紙の本
ある意味エンダーよりも凄みのあるビーン
2002/04/19 17:53
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投稿者:かけだし読書レビュアー - この投稿者のレビュー一覧を見る
うーん、凄い。エンダーのゲームにも登場していたビーンの目から見たエンダーのゲーム、といった物語ですけど、これがまた面白い。特に序盤はストリート・キッズとして生き抜く幼児ビーンの姿が描かれてるんだけど、その洞察力と合理的な物の考え方、頭の回転の早さは驚異的。ある意味エンダー以上に凄みのあるキャラクターですね。逆に読んでいるとエンダーが甘ちゃんに思えてくるぐらい。
で、中盤から終盤にかけてはいよいよ舞台はバトルスクールに。エンダーのゲームの裏舞台が垣間見えるような内容で新たな驚きがあったりします。上巻の方は丁度ドラゴン隊が結成されエンダーとビーンの出会いが描かれたところで終了。死者の代弁者がどちらかといえば思想的な物語だったのに対して、こっちは初期のエンダーの雰囲気に近い作品になってますね。ストリート・キッズ時代のエピソードが予想以上に面白かったのも収穫。下巻も楽しみです。
紙の本
人間が作り出した天才児の人生
2001/08/02 11:06
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投稿者:ちゃうちゃう - この投稿者のレビュー一覧を見る
近未来、地球を攻めてきた昆虫宇宙人「バガー」によって、一時は崩壊寸前まで行ってしまった地球。それでも各国はそれぞれ生き残っていた。オランダのロッテルダムは国際自由都市となっていたが、その反動で汚れた暴力とスラム街のはびこる都市となっていた。
その中で捨てられ飢えに苦しむ子ども達「ストリートキッズ」の生をかけた戦いがあった。主人公ビーンはそういう街でたった一人で生き延びようとするちいさなちいさな子どもだった。
その彼の能力を発見したシスターが、彼を「バガー」に対する楯としてバトルスクールへと送り出す。
飢えたことなど一度もない、保護された生活を送っていた天才児達の中で、ビーンはその生い立ちと、超強力な能力を武器に、彼なりの「バトルスクール」に適応していく。
教官を手玉に取り、同僚をコントロールし、そしてやがて出会う指導者「エンダー」。
エンダーとビーンの間の「みぞ」や「違い」が、一種の芳香なスパイスように絡められていて前作「エンダーのゲーム」を読んだ読者にはなんとも奇妙な作品になっている。
前半のロッテルダム時代のビーンの姿は今回初めて読者の前に現れたので、一気にのめりこんでしまうが、後半の「エンダーのゲーム」と重複するシーンは「あれ?この部分は前はどうやて書いてあったんだっけ?」と何度も前作と照らし合わせてしまう。
「バガー」との戦いが終わったあと、最後のシーンにはやはり作者の暖かな配慮があるが、ちょっと物足りないと思ったのは私だけであろうか? 願わくはこの作品の次回作が出てこないかと期待してしまう。
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「エンダーのゲーム」をエンダーの片腕ともいえる存在、ビーンにスポットを当てて書かれた物語。ビーンはエンダー以上の天才だった。面白い作品だが、先に「ゼノサイド」で残された宿題を片付けてほしかった。
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「エンダーズ・シャドウ」読了!
エンダーの影の存在としてエンダーを補佐したビーンが見た『エンダーのゲーム』の真実とは…?恐ろしい昆虫の姿をした異星生物バガーの2度にわたる侵攻をかろうじて撃退した国際艦隊は、きたるべき第3次戦争にそなえ、バトル・スクールを設立した。そこでは未来の指揮官となるべき少年少女が訓練にあけくれていた。スクール史上、最高の成績をおさめたエンダーとビーンの活躍を描きだす『エンダーのゲーム』姉妹篇。 (Amazonより)
オースン・スコット・カードの代表作「エンダーのゲーム(以下ゲーム)」を、別登場人物(ビーン)の視点で描いた作品。
なかなか面白かったです。
「ゲーム」ほどの興奮はなかったけど、そっちを読んだのは子供の頃だしね。
しかし、まぁこの人の書く本は、本当に読みやすいな…
上下分冊で内容もページ数も結構あるんだけど、あっという間に読み終わってしまう。
丼いっぱいのソーメン食べるような感じ。
ま、このひっかかりのなさが、嫌いな人もいそうだけどね。
本作につづいて、ビーンを主役にして、三部作になっとるようです。
エンダーを主人公にした作品としては、「ゲーム」のあとに「死者の代弁者」「ゼノサイド」ってのがあるんですが、時間もだいぶたってて、全然、世界観もテイストも違う話なんですね。
作者としても「ゲーム」で描いたハガーとの戦争とその続く世界を改めて描きたかったということなんでしょう。
機会があれば続きもよんでみまっす!(積極的には買わないんだぜ)
興味のある人はまずは「エンダーのゲーム」がおすすめです。
これから海外SF読みたいって人には、絶好の入門編だと思う。
ハリウッドで映画化企画も進行中だし
作者は本作とゲームどっちからでも読めるって書いてたけど…
「ゲーム」から読んだほうが面白いね、きっと。
本書は現在絶版中みたい…
ま、ぁゲームの映画化にあわせて再版されるだろうけど…
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エンダーの部下で最も優秀なビーン視点の「エンダーのゲーム」サイドストーリー。
ビーンが特別な存在だったというのは「エンダーのゲーム」を読んでるときから分かっていたけど、ここまで優秀だったとは。ビーンが指揮官になってもおかしくなかったかもしれない。
ビーンの出生の秘密、バトルスクールに行くまでの生活の様子、バトルスクールに入学してからの様子……どれも興味深かった。
上巻はエンダー率いるドラゴン隊にビーンが入隊したところで終わっている。下巻ではビーンはどんな活躍をして、エンダーとどうかかわっていくのか。続きを読むのが楽しみ。
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「エンダーのゲーム」は日本語訳刊行当時に大変面白く読んだ記憶があり、このエンダーズ・シャドウは「ゲーム」の映画化をきっかけに読むことになった。
タイトルから想像するようなエンダーの影武者ではなく、遺伝子操作によってこの世に生を受けたビーンこそ、人間の能力の限界を超えた、いわば「ゲーム」の勝敗に直接、間接的に関わる存在だったのが面白い。
これぞ「シャドウ」の醍醐味。
コンピューター並みの演算能力と深い洞察力を誇るビーンだが、だからこそエンダーの苦渋を伴う人間としての決断によって光明を得るという辺りが皮肉。
不幸な生い立ちのビーンこそ、戦後は幸せに生きて欲しい。
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映画化する「エンダーのゲーム」続編というかスピンオフ。本編主人公エンダーを補佐する影であった少年ビーンの視点で「エンダーのゲーム」の裏側・真実が描かれます。おもろいこれ。
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「エンダーのゲーム」を読んでいるからか
「エンダーのゲーム」より面白く感じる。
「エンダーのゲーム」にビーンが登場するあたりで
上巻は終わっていて、「エンダーのゲーム」では
全く描かれていないビーンの過去が明らかになる
わけだが、、、過酷。
そして単にビーンが優秀な子どもというだけではない
謎と秘密も明らかにされていく。
ゲームの結末はわかっているので、
下巻は別視点で描かれるあの物語が楽しみ。
そしてこの物語の結末も。
ただの鼻っ柱の強い、生意気で、賢く
かわいい小僧では、なかったのね。
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ビーンの「エンダーのゲーム」もう最高
表紙 8点加藤 直之 田中 一江訳
展開 8点1999年著作
文章 8点
内容 800点
合計 824点
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ビーンの抜け目のなさと天才っぷりが面白い。エンダーとはまったく違う観点からバトルスクールをHackしていくので、視差小説としての面白さが十分に確保されている。
一方ビーンの出生の秘密に関するくだりは後づけ感が否めず、今のところ不要であるとしか思えない。キリスト教に染まりっきたキャラを一人は出さないと気が済まないのだろうか。
下巻に期待。
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「エンダー」シリーズの発端の時代を別人物の視点で描いた物語。「エンダーのゲーム」同様に「少年の冒険と成長」が語られ、さらにしられざる真実(仕掛け)が明かされることでエンダーの世界をより豊かなものにしている。
すべての「伏線」がオリジナルのエンダーズサーガと破綻なく寄り添いつつ、気持ちよく「回収」されているのが小気味いい。
また、「エンダーのゲーム」同様の構成(大人同士のやりとりが挿入され、本編が進む)は、「エンダーのゲーム」のファンには馴染みがあり好ましい。
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エンダーのゲームをビーンの立場から描いた話。エンダーのゲームから読むこと推奨。エンダーのゲームも面白いが、こちらの裏話もそれにおとらず面白い。