紙の本
電子書籍は紙の書籍の革新なのか,それとも革命が必要なのか?!
2010/09/23 23:04
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
アメリカでは電子書籍が爆発的に売れるようになっているのに,日本ではまだないにひとしい. それは日本がおくれているからというよりは,アメリカと日本との出版,流通などのちがいからきていることをこの本はあきらかにしている. 携帯電話の存在もちがいのひとつだが,フォーマットの問題があること,つまり日本では重要な組み版ルールがまだ国際標準である ePub にははいっていないこと,外字や異体字の問題など,日本固有の問題が解決されないと紙の書籍にかわれないことが指摘されている. ほかにも流通,権利などにおいて日本固有の問題があることが指摘されている.
この本は電子書籍を従来の書籍からの発展としてとらえている. しかし,あまりのしがらみのおおきさに,もしかしたら,のぞまれるのは革新ではなくて革命なのではないかとも,おもえてくる.
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昨今の電子書籍関連の問題点がわかりやすく整理されて論じられています。電子書籍について考える際に一読すべき本だといえると思います。
著者は出版社で長いこと電子出版関連の業務に携わってきた(そのなかで法律知識の必要性を痛感して、結果、弁護士になられたとのこと)だけに、自身の過去の経験などをふまえた、現実に即した論考となっているように感じました。説得力があります。
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出版にたずさわっている人で、まだこの本を読んでいないのなら、
即購入して、即読んでください。
この本を基に、今後、議論を深めていきましょう。
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電子書籍がなかなか浸透しない理由が詳細に書かれています。
この本を読むまでは、出版業界は何故、電子書籍の解禁を渋っているのかを疑問に思っていましたが、その疑問に対する答えが示されていました。
以前のように、電子書籍の話題がたち消えにならないことを確信できた一冊でした。
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おわりにで著者の村瀬さんはこう書いています。
「デジタルの新しい流れについて、既存のアナログ清涼の立場から語ることは、それだけで『新しいことを理解できないバカ』に見えるため、なにやら損をするような気がします」 まさに!
しかしこの新書では、出版業界内部の方が、業界がおかれている立場を冷静かつ良識的に見つめ、現状から未来に対して自らがどのように対応・対処すべきなのかを語っているものです。
確かに、電子書籍に関するコラムや記事などで目にするものは、出版社側のエキセントリックな意見であったり、業界の閉鎖性、特異性に対する批判が多かったような気がします。
本書では、それらについて冷静に「作り手」の立場から、感情的にならず問題点やあるべき姿を解説しています。特に、電子書籍草創期に筆者が実際に体験した「電子書籍づくり~流通」を通じて、当時の業界の動きや根底に流れている思想・思考を書かれている部分は興味深く読み進めることができました。
日本の出版業界から、過去の流れ・歴史を含め「電子書籍の真実」を、そして先日読んだ「ルポ 電子書籍大国アメリカ (アスキー新書) 大原ケイ著」からは、海外との比較、ITとのかかわりの中から日本の電子書籍の在り様を、さらには「デジタル時代の著作権 (ちくま新書) 野口祐子著」で、電子書籍著作、制作、流通に不可欠な著作権・著作隣接権を。この3冊の新書でトータルに、またある程度の部分まで「日本の電子書籍」を理解することができると思います。
マイコミさんの紹介文
『2010年5月28日にAppleの「iPad」が発売されて以来、テレビや新聞、雑誌で「電子書籍」という文字を見ない日がありません。電子書籍ビジネスに参入しているAmazonや参入予定のGoogle、北米で電子書籍端末「リーダー」を販売しているソニーの動向なども話題になっています・・・』
http://book.mycom.co.jp/book/978-4-8399-3485-9/978-4-8399-3485-9.shtml
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推薦理由:
2010年5月にiPadが発売されて以来関心が高まっている電子書籍に関しては、その利便性のみに注目するのではなく、日本の出版文化に関わる問題として捉えるべきである事が理解できる。
内容の紹介、感想など:
新潮社で長年電子出版事業に携わってきた経験を持つ著者が、日本の電子書籍の歴史を紹介し、日本で電子書籍を流通させる事に関する様々な問題点を出版社の立場で指摘する。
グーグルサーチが発端となった著作権などの権利問題、再販売価格維持制度と委託販売制度を前提に流通する現行の販売システム、旧字体、新字体、異字体など膨大な文字数を持つ漢字をデジタルデータ化し、正しく表示させる困難とコスト、国立国会図書館での資料デジタル化の意義と問題点などを取り上げ、変化を余儀なくされている出版界の課題を指摘する。「もう、紙の出版物はいらない」という極論まで出る中、出版物の権利を守ろうとすることは既得権益の防衛であり、進歩に対する抵抗勢力に過ぎないのか、また、「出版文化を守る」という大義名分で既存のシステムを守ろうとする事は認められるのか、電子書籍の問題に出版界は過去の経験を踏まえて冷静に議論を重ね、実行に移していくことが必要だと訴える。
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フォーマット ドットブック、XMDF、epub
ドットブック ボイジャー
XMDF シャープ
epub 2007 IDPF release sony/iPad CSS/HTML/IMGをzipでひとまとめ
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2011 9/7パワー・ブラウジング。筑波大学図書館情報学図書館で借りた。
Amazonでリコメンドされた本。
2010年来の電子書籍本ブームの中で出た本に片っ端から目を通す一貫で手にとった。
基本、類書にある内容をコンパクトにまとめてある本・・・7月出版は早いほうかな? それにしても、最後まで読んでもこれを読んだか読んでないか判断できなかった、ってくらいに既知の内容メイン(ブクログに登録されていないので初読のはずだが)。
著作権関連のところには類書にはない記述もややあり。
それにしても2010-2011の電書本ブームはなんなんだろうね・・・
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電子書籍についての現状、そして今後のあり方について、弁護士の立場から見解を述べている。
どうしても既存の出版社寄りなので、内容はやや保守的だが、黒船は既に迫ってきてる今、日本の出版社はどう対応していくのか?
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購入後、長い間積ん読してたのでけど、
2010年の秋頃に書かれたものなので
今とは状況が変わってしまっていて
中身が古くなってしまっていた。
過去の事例や基本的な確認事項の確認として
しか使えなかったのが残念。
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日本における電子書籍の状況が主な内容。しかし、当時はまだロクに電子書籍端末も無かったので、あまり実際的な内容にはなっていない。
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2011/2/8 新刊棚で見つけて、ざっと目を通す。
電子書籍関連の本はこのところ何冊も読んできました。
・ Kindle キンドル(Amazon)、iPad、ソニー・リーダー、ヌック(nook)、Googleブックス (Googleブック検索)
本書は、電子書籍の出版界との関連が書かれていて、あまり一般読者向きではなかった。
内容 :
電子書籍の登場に伴い、紙の出版物は今や文章や写真を世に送り出す独占的な媒体ではなくなっている。
この先、「本」はどう変わっていくのか?
電子書籍による出版界の変化をできる限り整理して、将来への課題を明らかにする。