュー一覧を見る


 美しさではなく「美しい」、理解するや感じるではなくて「わかる」。書名でのこの微妙なこだわりが、「美しい」が分かる人(本書を読んで「なるほど」とうなずく読者)と「美しい」が分からない人(「なんのことだ?」と悩む読者)の二つのカテゴリーを一つに統合するという「めんどうくさいこと」を試みた、本書のすべてを語っている。

 美を感じることだったら、脳科学がいずれその構造を解明するかもしれない。だけどそれだと、なぜある人には「美しい」が分かり、別のある人には分からないかが分からない。理解力(分かることは分かる)だけあっても、類推能力(分からないことを分かる)がなければ、美は分からない。そもそも「美しい」という言葉は、美しいものに出合った瞬間の「あ……」とか「お……」というつぶやき(思考停止)の中から生まれるものであって、それは「美しさ」が含意する、すでに固定した対象の価値や美に関する知識のことではない。

 「美しい」とは「合理的な出来上がり方をしているものを見たり聴いたりした時に生まれる感動」である。それは「こちら」側の欲望の体系=必要(個人的な合理性)とは無縁である。合理性の基準は「あちら」側にある。だから「対象の美しさが合理的かどうかを判断するのには時間がかかる」。「美しい」は咄嗟に出る感銘の言葉で、「合理的」はそこに後からやって来る「他人の言葉」である。要するに、「美しい」は直接的にはなんの役にも立たない発見である。しかし「美しい」には重大な役割がある。それは「自分とは直接的に関わりのない他者」を発見することである。「“美しい”とは他者のありようを理解することだ」。

 以上が、橋本流美学の原論ともいえる第一章「「美しい」が分かる人、分からない人」のあらましで、以下、ここに出てきた「他者」と「時間」の二つのキーワードに即しながら、「美しい=合理的」テーゼ(「一つになった二つの異質」の典型)をめぐって論は進んでいく。

 ──と、思っていた。だけど、そこが橋本治。一筋縄ではいかない展開を経て、最後に著者は恐るべき言葉を吐く。《個人的には、「世界は美しさで満ち満ちているから、好き好んで死ぬ必要はない」と思う私は、それを広げて、「世界は美しさに満ち満ちているから、“美しいが分からない社会”が壊れたって、別に嘆く必要もない」と思います。それが、「美しい」を実感しうる人というものの、根源的な力なのだろうとしか、私には思えないのです。》

 結局、私には本書がよくわからない。ただ、橋本流美学は、軽やかで深く、そして、潔い。そのことだけは分かった、ような気がする。

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